中国フォーカスメディア社に新たな展開!

2009-01-06 :, , , , , , : DSI : 1,960 views

中国最大手デジタルサイネージ運営会社フォーカス・メディア・ホールディング社(分衆伝媒)が、インターネット広告事業、映画館向けの広告ネットワーク事業などを除き、その急成長の基盤となったビルや店舗向けのデジタルサイネージ事業を売却することになりました。買主は、中国の大手ポータル運営会社SINA Corporation(新浪)であり、2009年第2四半期末までに売却が完了する予定です。

2008年12月22日の発表によれば、SINA Corporation社が買収する事業は、2008年第3四半期のフォーカス・メディア・ホールディング社の業績において、売上高224.8百万米ドルの52%、粗利益109.7百万米ドルの73%を稼ぎ出している部門です。シーナ・コーポレーション社は、買収代金として4,700万株の自社の新株をフォーカス・メディア・ホールディング社に割り当て、それらの株式は既存のフォーカス・メディア・ホールディング社の株主に分配される予定です。この買収が発表された時点では、シーナ・コーポレーション社の株価から、13.7億米ドルの買収価値と算出されましたが、この発表直後からシーナ・コーポレーション社の株価は下がり続け、12月24日終値では10.8億米ドルまで下落しています。株式市場は、この買収をネガティブに見ていると言えます。

フォーカス・メディア・ホールディング社のCEOのTan Zhi氏はSINAのコンテンツの強さとデジタルサイネージの機能を活用する事により、合併後は事業のシナジーによりお客様により良いサービスを提供し、中国のメディア産業で競争力を持つと語っています。しかし、フォーカス・メディア・ホールディング社の91都市に展開する120,131枚(2008年第3四半期末現在、自社保有分は114,300枚)のLCDは、ネットワークで繋がっておらず、コンテンツの一括配信・管理は出来ない状態です。シーナ・コーポレーション社が、このネットワークにどんな価値を見出しているのは不明です。

しかし、世界的規模の不況の底が見えない現在、もう少し時間をかけて検討する選択肢もあったはずです。仮に、シーナ・コーポレーション社がデューデリジェンスを十分に行わず、この買収を急いだとしたら、その要因になったのは、Bloomberg.comの記事でも指摘された他の買収者の存在があります。

Sina Corp., operator of China’s biggest Web portal, may buy part of Focus Media Holding Ltd. for about $1 billion to expand into non-Internet advertising, four people familiar with the matter said

Sina May Buy Assets From Focus Media for $1 Billionより一部引用)

2008年12月19日、Google Incがフォーカス・メディア・ホールディング社を買収するという噂が流れ、株価は19%上昇しました。また、Google Incの前には、フォーカス・メディア・ホールディング社は、Microsoft Corporationと買収に関する話合いを持ったと言われています。シーナ・コーポレーション社にとって、資金力のある競争会社に勝つため、即断即決が求められたとも考えられます。

11月12日にシーナ・コーポレーション社は、2008年第3四半期売上高は、前年同期比64%増の105.4百万米ドル、同純利益が、前年同期比28%増の22百万米ドルと発表しました。しかし、北京オリンピック終了後、経営環境は悪化しており、同日にシーナ・コーポレーション社は、第4四半期の売上高が98~101百万米ドルのレンジになると発表しており、2009年は更なる落ち込みが予想されており、新たな収益基盤としてフォーカス・メディア・ホールディング社の事業獲得は最重要課題でしょう。(98百万米ドルの場合は前年同期比7%減)

一方、フォーカス・メディア・ホールディング社は、11月10日に2008年第3四半期売上高は、前年同期比63.7%増の224.8百万米ドル、同純利益が、前年同期比10%増の51.4百万米ドルと発表しました。しかし、こちらは、シーナ・コーポレーション社以上に財務状況が悪化する可能性があります。

その根拠は、2008年4月10日、フォーカス・メディア・ホールディング社は、その子会社が行っていた個人情報を無断で利用してきたテキストメッセージ広告事業を見直し、売上計画も、従来の900~930百万米ドルのレンジから860~890百万米ドルのレンジへ下方修正したことです。この事件が及ぼした影響は、業績だけで留まらず、フォーカス・メディア・ホールディング社に対する広告主と消費者の信頼を損ない、株価は大きく下がり、創業者兼CEOの江南春氏も事業拡大の意欲を喪失したと言われています。身売りせざるを得ない理由があるのです。

北京でもガソリンスタンドに車列!!中国人の個人情報意識に火を点けたケータイ・ダイレクト・メール

       (北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地より一部引用)
前年比64%を売上げる急成長中の企業が成長の要であるはずの事業を売却する、一見意外に見える展開ですが、矢継ぎ早の買収による急成長の足元は意外に脆いようで、買収後は円滑ではなく、システム統合がうまくいかない等のトラブル続きの様子です。コンテンツ、インフラ、すべてを包括したソリューション提供が求められるこの分野で、企業の核となる強み(いわゆるコアコンピタンス)が追い付けないほどのスピードでの成長が今回の売却を生んだと言えます。

フォーカスメディア社のCEO,Tan Zhi氏が語るようにこの売却が幸福なマリアージュとなるか今後の状況を注目して見ていきたいところです。

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コメント(2)

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