コンテンツが建築を表現する!  第2回目

2009-07-03 :, , , , , , : paul : 531 views

照明によって照らし出されるだけだった建築ファサードは、ファサード自身が発光し(ディスプレイ)、頭脳を持つ(データー送出)ようになりました。映像と構造体の建築的関係の様変わりは、単に完成した建築の視覚的外観だけではなく、プランニングや建築工事過程においても非常に重要な密接関係にあります。

日本の各都市では、まだまだ箱物的な大型LEDビジョンが主流です。そこに流れるコンテンツは情報や広告が多く、建築と結びつきのある内容や建築の所有者である企業のあり方を示唆するようなものではありません。それゆえ、情報の垂れ流しとなり、知的な遊びの感じられないものになっているのも事実です。

2007年のMedia Architecture Conferenceの参加者やパネラーは欧州出身者が多く、欧州の土壌は日本よりもずっとアートや公共性に理解や重きをおいていると思います。

そこで、今回はCMA(Creative Media Architecture) の2つの実例をご紹介したいと思います。一つ目は、会議でもパネリストとして参加されていたBlinken Lightsの2001年、2002年の実例です。少し古いので、さまざまな媒体ですでに目にされている方々も多いかと思います。建物のある場とその街にくらす人たちをつなぐ楽しいコンテンツです。
常設ではなく、期間限定のコンテンツということで成り立つものですが・・・・

【Blinkenlights】 期間:2001年9月~2002年2月 / 2003年12月~2004年1月
アレキサンダー広場前/ベルリン

14×8個の窓を使いそのビルの壁面が、ピクセル数144のスクリーンとなる。一般ユーザーは、ブリンケンペイントのソフトをダウンロードし、誰でも簡単にアニメーションが作れるようにした。各窓の後ろに、光源として、スダンド型のスポットライトが仕込んである。また、窓は内側より白くペイントされている。

予想外の反響で、ピンポンゲームとブリンケンラブレターというあらたな企画を立ち上げる。ピンポンゲームは携帯を使って、コンピューターもしくは、自分の友人を相手にスクリーン上でゲームを楽しめる。また、ラブレターは、事前にアクセスコードをもらい、それにより、時間指定で自分のメッセージ付アニメーションを流すことができる。簡単なソフトで分かりやすい絵がつくれるということで、非常に注目を浴びるスポットと化した。

【Arcade】
期間:2002年9月~10月
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=Fagx-Gj6nKg]
セーヌ川ほとり、フランス図書館の1棟のファサードを使用。ベルリンのバージョンアップで、20×26個の窓を使ったピクセル数520、スクリーン面積33720㎡ このスクリーンに変身したビルの大壁面で、携帯を使ってリアルタイムにテトリスゲームが楽しめる。また、このアーケドペイントというオリジナルソフトを使うと、一般ユーザーは絵やアニメーションを作成でき、それをE-mailで送ることで、大スクリーンに反映され、他者と共有し楽しむことができる。           

二つ目の実例は、現在進行形のプロジェクトです。
ドイツ/バイエル製薬の旧本社を取り壊さずに、新たなシンボルとしてLED彫刻にリノベーションするという豪快なもの。
表面積17500㎡は、LEDをマウントしたステンレス素材で覆いつくされ、そのLED数は350万個を越える。バイエル製薬の、革新的で日々研鑽を積む姿勢と常に変わるメディアファサード上の映像がリンクするようです。ただ、これに関しては、いつでもどこでもバイエル社のイメージを目にすることとなり、自分の意思とは無関係に「バイエル製薬」が刷り込まれるではないかと反対意見もあがっているそうです。
工事状況がこちらのyoutubeから見られます。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=FMYgiLeqItM]

メディアが建築さらにはパーソナルスペースにまで、今よりもずっと深くインテグレートするようになれば、流れるコンテンツにも新たに規制などが課せられるかもしれませんね。消費者の購買意欲に入り込み、刺激するデジタルサイネージのコンテンツは今後どのように変容していくのでしょうね。

それではまた次回。

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