デジタルサイネージ・OOHをドバイショック後のドバイに行って見てみる

2009-12-21 : : DSI : 1,142 views

11月25日にドバイの政府系持ち株会社ドバイ・ワールドが発表した、5兆円に上る債務の返済繰り延べ要請から発した「ドバイ・ショック」が世界経済に与えた影響は非常に大きいものでした。日本の大手ゼネコンもインフラ整備事業を数多く受注していたため株価の下落など、日本経済に対する影響も少なからずありました。12月14日に発表された同じUAEのアブダビによる100億ドルの支援によって、今回の危機は一旦終息したように報道されていまが、日本のメディアによれば、あらゆる開発がストップして、高給取りの外国人達はわれ先に国を逃げ出したなどというものもあり、「実際はどうなんだろう?」と思って先日ドバイに行ってきました。

非常に短い期間にに街中を見てきただけなので、なんとも言えない部分はあるのですが、全ての開発が止まっているようではなく、ショッピングセンターには人があふれて市民の日常生活は平穏なように感じられました。もちろん、債権を持っているヨーロッパの銀行団との交渉やお隣の首長国であるアブダビとの関係のなかで大きな流れは今後つくられていくとは思いますが、街中が騒然としているような雰囲気は全くありませんでした。

さてさて、表題にあるドバイのOOHに関してですが、JCドゥコーのストリートファニチャー事業と同じように寡占的な形で屋外広告を扱っている会社がいくつかあるようです。そのなかの一つがRightAngle社です。PPP(パブリックプライベートパートナーシップ)と呼ばれる官民一体となった事業形態によって、市内の交通機関を運営しているRTAに対してバスシェルターをRightAngle社が設置して、その代わりに同社が独占的に広告を取り扱う形なっています。すでに600箇所以上に非常に良くデザインされた、エアコン完備のバスシェルターが設置されています。暑い地域ですから当然かもしれませんが、エアコンが整備されたバスシェルターは世界初だそうです。Mars Media Reserch社の2009年4月の調査によればブランド購入における消費者の選択に対してもっとも効果的なOOHメディアであったそうです。確かに街のいたるところにこのシェルターがあって、アピール度は高いように思われます。


バスシェルター外部

バスシェルター内部

またサウジアラビアからスタートした中東地域における最も大規模なOOH事業者であるKassabMediaMarketing社もドバイの街の至るところに広告塔をもっています。同社は今まで小規模な事業者がサイズもばらばらで統一感がないOOHを扱っていたなかで、多くのロケーションオーナーと交渉を行い統一感のあるサイネージのシステムの設置を進めてきました。今年の9月に完成したラシディヤ - ジュベルアリ間52.1kmで完全自動無人運転の鉄道システム「ドバイ・メトロ」ドバイのメトロにも広告枠を持ってます。


KASSAB 街中

KASSAB メトロ

アナログなOOHに関しては、ヨーロッパと同じような印象を受けましたが、ドバイらしい巨大な広告も街中でみかけることが多かったです。

巨大な屋外広告

デジタルサイネージに関しては、ショッピングセンターの中が主な設置場所になっていました。ただ、広告というよりテナントとして入っている店舗の販促的な使われ方の方が多かったよううに思います。


ショッピングモール内の情報案内端末

空間演出的に使われるLED表示機

円筒形デジタルサイネージと発光する床面(インタラクティブではなかったです)

以前の記事でドバイの空港で屋外広告メディア大手 JCDecaux と現地企業の合弁会社 JCDecaux Dicon がドバイ空港のデジタルサイネージに関して 10年間の独占契約を交わしました。という記事をアップしましたが、それほどディスプレイがインストールされているわけではなく、JCDecaux Dicon社の自社広告が目立つ感じでした。やはり景気の悪化をうけて屋外広告や交通広告の入稿状況が芳しくないのはドバイも同じようでした。

ドバイのデジタルサイネージに関しては、交通系はまだ導入がさほど進んでおらず、人の滞在時間の長いショッピングセンターがメインになっているように感じられました。これは暑い地域特有で、ショッピングセンターに多くのヒトが涼みにくることがあげられます。

メトロ車内

メトロ駅構内

ドバイのメトロではデジタルサイネージが広告媒体として活用されるといったリリースなどもありましたが、実際には運行表示と時刻表示がされているだけでした。広告媒体としての利用は今後予定されているのでしょうが、デジタルサイネージの活用に関してはまだまだこれからといった印象をうけました。ことデジタルサイネージの導入に関しては、新興国の方がスムーズに導入され易いという事もあると思います。まだ巨大な広告代理店が市場のシェアを独占しているという状況になっていなかったり、増え続ける中間層に対して露出を増やしたい積極的な広告主がいたりなど、理由は様々ですが、日本でデジタルサイネージの媒体事業を行うよりはいくらか条件はましなのではないでしょうか。そういった意味でも国のインフラ作りの真っ最中であるドバイはサイネージの発展の余地は大きいと思います。ただ、今までリリースされてきたプロジェクトが実施されていないようにみえる部分もありましたので、ドバイに関しては経済状況の回復のスピードに併せて普及していくのだと思います。何分大掛かりな取り組みが大好きな国なので、デジタルサイネージもマッチするのではないでしょうか。またしばらくしてから、もう一度訪れてみたい国ですね。

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