IBC 2008 まとめ:リーチかクオリティか、2つのトレンドとデジタルサイネージ

2008-10-15 :, , , , , , : DSI : 1,018 views

9月12〜16日までオランダのアムステルダムで開催されたヨーロッパ最大の放送機器展 IBC 2008 のレポートをお届けします。

IBC 2008 会場内の様子

今回の IBC 2008 では相反する2つの技術トレンドが出てきたところが特徴的でした。つまり、HD や 3D というリッチな映像体験を目指す流れと、IPTV やモバイルTV などのように画像サイズや画質を犠牲にする代わりにインタラクティビティやオンデマンド性などの別の価値をもたらす流れが見られたことです。

そのような技術的トレンドの中で、 IBC 2008 では今年から新たにデジタルサイネージの専用ゾーンが設けられました。放送の世界でもフィルムからファイルベースへの移行が急速に進行しており、デジタルサイネージとの境界もある部分ではなくなりつつあるように感じますが、そのせいかデジタルサイネージ関連の出品も必ずしもデジタルサイネージ専用ゾーンに限ったわけではなく、会場内のあちこちのブースに散らばって展示されている状況でした。

以下では、デジタルサイネージの観点から目を引いたものをいくつかご紹介します。

Nokia のロケーションベース広告

NOKIA のブースでは場所ごとに広告を設定する「ロケーションベース広告」を提案していました。これはバス・トラム内のデジタルサイネージや携帯型の端末を想定したもので、 端末がその近辺に来ると広告内容が自動的に切り替わるというもの。

Cisco ブースのデジタルサイネージの展示

Cisco ブースではコンテンツの中央管理とローカル管理を自動的に切り替えられる、新しいタイプのデジタルサイネージを提案していました。これは、指定の時間になるとコンテンツの制御権がローカルに委譲され、セットトップボックスに付属のリモコンなどで自由にテレビを見たり好きなコンテンツを流したりできるというものです。複数の拠点にデジタルサイネージを設置する場合、時間帯によっては表示するコンテンツをそれぞれの拠点の責任者に任せたい場合があり、そのようなケースに対応できるとのこと。

裸眼立体視モニターを組み合わせた情報キオスク

また、3D関連でも面白い製品が展示されていました。よくあるタッチパネル式の情報キオスクですが、 VisuMotion 社のこの製品では上の画面が裸眼3Dモニターになっています。

このほか、IPTV の展示の中にもデジタルサイネージの広告配信に使えそうなものがありました。

MediaFLO ブースの展示

MediaFLO のブースでは、携帯電話などの小型端末向けの放送を使って TV 番組以外にもゲームやアプリケーションなどの様々なデータを放送できることを見せていましたが、端末ごとの視聴履歴をサーバー側で把握できるためユーザーの属性を推測でき、ターゲットに合わせて広告を切り替えることが可能になるそうです。

また、USB 端子に接続するタイプの超小型受信機もあり、セットトップボックスなど携帯電話以外の端末にも配信が可能です。

STB なども MediaFLO 端末になる

MediaFLOワンセグによく似たサービスですが、日本国内ではすでに狭い範囲にだけ放送するエリアワンセグを使ったデジタルサイネージの実証実験などが行われています。どちらも QVGA(320×240)と低画質ですが、小型のデジタルサイネージ用などの可能性がありそうです。

携帯電話用充電スタンドのデジタルサイネージ

最後は展示物ではないのですが、会場内に設置されていた携帯電話用充電スタンドです。各メーカー用のアダプターがあって無料でチャージが可能になっています。日本ではカギ付きのものをよく見かけますが、ヨーロッパではカギの付いていないものがほとんどなので、近くにいる必要があり、その人たちに広告を見せるためのモニターが付いていました。これもデジタルサイネージの一例ですね。

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