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今回はアメーバピグやAmebaなうといった新サービスを矢継ぎ早にリリースされているサイバーエージェントの新規開発局 デベロップメントグループの渡辺さんと浦野さんにお話を聞いてみました。国内ネット系ベンチャーのトップ企業として数々のサービスやメディアを開発してきたサイバーエージェントさんはデジタルサイネージをどのように考えているのでしょうか?
DSI 簡単に新規開発局が取り組んでいるお仕事を教えてください。
渡辺さん:弊社のアメーバ事業にコミットしているのが新規開発局になります。自社メディアに関しては基本的に社内で開発するスタンスで取り組んでいます。代表的な取り組みとしてはアメーバピグがあります。最近はtwitter的なサービスといわれる(笑)Amebaなうをリリースしました。
DSI 最近の開発はどんなことに力を入れていますか?
渡辺さん;はい。モバイルへの対応ですね。現在はピグに関して進めており、その中でゲームの開発にも取り組んでいます。PCのサービスを順次使えるようにしています。Amebaなうに関してもまずはモバイルから先行してスタートしましたように、モバイルは大きなテーマですね。
浦野さん:今まではブログの広告がメインだったんですけど、ユーザー課金を盛り上げていこうということでピグやプーシュカのアイテム課金などに力を入れています。
DSI 課金型のモデルで一番うまくいっているのは何になりますでしょうか? どれぐらいの規模感がありますか?
今はピグですね。アバターが着せ替えをするバーチャルアイテムが比較的好調です。どこまで言っていいか今思い出しているのですが(笑)ユーザー数が2010年1月時点で200万人を突破しました。月額でPCピグとモバイルピグをあわせて1億円くらいの売り上げになっています。他の会社さんに比べるとまだまだなんですが。
株式会社サイバーエージェント 新規開発局 浦野さん 渡辺さん
DSI ピグに関してはいつぐらいから開発してどのくらいの期間がかかったんですか?
浦野さん:サービスの企画が立ち上がったのが2008年の7月ごろに「何かアバターサービスをやろう!」というのが弊社社長の藤田からあってスタートしました。そこからプロジェクトチームが作られてリリースしたのが2009年の2月になるので、開発期間は6ヶ月くらいになります。そこから今は新規サービスの開発や運用を続けています。
DSI 最初からサービスの全体像がはっきりしていたのでしょうか?
浦野さん:藤田からのオーダーは「Amebaで使えるアバターサービスを作ってくれ」ということで、今みたいにメタバース的に街中をあるくことは想定してませんでした。
DSI 開発で一番苦労したことは何ですか?
浦野さん:うちのAmebaユーザーさんはF1層が多くて、主婦の方などITリテラシーが高くない方もいるので、そういった人に受け入れてもらえるシンプルさなどを追求しました。一番大変だったのがアバターのテイストですね。似顔絵アバターというテーマがあって、似顔絵なんだけどみんなが適当に作ってもかわいくなるとか、「何か、似てるよね」と言ってもらえるテイストには気を使いました。
渡辺さん:テイストに関しては全サービスでチェックを厳しくしていて、1サービスだけテイストがかけ離れるといったことがないようにしています。どのサービスを見ても違和感のないようにつくっています。
DSI どういうテイストが求められているんですか?
渡辺さん:ブログとかが立ち上がった時期はそこまで意識がなかったんですが、先ほどもあったようにF1層の女性が多いので、女性受けするやさしいイメージや、かわいいイメージを大切にしています。
DSI ピグの開発の段階で「これはいけるな!」と思ったタイミングはありますか?
浦野さん:12月くらいですね。今までもプーぺガールのようにアバターのサービスはあったのですが、「動く」ということが一番の違いです。デザイン的にはアニメーションがあるので詰められなかった部分もあるんですが、実際にプログラミングとつながって実際のアニメーションになったときにめちゃめちゃかわいくて、これはいけるなと感じましたね。そのピグのかわいい世界観が認められて、今のユーザー数に反映しているんだと思います。
DSI 開発側が想定していないことなどはありますか?
渡辺さん:ユーザーがプログラミング上のバグを楽しんでいるというのはありますね。
浦野さん:昔のファミコン的な楽しみ方が出てきているんですけど、例えば、部屋を模様替えできるのですが、変な場所に家具を置くと、そのまま部屋を飛び出しちゃうといったものがあります。通称「セコム」とユーザーでは言われています(笑)、知らない人も部屋にくるので、知らない人を追い出すといった意味で使われています。その裏技を知っている人と知らない人の間で不平等が起こったりする場合はバグを修正するのですが、「これ面白いよね!」という時はそのままにしますね。こちらが用意したものだけでは限界があるので、ユーザーが自由に楽しんでもらえる余地を常に意識していますね。
DSI 今後の展開に関してはいかがでしょうか?
渡辺さん 先ほどもお伝えしたようにモバイルでの展開に力を入れていますが、ピグが他のサービスに登場したりといったことも進めています。なうやブログ上でもピグのアイコンが出るといった展開がありますね。
浦野さん 後は世界への展開ですね。Amebaは日本国内でのサービスですが、ピグに関しては海外の展開を準備しています。ピグの前にサンフランシスコにある支社で開発した「NinjaTrick(ニンジャトリック)」というオンラインゲームはアメリカで先行してリリースされていますし、「meromero park(メロメロパーク)」は台湾でも展開中です。
DSI 海外での展開も積極的に行うなど開発チームにプレッシャーはないですか?
渡辺さん 一般的なWebサービスと比べるとユーザーの反応が顕著に現れるので、それはうれしいですね。
浦野さん ピグの場合はチャットでリアルタイムに意見が言えるので、中には厳しい意見もあったり、本当に作っていただいてありがとうございますという言葉をもらったりできるのが面白いですね。
DSIサイバーエージェントさんの開発チームのカラーやスタイルを教えてください。
渡辺さん 開発のスタート時は、プロデューサーやディレクターやデザイナーでブレストをしていきます。チームで意識が共有できた上で、みんなが専門性を発揮して製作していくことになります。トップダウンの組織に比べると早いスピードで成果が出ていると思います。私達のチームの特徴としては「いいものを作っていこう」という気持ちを持った人が多いですね。またそうした気持ちがモチベーションに繋がっています。最終の着地がぶれなければ良いので、みんなが各自でブラッシュアップしたり、ちょっとぶれそうになったらチームのスタッフに相談をしたりといった形でトップダウンではない組織が特徴ですね。即戦力の中途採用のものが多かったので「新しいものをどんどん作っていこう!」という傾向があります。
浦野さん: 新規開発局で150名くらいの製作者がいるので、結構大きいほうだと思うんですが、組織的にはフラットで風通しも良いですね。社長とクリエイターが直に意見交換するといったこともありますね。
DSI 藤田さんのブログで事業プランコンテスト「じぎょつく」のお話のなかでデジタルサイネージというキーワードが出てきたりしていますが、御社がデジタルサイネージに関わる可能性についてはいかがでしょうか?
渡辺さん: 現在Amebaは芸能人のユーザーが多いので、ピグでも芸能人が登場したりといった形でリアルとの連携という事がちょっとづつ進んでいます。
浦野さん: 今はデジタルサイネージに関して具体的な事例はないですが、Amebaとしてはプラットフォームは選ばずに進めていくという目標があります。PCや携帯だけでなく、アクトビラなどにも対応しています。そうした方向性を持っていますので、エンジニア個人的に関心のあるものを作ったりしていますね。
DSI デジタルサイネージとWEBの技術は共有するのものが、多いので、開発力のある御社には是非参入してもらいたいところですね。特にAmebaは芸能人の方がユーザーに多いというのはひとつアドバンテージですよね。たとえばAmebaユーザーの芸能人がデジタルサイネージでランキングを紹介するといった形もありかもしれませんよね。
浦野さん: マイクロソフトのSurfaceのようなマルチタッチデバイスがもっと普及してきたら面白いですね。後はネット家電がデジタルサイネージに繋がってくる事もあるかもしれませんね。
DSI そうですね。最近、デジタルサイネージ業界ではデジタルフォトフレームの可能性が語られているんですね。御社のように非常にたくさんのユーザーを持つ企業が、ユーザーにデジタルフォトフレームを配布するといったことになると、新しいコミュニケーションが生まれてくるかもしれませんね。今日はありがとうございました。
簡単にまとめ
サーバーエージェントさんとデジタルサイネージ。正直、現在は全く結びつきはありません。ただ、ユーザーを沢山抱えるWEBサービスを持っている企業がデジタルサイネージに参入してくることになると、「ちょっと新しい展開が生まれるのでは!」とお話しながら感じました。特にサイバーエージェントさんは芸能人の方の利用なども多いので、Ameba meetsデジタルサイネージという展開があったら面白いかもしれませんね。エニグモさんがデジタルサイネージのサービスを始めているように、WEB系の事業者さんが今年どのようにデジタルサイネージに参入してくるのか、注目していきたいところですね。
おまけ
浦野さんと渡辺さんとはおばかアプリコンテストでお会いしたのですが、おばかアプリの活動がサイバーエージェントさんのリクルートサイトにも掲載されいて、やっぱりWEB系の会社さんが持つカジュアルな感じは素敵!って思ってしまいました。
先日、NTTさんが発表されたネットワーク型デジタルサイネージのパッケージシステム「光サイネージ」は、業界の中で反響を呼びましたね。今回のリリースには3つのポイントがあったと思います。お客様のニーズや規模に合わせ。「松」「竹」「梅」のサービスラインナップを用意して、選びやすくしたという事が一つ。二つ目は丸紅さん、PDCさん、ニューフォリアさんといったパートナーとアライアンスを組んだこと。3つめが配信プラットフォームへの取り組みが発表されたことですね。今回のリリースのパートナーとなっているニューフォリアさんなのですが、実はデジタルサイネージ業界初のコンテンツアグリゲーターになります。今回は株式会社ニューフォリアの清水さんにお話を聞いてきました。
最近デジタルサイネージとAR(Augmented Reality)が共に語られる事も増えてきましたね。先日、 社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)さんが主催するPAGE2010の「デジタルサイネージとAR(拡張現実)の動向 」というカンファレンスのモデレーターをさせて頂きました。そのセッションでパネラーをされていたナレッジワークスの亀山さんにデジタルサイネージとARについてちょっぴり記事を書いて頂きました。
毎回デジタルサイネージ業界で先進的な取り組みをされている企業のキーパーソンにインタビューする「デジタルサイネージキーパーソンインタビュー」。第6回である今回は、先日デジタルサイネージASPサービス「ASP pro」、「ASP Entry」をリリースされたソニーの相澤さん、坂尾さん、植田さんにお話を聞いてきました。
DSI 液晶テレビやノートパソコンなどのコンシューマー向けの製品を多く扱っているメーカーであるソニーさんはどのようなスタンスでデジタルサイネージ事業に取り組んでいらっしゃるのでしょうか?
坂尾さん デジタルサイネージはこれから成長が期待される分野です。 デジタルサイネージのビジネスは、ソニーのB2B事業の中で、サービス&ソリューション事業部に位置づけられ、ソニーの持つディスプレイなどのハードウェアとサービスを組み合わせお客様のニーズにあわせたソリューションを提供していきたいと考えています。これまでの取り組みの中ではアドバタイジングサービスとしてソニーが運営する専用チャンネル「ミルとくチャンネル」が比較的大きくとりあげてられていますが、広告配信サービスだけでなく、ソニーとしてお客様の様々なご要望にこたえられるようトータルなサービスを提供させていただくというスタンスになりますね。
サイネージビジネス部ソリューション事業統括課長 坂尾さん
DSI デジタルサイネージに関する取り組みはいつ頃からスタートしているのですか?
相澤さん 2002年からネットワークプレーヤーという製品をリリースしています。当時からデジタルサイネージという言葉を使い、製品ラインナップを展開する企業としては早い取り組みだったのではないでしょうか。その当時は「デジタルサイネージ」に関する認知度がまだ低く、なかなか理解いただけないこともありましたね。現在は、お客様の認知も高まり、おかげさまで多くの事例に取り組ませて頂き、社内でノウハウも蓄積されるようになってきています。
サイネージサービス部サービス事業企画課ビジネスプロデューサー植田さん(左)サイネージビジネス部メディア事業課統括課長 相澤さん
DSI 現在御社の手がけているデジタルサイネージに関する製品やサービスを簡単に教えて頂けますか?
植田さん ソニーではこれまで大きく分けると3つのソリューションを提供してきました。従来から取り組んでいる、自社でデジタルサイネージを運用されるお客様向けの機器販売、弊社が運用を手がける「マネージド(運営受託)サービス」、デジタルサイネージの広告出稿を希望されるお客様向けの「アドバタイジングサービス」になります。そして今回、新たにASPサービスを発表させていただきました。
DSI 3つのソリューションがある中で、新しいASPのサービスはどういった位置づけになりますか?
坂尾さん 今まで機器販売で提供してきたデジタルサイネージプレーヤー「VSP-NS7」は数台から200台までの配信に対応した製品なります。2008年からは最大10,000台までの広域・多拠点にコンテンツ配信が可能なデジタルサイネージプラットフォーム「BEADS」を開発し、運営受託サービス、アドバタイジングサービスを提供開始しました。
これまでサーバー構築費などの初期導入コストがデジタルサイネージの導入の大きな導入障壁になっていましたが、ネットを活用しながらセキュアなコンテンツ配信が可能な「BEADS」のテクノロジーをベースに、より簡単・スピーディに運用していただくために今回新たにASPタイプのサービスを提供する運びになりました。
DSI 確かにデジタルサイネージの可能性に興味を持っていただいても、初期導入コストの高さで導入を躊躇されてしまう企業も多いですからね。
坂尾さん はい。本来であればデジタルサイネージを利用すれば、もっと効率的な情報配信や販促が行える企業様が、導入に踏み切れていないという問題を解決するために生まれたのが今回の「ASP Pro」と「ASP Entry」なんですね。
DSI 「ASP Pro」の特徴はズバリどんなことでしょうか?
相澤さん 広告媒体としてのデジタルサイネージ運用に関しては、編成担当者、広告代理店、コンテンツ制作会社といった様々な方が携わる事になります。現場のオペレーションやワークフローの最適化に徹底的に拘ったことが大きな特徴です。「ASP Pro」では、Webブラウザー経由で、離れた場所にいるそれぞれの担当の方が効率的に業務を行える仕組みになっています。編成を決めたあと、制作会社が制作したコンテンツを登録し、広告代理店が承認して、最終的に入稿をチェックするといった一連の流れを「ASP Pro」を使って行うことができます。また、広告配信を意識し、広告主の競合CMが並ばないようにしたり、自動車CMのあとにアルコール関連CMが流れないようにするなど、コンテンツのメタデータを活用することにより、ヒューマンエラーを回避できるようにしています。
ASP_Pro管理画面
DSI 「ミルとくチャンネル」で御社が広告媒体事業を行って蓄積したノウハウが詰まっているということですね。
坂尾さん そうですね。現場でデジタルサイネージに関わる方がより効率的に作業を行える事をテーマにしていますので、ASP Proを交通広告や放送関連の事業者様などにご利用いただければと考えています。
DSI もうひとつの「ASP Entry」はどんなサービスなのでしょうか?
植田さん 流通チェーンや飲食店、文教、金融向けのサービスで、「コンテンツクリエイター for BEADS」を使って簡単にコンテンツ制作・配信ができることが最大の特徴ですね。最初から業種や用途に応じたテンプレートが用意されていますので、デジカメで撮影した商品写真などを選択して、コメントを記入するだけで配信の準備ができてしまいます。時刻設定→パターン選択→コンテンツ入力→確認という短いステップで、パソコン操作が苦手な方でもデジタルサイネージを利用することができます。
実際に「コンテンツクリエイター for BEADS」デモ画面を見せていただく
DSI ホントに簡単ですね!特に流通の現場では「うちのスタッフはワードしか使えないからデジタルサイネージのソフトを覚えるのは無理」といった事や配置転換が頻繁にあるのでこの簡単さは現場向きですね。あとテンプレートに店員さんの顔写真が入るものはいいですね。
植田さん チェーン店の場合、全店で統一的に配信しないといけないメッセージと、例えば、雨が降ってきているから「雨の日サービスを告知しよう!」といったローカルなメッセージの両方が必要になります。デジタルサイネージの特徴であるタイムリーな情報配信に、ツールの使いやすさは必須ですね。
「コンテンツクリエイター for BEADS」で作成したサンプル画像
相澤さん 実際に利用している店舗でも、使っていただくうちに写真撮影なども含めて、訴求内容が分かりやすくなり、さすがだなと感心させられました。スタッフの方も自分の写真が掲載されることで、責任感も出てくるといった話も聞こえてきます。簡単に操作できるからこそ通常業務の一環としてデジタルサイネージを活用いただけるのだと思います。
坂尾さん 簡単に使えることと高度な機能は常にトレードオフの関係にありますが、「ASP Entry」は名前の通りこれからデジタルサイネージをはじめて頂く方向け、「ASP Pro」は広告事業をされているプロフェッショナルな向けと利用用途を想定しています。
DSI リリースを発表されてからの反響や今後の目標を教えてください。
坂尾さん はい。おかげさまでリリース直後から引き合いを頂いております。富士キメラ総研の調査によれば2012年のデジタルサイネージの市場規模は829億と予測されていますが、弊社としては市場の拡大に合わせて2010年中にASPのサービスを利用するデジタルサイネージが1000面程度になることを目標としています。弊社の3つのサービスの柱に新たな「ASP Pro」、「ASP Entry」をあわせてお客様のニーズにマッチしたデジタルサイネージを提供していきたいですね。
簡単にまとめ
前回は「ミルとくチャンネル」についてお話を聞かせて頂きましたが、そこで実際に広告事業を媒体主としてオペレーションされる中で蓄積されたノウハウが今回のASPサービスに活きているように思いました。現在多くの事業者さんからASPタイプのデジタルサイネージサービスが提供されていますが、そのことがソニーさんのひとつの強みになっていると思います。どんなITのツールでも実際に使うスタッフの方が「面倒だなぁ・・・」と思ってしまうと途端に使われなくなってしまいますので、「現場で使ってもらう」ことを意識したサービスは大事ですね。エントリータイプは月額7,560円とお求めやすい価格になっているので、流通系のチェーン店さんなどにも受け入れられやすそうですね。
<サービスに関するお問い合わせ:>
ソニーブロードバンドソリューションOfficial Web:http://www.sonybs.co.jp/beads/
業務用商品相談窓口:0120-788-333
世界で2番目に大きい屋外広告の会社であるJCDecauxがちょっと前にライバルであるTitan Outdoor社を買収しましたね。 JCDecaux’s UK のCEOであるJeremy Male氏はTitanが持つ鉄道と小売の広告は、我々が持つロードサイドと空港の広告ビジネスを発展させるポテンシャル持っていると語っています。 Titan Outdoor社はNetwork Rail’と年間 £26mにのぼる広告の取り扱いをはじめメジャーな契約をたくさん保有しています。今回の買収によりJCDecauxはイギリスの屋外広告の市場の3分の一近くのシェアを取ることになり、CBS OutdoorやClear Channel Outdoorとのライバル争いが益々激化しそうですね。
JCDecaux buys Titan Outdoor
JCDecaux, the world’s second largest outdoor advertising company, has completed the acquisition of rival Titan Outdoor.
Titan, which has a number of major contracts in the UK including Network Rail’s £26m-a-year ad deal, was forced into administration yesterday after failing to secure financial backing to continue operations.
guardian.co.ukより引用
日本の屋外広告市場には超大手と呼ばれる媒体会社はありませんね。デジタル化の浸透に併せて事業者が集約されていくという考えと、レガシーな屋外広告は変わらないであろうという二つの考え方が広告業界にありますが、いずれにせよ海外で起こっているダイナミックな動きは何年かすれば必ず日本の市場にも影響を与えていくことになるのではないでしょうか。
デジタルサイネージの広告媒体事業者もこうした市況の中でも好調さを維持している企業と、そうでない企業の差がかなり出ているようです。今年は何か合併、吸収といった動きが起きるかもしれませんね。
インタラクティブなデジタルサイネージに使われるツールとして王道なのはやはりFLASHですが、FLASH以外でのアプローチをするクリエイターさんが増えてきています。そんな中注目したいいのがzachary liebermanさん達が作ったopenflameworksです。最近出来た日本語版のサイトによれば
openFrameworksは、C++をベースにしたインタラクティブデザインやメディアアートを制作するためのフレームワークです。2次元や3次元の 図形の描画、アニメーション、サウンドの録音と再生、動画のキャプチャーと再生、マウスやキーボードによるインタラクション、ネットワークの活用など、マ ルチメディアコンテンツを制作するための様々な機能をすぐに利用できるフレームワークとして提供されています。
ということです。英語版のサイトにはデジタルサイネージ的な作品もいくつか紹介されています。
[vimeo:http://vimeo.com/8487873]
Big Screams
電話番号を入力して自分のキャラクターを作って、一番大声を出した人が勝つという感じのゲーム(ざっくりした説明ですいません)外人さんはめっちゃ楽しそうです。
[vimeo:http://vimeo.com/7042266]
Hand from Above
大型ビジョンをAR的に使って街行く人がイタズラされてしまう企画(80年代の街角イタズラ系テレビ番組を思い出させますね)解説には巨人兵士ゴリアテなどの神話にインスパイアされたと書いてありますが、理屈ぬきに面白い感じです。
日本でそのままやろうと思うと色々と難しい事(日本人はシャイボーイが多い、著作権の問題)が想像されますが、ともかくユニークで実験的な取り組みが色々と生まれていますね。先日メディアアート系の友人に「openflameworkってどう?」と聞いてみたら「動きも早いんで、結構みんな使ってるんじゃないですか」との事でした。日本では筋電を使った作品で有名な真鍋大度さんがzachary liebermanと親しいみたいですね。メディアアート界隈で生まれたアイディアや実験がちょっぴり遅れてデジタルサイネージ業界に入ってくるのはよくある事ですので、openflamework周りの動きもこれからチェックしていきたいところですね。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=i7woG0pqFjs&feature=player_embedded]
おまけopenframeworksを使ったマジックプロジェクション
老舗百貨店の店舗閉鎖、大手流通による低価格業態の展開、NB商品(ナショナル・ブランド商品)がPB商品に対抗して価格を下げるなど、小売業を取り巻く最近のニュースは(西友さんのコピーではないですが・・・)「価格が安い」という事を中心に展開されるものがほとんどですね。小売業の業態のテーマが「良いものをお安 く」というところにあるので当然といえば当然な話なのですが、少し前までは新しいテクノロジーを利用したリテールの可能性が語られていたように思います。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=sWH8JHXG0SU&feature=PlayList&p=E2E5931E1C702612&playnext=1&playnext_from=PL&index=3]
独メトログループフューチャーストア デモ (CGが一昔前のタッチです)
代表的なものがドイツの大手小売チェーン・メトログループが提案するフューチャーストアですね。RFIDを利用したサプライチェーンシステム、タッチパネル付ショッピングカート、スマートシェルフなどを使って新しいショッピングを体験してもらう仕組みです。日本でも2005年ごろ経済産業省が中心となって 「日本型フューチャーストア」の実験がされましたが、最近はあまりこうした話は聞きません。ショッピングの未来はどこに行ってしまったんだろうという感じですが、デジタルサイネージを利用した新しいショッピングの展開は色々と研究されています。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=kYpxpgyCcns]
Cisco Augmented Reality @ retail fitting rooms
シスコはAugmented Realityを活用したアパレル向けフィッティングルームを提案しています。恥ずかしがり屋さんの多い日本人がこんなにダイナミックな事をするのはあまりイメージできませんが、新しいショッピング体験であることは間違いなさそうです。
そう言えばマイクロソフトも「Retail Experience Center」という未来の店舗を体験できる施設をレッドモンドの本社に作っていましたね。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=Z2MbE0iw-Aw]
先日、ローソンとADKとドコモがデジタルサイネージの新会社設立を設立するというリリースが発表されましたが、日本型のフューチャーストアを考えるとやはりモバイルとの連携がキーになってきます。今回の新会社にドコモが出資しているのは納得できるアライアンスです。国産の技術でフューチャーストアを構成する際に足りないものは全くないので、「日本のコンビニはCOOL!」と海外の方に言ってもらえるような展開を今後は期待したいところですね。