「アート」アーカイブ(デジタルサイネージ総研ブログ)


デジタルサイネージとOpenFrameworks

2010-02-09 :, , , , , : DSI :

インタラクティブなデジタルサイネージに使われるツールとして王道なのはやはりFLASHですが、FLASH以外でのアプローチをするクリエイターさんが増えてきています。そんな中注目したいいのがzachary liebermanさん達が作ったopenflameworksです。最近出来た日本語版のサイトによれば

openFrameworksは、C++をベースにしたインタラクティブデザインやメディアアートを制作するためのフレームワークです。2次元や3次元の 図形の描画、アニメーション、サウンドの録音と再生、動画のキャプチャーと再生、マウスやキーボードによるインタラクション、ネットワークの活用など、マ ルチメディアコンテンツを制作するための様々な機能をすぐに利用できるフレームワークとして提供されています。

ということです。英語版のサイトにはデジタルサイネージ的な作品もいくつか紹介されています。
[vimeo:http://vimeo.com/8487873]
Big Screams
電話番号を入力して自分のキャラクターを作って、一番大声を出した人が勝つという感じのゲーム(ざっくりした説明ですいません)外人さんはめっちゃ楽しそうです。
[vimeo:http://vimeo.com/7042266]
Hand from Above
大型ビジョンをAR的に使って街行く人がイタズラされてしまう企画(80年代の街角イタズラ系テレビ番組を思い出させますね)解説には巨人兵士ゴリアテなどの神話にインスパイアされたと書いてありますが、理屈ぬきに面白い感じです。
日本でそのままやろうと思うと色々と難しい事(日本人はシャイボーイが多い、著作権の問題)が想像されますが、ともかくユニークで実験的な取り組みが色々と生まれていますね。先日メディアアート系の友人に「openflameworkってどう?」と聞いてみたら「動きも早いんで、結構みんな使ってるんじゃないですか」との事でした。日本では筋電を使った作品で有名な真鍋大度さんがzachary liebermanと親しいみたいですね。メディアアート界隈で生まれたアイディアや実験がちょっぴり遅れてデジタルサイネージ業界に入ってくるのはよくある事ですので、openflamework周りの動きもこれからチェックしていきたいところですね。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=i7woG0pqFjs&feature=player_embedded]
おまけopenframeworksを使ったマジックプロジェクション

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デジタルサイネージに関わるWEB企業インタビュー:チームラボ株式会社

2010-01-15 :, , , , , , : DSI :

現在のデジタルサイネージについて、クリエイティブの部分では、カジュアルに表現が展開されているか、というと、そうでない気がします。産業として、一兆円規模になるといわれているデジタルサイネージ市場。表現は多様であっていいと思っています。次世代動画検索サービス「サグールテレビ」の開発や独自のトータルデジタルメディアプロデュースで知られるチームラボさんの取り組みをお聞きしてきました。
チームラボ_オフィス
Q:まず、どのような経緯でチームラボに入ったんですか?
山本さん:入社する前は、大学院で文字認識や音声認識の研究をしていました。大学、修士そして博士課程。でも実は、3年ほどやったあたりで、研究に飽きてしまいました。僕は興味がころころ変わってしまうんですが、研究で食べていこうとすると、あまり自由に目先を変え続けることができません。アカデミックな研究って、人から求められているからというよりも、自分が純粋にやりたいからという理由で、一人でやるものだと僕は思っています。それは素晴らしいと思うんですが、万が一に飽きてしまった時「人から求められているかは微妙だし、自分もやりたくない、けどやらないと食べていけない。しかも一人でやらないといけない。」という救いがたい状況になるリスクがあります。飽きっぽい僕にはそのリスクは大きすぎて無理だと。ある意味でリスクヘッジのために、人に求められるものを、他の人と作る方向を選びました。ウェブの業界に入るのには、抵抗はありませんでした。もちろん言語は違いますが、もともとプログラミングはやっていましたし、ある程度、ウェブのことも知っていました。そう意味では、新しい世界へのハードルはほとんどありませんでした。だから、入社してすぐに案件をやらせてもらいました。チームラボでは、3ヶ月くらいでプロジェクトも変わります。そこに魅かれたというのがあります。
Q:入ってみてチームラボをどう思いましたか?
山本さん:よく思うのは、好きなことをやっていても怒られない(笑) 度が過ぎたらもちろん怒られるんだと思いますが、「なにこんなものを会社に持ち込んでるんだ!!」みたいなやり取りはない。やっていいことと悪いことの、グレーな部分について寛容だと思いました。だから、やりたいことがバッと簡単にできる環境。そこが好きですね。会社全体として、自由で、寛容で、合理的。自由というのは、そのまま自由という意味です。寛容は、直接的に迷惑でなければ、それを受け入れてしまう雰囲気があるということ。合理的というのは、理系が多いせいか、理屈に合わないことは嫌ということです。逆に言えば、理屈が通っていればok(笑) 例えば、良く分からないから受け入れたくないな、ということが少しでもあれば徹底的に議論しています。その議論をすることで、分かる。その上で判断するんです。
Q:アクトトイレはどのようにして形にしたんですか?
山本さん:東京芸術大学のVVVV(インタラクティブコンテンツの開発環境)の講座を受けたんですが、最終日の三時間くらいが自由制作だったので、アクトトイレを作りました。もともとアイデアはありました。マウスを使えばセンサーの部分もなんとかできそうだし、これはアイデアを完成させるチャンスじゃないか、と前日の夜に思い立ったんです。で、家からトイレットペーパーをはずして、持って行ったわけです(笑) 実際に作ったものを即Twitterに、写真と動画で上げてみました。そうしたら次の日にある社員が、昨晩のTwitterにインスパイアされてこんなの描きました! ってマウスがハムスターになっているイラストを持って来てくれたんです。そのイラストを観て、マウスにぬいぐるみみたいなカバーを着けたら、見た目もかわいくなるし面白いなあ、ってどんどん想像が膨らんでいきました。それで細かい部分をチューニングしていった感じですね。仕事が一段落ついた夜中に、スクリーン上のハムスターが過労死する機能とかを作り込んでいきました(笑)
Q:『アクトトイレ』の他にも色々と作られていますよね?
山本さん:『アクトトイレ』を作る前に、Firefox用のアドオン『らぼかへ』を作りました。これは、社内コーヒーメーカーのコーヒー残量が分かるというものです。あと最近作ったのは、、、今、オフィスには、トイレの個室ひとつに対して、男が3、40人いるんです。やっぱりトイレに行ったり戻ったり、うろうろしたりとかしたくないじゃないですか? それで、『らぼかへ』と同じ仕組みですが、人がいるかどうかを分かるアドオンを作ったんです(笑)個室の扉閉まるとクリックされるようにワイヤレスマウスをつけて、外部PCで拾うという単純な仕組みです。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=qR3b2w9M9g8]
【動画インタビュー】山本さんに「アクトトイレ」について語って頂きました。
※音声レベルが小さいです ボリューム大きめでお聞きください。
Q:モノづくりができる環境が社内にあるということですか?
山本さん:窓口になってくれたマーケティングチームの高須さんをはじめ、画像処理の方法とか、おばかアプリに向けたプレゼンの練習とか、色んな人が毎晩協力してくれました。色んなタイプの人がいるので、色んなタイプの意見が聞ける。忙しい仕事の合間をぬって、手助けしてくれるんです。例えば、あるときサーバーが重くなったので、もしかしたら『らぼかへ』アドオンのせいじゃないかな、とコードをメールで投げたら、高度に添削して戻って来たりとか、そういう反応があります。そもそも『らぼかへ』を作ったのも、オフィスに突然コーヒーメーカーを置いてくれた社員がいたことが、そもそもの始まりですしね。
あと、koress projectの方がうちに遊びにいらしたときに、『らぼかへ』をお見せしました。そのあとTwitterで、mixiの「萌香たん」のライバルキャラクターのようなノリで『らぼかへ』も擬人化させよう! って決まったんです(笑) そのTwitterを見た社内エンジニアさんが次の日、「らぼかへたん」を描いてみました、と。その『らぼかへ』を擬人化してくれた方が、『アクトトイレ』のハムスターのイラストも描いてくれました。僕はその方の描くイラストが、何かツボなんです。「らぼかへたん」を、Pixivに何枚か上げてもらっているうちに、他の社員とか、知らない人とかも描いて上げてくれたりするようになってプチブーム、みたいな(笑) そういうリアクションが起きるのも、面白いです。
Q:仕事と遊びの違いは、どういう仕組みで分けているんですか?
山本さん:もちろんクライアントワークに支障があるのは、絶対にNGです。明確に仕組みがあるわけではないのですが、基本的には、僕の場合は、つまりまあ、今日はこのぐらいの時間を使っても大丈夫だなあ、という時にやっています。時間管理は自分ですから、それについて、人に色々言われることは基本的にありません。自分のやるべき仕事を終らせれば、そのあとはどのように時間を使うかはその人次第です。それと、もうひとつ上の部分で、そういう「遊び」の部分をお客さんに提案しているというのがあります。チームラボではみんな、びっくりするようなものを作ろうよ、という気持ちがあります。
Q:普通の会社のように、パキっと別れているわけではないんですか?
山本さん:簡単に流れを説明すると、あるプロジェクトを受けたとします。そうするとまず、マーケティングチームの人たちが、お客様にヒアリングしにいきます。それを元に、社内のエンジニアたちも含めた会議をして、それをマーケティングチームが紙などにまとめて、先方に持って行きます。チームラボにおけるマーケティングは繋ぐ仕事。言ってみれば、触媒のような存在です。チームラボは、エンジニアが7割か、それ以上ですから。エンジニアが苦手な部分を、マーケティングチームがしてくれる、という感じです。本当、感謝しています。プロジェクトが動き出せば、普通の会社と同じような流れになると思います。プロジェクトマネージャーを選んで、管理し、進めていく、という流れですね。ただ企画を出すときに、びっくりするようなものも、クライアントに提案しています。チームラボの場合、びっくりするようなものを作りたい、という気持ちがあります。
Q:ある意味、デジタルサイネージとは、外に出たインターネットだと言えると思います。デジタルサイネージについて思うところをお話いただけますか?
山本さん:ウザくない、というのが重要だと思います。トイレはプライベートなスペースなので、自分の価値観にあわない広告を見たときの拒否反応が顕著になると思います。『アクトトイレ』は今は広告の機能はないですが、だからこそ「全くウザくない」必要があると思って作りました。何も宣伝しない状態でウザかったら、何か宣伝したらもっとウザくなっちゃいますから。そういう理由で今は絵柄を人畜無害なハムスターにしています。
新しい場所に広告が進出する場合、この「ウザさ」は無視できない問題になると思います。テレビでCMが流れたり、渋谷のセンター街で大画面のCMが流れたりするのは、僕らはそういう景色だと思って了解済みですが、今まで何もなかったところ、特に個人性の強い場所については、新しい見せ方、新しい方法論が重要になってくるんじゃないかなあ、なんて思います。
広告ってお金を払って置いてもらうじゃないですか。つまり広告はその場所にとってはマイナスな話ですよね。基本的にないほうがいいみたいな。そういう方向に進化しても面白くないと思いました。逆に、サイネージを置くことで環境がよくなるもの、という視点で考えたかった。その上で最後に宣伝したいことを少し主張する、みたいな方法論の方が合っているんじゃないかなと思ったんです。
それと、デジタルサイネージについては、「インタラクティブ」とか「外界との同期」ががとても重要だと思います。環境に単にディスプレイを置いて動画を映すと、それだけでウザいと思うんです。その中だけ周りの世界と全く違う物理法則で動いてしまうからです。見る人は、ディスプレイの中を見るか、外を見るかで視点を変える必要があって、一度にどちらか一方しか見ることができない、「同時に見る」ことができないと思うんです。『アクトトイレ』はそういうディスプレイのウザさを軽減する試みでもあります。紙と同期してディスプレイ内の映像を動かすことで、周りの世界の物理法則を取り込んでいるので、その分環境に溶け込みやすいんじゃないかと思っています。
環境と自然なインタラクションがあって、ディスプレイの中の法則が周囲の法則と関連があると、ディスプレイ内外の境界が薄まって、ウザくなくなるはず。ディスプレイの内外を自然に同時に見られる、そういう環境に溶け込めるサイネージが良いと思います。

Q:何か新しいアイデアとか考えているんですか?

山本:下の画像はコンセプト動画なんですが、次はこんなものを作りたいと思っています。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=a2H4rV_yA4c]
アクトバッグ[動画]
バッグについているディスプレイとディスプレイ内の世界とを同期させて移動させることで、他の世界を覗く「窓」のように見せられないかという試みです。これも『アクトトイレ』と同じく「ディスプレイのウザさ軽減」の一環です。こういう環境と同期するような枠組みの中に、売りたいもの、価値があると思うものを放り込んでいけば色々と面白いデジタルサイネージが作れると思うんです。今回の例は、他の世界にペットを放り込んで、バッグと一緒に散歩できるようにと考えてみたものです。
Q:では、最後に今後の目標を一言よろしくお願いします。
大きな目標としては、ITを駆使した超インテリジェントな動作をして、かつアナログな世界にものとても自然に溶け込むようなものを作りたいと思っています。
簡単にまとめ
チームラボの皆さんにお話を聞いたなかで印象的だったのが「自由、寛容、合理的」という言葉です。通常のクライアントワークとバランスをとりながらエンジニアの「もの作り」を支援する環境が整っているように感じました。ネット系の企業ではgoogleの20%ルールのような自由な活動が新たな開発につながるケースがよくありますが、すぐに業務につながるものでなくても「「びっくりするようなものを作ろうよ!」というマインドを共有したチームが快く制作に協力してくれるスタンスが純粋にいいなと思います。デジタルサイネージに関しては、なかなかカジュアルに作品をつくるシーンは生まれていませんが、WEBのテクノロージーとクリエイティブを共にもった企業や個人がこれからのデジタルサイネージ産業を引っ張っていくことになるかもしれませんね。それから「ウザくないサイネージ」ということもこれからのサイネージを考えていく意味では重要ですね。今後もサイネージに関わりそうなWEB系の事業者さんを積極的に紹介していきたいと思っています。

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デジタルサイネージに関わるWEB企業インタビュー:面白法人カヤック

2009-12-01 :, , , , , : DSI :

これからのデジタルサイネージのコンテンツ制作にはWEBプロダクション系の企業が参入してくることが想定されます。そこで今回は通常のWEBサイト以外へ向けてもコンテンツを製作されているユニークな企業ということで、面白法人カヤックの片岡さんと瀬尾さんにお話を聞いてきました。
Dsi まず簡単にどんな会社なのか教えていただけますでしょうか?
片岡さん 創業して11年目の会社になります。事業形態はカヤックオリジナルの自社サービスとクライアント様からWebサイト構築を請け負う制作の受託サービス、その他、鎌倉本社の1Fで運営しているカフェ「DONBRI CAFE DINING bowls」(http://bowls-cafe.jp/ )や、自社サービス「ART-Meter」(http://www.art-meter.com)と連動しているギャラリーなど、リアルショップも展開しています。
Dsi カヤックさんの仕事に対する取り組みはユニークだと語られる事が多いですが、普通のWEB制作会社さんとどんなところが違いますか?
瀬尾さん Web系の会社はmixiのように自社サービスを持つ会社、キャンペーンサイトやコーポレートサイトを作る会社、そしてSIを行う会社と大きくは3つに分けられていて、それぞれに特化している企業が多いのですが、弊社は3つ全てを行っているのがひとつの特徴です。自社サービスをやりながら広告案件にも取り組んでいるので、見せ方に気を使うといったことができます。またゴリゴリと開発もしているので、技術があるからできる表現なども可能になります。また飲食事業やアートメーターというWEBと連携したギャラリーを運営していますので、そういった意味では多角経営ですね。
Dsi 御社は自社サービスにも特徴がありますが、そのあたりについてお話いただけますか?
片岡さん 自社サービスはアートメーターやコミュニティサイト的なものを含めていくつか持っているのですが、基本的なテーマとして「つくる人を増やす。」という経営理念があります。その理念の元、作る人を応援するサービスを中心に自社サービスを展開しています。最近ですと「こえ部」( http://koebu.com )という音声をつかってコミュニケーションをはかるサービスや「wonderfl build flash online」( http://wonderfl.net )というWEB上でフラッシュを作るサービスなどもあります。そして、そういった自社サービスのコアエンジンとなる、つまり企画が面白い、技術が面白いといった点でいち早くWebサービスに取り入れる「BM11」(ブッコミイレブン)(http://bm11.kayac.com/ )という新規事業を専門にしたラボチームがあります。一昨年に始まったのですが、1年目は77個、去年は88個、今年は99個のサービスの開発に取り組んでいます。そこで目がついたものを大きくするというスタイルです。新規のサービスというよりは、1アプリであったり、ブログパーツのようなものもあったりします。
Dsi 「BM11」のスタッフの方は受託の開発の仕事はしないのですか?
瀬尾さん 新規開発が専門のチームなのですが、「BM11」でつくられたものは、自社サービスだけでなく、受託サービスにも展開します。その中には他の企業の方とコラボレーションしたりなど、ラボ委託というラボに丸ごと委託される仕事を承ったりもしていますね。「●●をテーマに開発をしてください」といったお題があってそれに基づいてラボが取り組んでいきます。デジタルサイネージに関しても「このような環境で何かできないか?」という問い合わせが着始めています。
Dsi カヤックさんの方向性を作っていくことが「BM11」に求められているということですね。どういう方が「BM11」に参加されているのですか?
瀬尾さん そうですね。基本的に新しくものを作りたいという人が集まりますね。自分で企画を持っている人が基本的に選ばれています。
Dsi 普通に考えるとみんな「BM11」に入りたいって思うのではないでしょうか?
瀬尾さん そうですね。色々やりたいことにも段階があって、すでにあるサービスを伸ばしたい人もいれば、自分は受託の案件で開発を効率化させたいという人もいます。または、企業と一緒に広告サイトを作りたいという人もいます。そのなかでどちらかというと、新しくサービスを作りたいとか、オープンソースで何かしたいという人が集まっています。
Dsi 今は何名体制でしょうか? 
瀬尾さん 11名です。実は弊社のCTOがオーシャンズ11を見ながら決まったんですね(笑)
Dsi 「BM11」の取り組みのなかでPCやモバイルから飛び出して、リアルを関わるものはどんなものがありますか?
瀬尾さん この会議室は閃考会議室と言うのですが、会議でアイデアを活性化させるために2つのシステムを装備しています。一つは、音声認識。会議に参加する人の発言を音声認識で抽出して、発言内容に関連した情報を机の上に投影するシステムです。そうすることで会議の流れを妨げず、アイデアを活性化させることを狙っています。 もうひとつの仕組みが、LEDの照明をコントロールし、会議室の色調を調整することで、人の想像力を誘発することを目的にした空山水という仕組みです。これは2008年にグッドデザイン賞を受賞しました。デジタルサイネージは画面がベースになっていますが、LEDの光の変化なども可能性があるのでは、と考えています。また、「世界初!? ブログを書く植物」( http://plant.bowls-cafe.jp/ )ということで、植物の表面電位の変化を元に自動でブログを更新するというものもあります。植物を触ると表面電位が変わるので、それから相性占いをやったりしています。その緑さんはオフィス1Fのカフェにあってブラウザと店舗のコンテンツを繋げる取り組みです。これは話題になってロイター通信から取材が入り、BBCで放映もされました。自分の中ではこれもある種の広告だと思っていて、第七回の東京インタラクティヴアドアワードに応募をしたところインテグレーテッドキャンペーン部門 クロスメディア入賞ということになりましたので、こうした路線もありかなと思っています。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=o74Xd810Jf4&feature=player_embedded]
Dsi リアルと連動した事例も色々とあるんですね。
瀬尾さん はい。いくつかあるのですが、アートメーターという絵の測り売りショップにプロジェクションするコンテンツ「ARTWall Project」(http://artwall.kayac.com/ )があって、3つほどバージョンがあるのですが、スクリーンの前に立った人を油絵風に見せるものや、キャラクターが登場する、触って遊べるインタラクティブアニメーションなどがあります。
Dsi かなりメディアアート的な取り組みですよね。
瀬尾さん そうですね。これはかなりメディアート寄りですね。これらも「BM11」のメンバーが制作しています。他にも表参道ヒルズにあるセレクトショップBEYES店内のクリスマスキャンペーン用に作った「twinkle tree」(http://www.beyes.jp/christmas08/ )という大型スクリーン向けコンテンツなどもあります。これはスクリーンの前に立ってもらってWEBカムで画像を取り込み、自分の体に電飾に電飾がリアルタイムに合成されるという、ちょっと遊んでもらう仕掛けになっています。
実績紹介ページ
http://www.kayac.com/service/client/492
サイトURL
http://www.beyes.jp/christmas08/
Dsi  Webサービスを展開する会社さんとは趣きが異なりますね。
瀬尾さん はい。キャンペーン路線で面白いことをやってみようというものと、実際にプロダクトを作ってみようというもの(閃考会議室)やiPhoneアプリの開発なども最近は多いですね。
Dsi 作る人は表現の領域は意識せずに仕事をされているということでしょうか?
瀬尾さん そこは躊躇しないですね。楽しかったらやってみようというスタンスですね。ブラウザの外のことも色々面白いと思っていまして、最近はつくる側の仕組みも整備されているので、今後は是非ともやってみたいと思っています。
Dsi 以前おばかアプリ選手権でお聞きしたのですが、WEBサービスも1週間ぐらいで作ってしまうのものあるそうですね。
瀬尾さん 3日ぐらいでつくってしまうものもあります。「BM11」はある意味、有象無象ですね。それぐらい短期間で作る小さなコンテンツから、長期間にわたって開発するコミュニティサイトまで玉石混合です。
Dsi 「BM11」が多くのWEBサービスを開発することは、どのような理由があってなのでしょうか?
瀬尾さん 数をこなすと技術がついてくるということがまずあって、例えば一つ作るとそこで得た技術をもとに、さらに作りたいものが思い浮かんでより深堀できるようになったりします。また一個だけ作れと言われると悩んでしまうと思うのですが、100個作れと言われたら悩まずに「とりあえずやってみよう!」という気持ちになれるのが良いのかなと考えています。
Dsi この3年間ぐらいでWEB業界でメジャーになったという意識はありますか?
瀬尾さん それはないですね。ただ同業の方から「BM11」を知ってます」と言われることは多くなりました。
Dsi  Webサービスの開発は一人でも出来てしまうこともありますが、一人でつくることとチームでつくることの違いについて教えていただけますでしょうか?
片岡さん カヤックはコミュニケーションを取ることを最も重要視しています。社内環境もその一環なのですが、基本的に仕切りを付けず、パーティションも置きません。職種もディレクター、デザイナー、プログラマーの3職種しかありません。ですので、何らかのタイミングでプロジェクトメンバーを入れ替えることも可能です。いつでもチームを組んで解散してというフレキシブルな体制になっています。その他、複数の人間でアイデアを出し合う「ブレインストーミング」というアイデアのネタを出すことも、会社全体で推奨しています。
Dsi カヤックのスタイルが苦手な人も入ってくることがあると思うのですが、すぐに馴染んだりするのでしょうか?
片岡さん もし、ブレストが苦手な人が仮にいたとしても、強制的に参加させるということはありません。それも、その人なりのコミュニケーションの取り方ですから。ただ気を付けているのは、それをしない代わりに何をもってブレストに参加しない事のケアしていくのかということですね。反対意見を述べることもNGではないですし、何かをするのに、必ず参加しなければいけないという会社ではないんですね。ただ、何か反対意見を述べた時は、そこで立ち止まるのではなく、次の手を考えて動くことを推奨しています。
Dsi どういうことがチームに対する貢献になりますか?
瀬尾さん たとえば、いいものを作るというアウトプットですね。ブレストが苦手な人でも凄いものを作ったり、技術があったりすることでチームに貢献するということになりますね。逆に技術がなくてもアイデアが出る人がいたり、貢献の形は様々です。
Dsi アイデアを出すのはディレクターの方の仕事になるのですか?
瀬尾さん ディレクターもそうですが、デザイナーやエンジニアももちろんどんどん出します。アイデア自体は全員でどこからでも出す形ですね。受託案件が来たときはチームで集まってブレストをしたり。最近流行りの表現でいうところのエンジニアドリブンという技術力を持った人が「これで何ができる?」ということを提案していく部分もあります。
Dsi カヤックさんを見ていると営業はいらないなと感じますね。
瀬尾さん そうですね。いわゆる「営業」という職種の人はいません。
片岡さん 「BM11」の場合「瀬尾が作って、瀬尾が宣伝する」ということもありますね。開発したものが、いつ同じネタで他者とかぶってしまうかわからないので。要所要所ポイントを押さえつつ、作ったらすぐにリリースします。ポイントを押さえるだけでもヒットするサービスもありまして、ある一定の規模まではディレクター不在で運営していくケースも多々あります。
面白法人カヤック 技術部 瀬尾さん
面白法人カヤック 技術部 瀬尾さん
Dsi 組織がシンプルな故、フレキシビリティが高く仕事ができるということですね。
瀬尾さん 基本的にベンチャーなんで、やれることは全部やるというかたちですね。自分でやるしかないというか(笑)
Dsi そういったスタイルが優秀な方を集めているのではと思します。ぜひカヤックさんのような優れた開発力をもったWEB会社さんがデジタルサイネージの業界にも参入して欲しいと思うのですが・・・
瀬尾さん 是非、挑戦してみたいですね。
Dsi デジタルサイネージのフィールドでこんなことをしてみたいというものはありますか?
瀬尾さん いくつかあります。この会議室(閃考会議室)でもLED(空山水)を使ったものがありますよね。アンビエントメディアという言い方をしていて、身の回りになんとなく存在しながら情報を出しているというものにも関心があります。今あるデジタルサイネージはモニターがあって、情報を流しているというスタイルですが、それをもう少し日常に入り込む形にするのも面白いかなと思っています。例えば、影を投影して、その影に情報がでるとか、影の表現で何かを知らせるとか、やってみたいなと思います。あとモバイルとの絡みもやってみたいですね。
Dsi デジタルサイネージ業界でもアンビエントディスプレイはひとつのテーマになっていますね。ただ、そこに結びついたコンテンツのあり方はまだまだ、模索中というところだと思います。
瀬尾さん デジタルサイネージの場合、ハードウェアやソフトウェアの話から、流通をどうするかといった問題までいろいろと考えなければならないことがありますね。
Dsi モバイルとの連携はどうでしょうか?
瀬尾さん デジタルサイネージは公共の場の表現なので、一番分かりやすいのはQRコードで情報を取ったり、セカイカメラのように公共の情報からパーソナルな情報を紐付けるといったことが考えられますね。ちょっと抽象的なんですが・・・iPhoneなどを使ってみるとマーカーが現れて、情報にアクセスすると環境情報や個人情報を元に展開される表現などやってみたいですね。ただ真面目にやってしまうと、その場所にいくとパーソナライズされた商品案内が来ますよ、お勧めのお店が出ますよ、といった形だとまだちょっと硬い印象がありますね。もう少しエンターテイメントよりの表現で見る人に情報を渡してみたいと考えています。情報をプッシュするだけだとユーザーの気持ちをなかなかつかめないのですが、ここで何か事件が起きているということがあると、急にユーザーは興味を持ち出しますよね。そういったポイントとしてデジタルサイネージの可能性に興味があります。
Dsi 確かに街中で事件が起こると見ざるを得ないという状況にはなりますよね。デジタルサイネージは一般のユーザーからすると、テレビにしか見えないわけで、そこで何か新しいことが見れると想像はしないですよね。
瀬尾さん デジタルサイネージをつかった表現は、ある意味ギミック的(もしくはマジック的)な要素も必要で、伝えたいことをどうプレゼンするのか、視聴者をどう驚かせられるのかということは常に意識していて、やってみたいことでもありますね。
Dsi アクシデンタルな事柄でユーザーに便益があって、しかも、うっとうしくない形で表現されるものが求められているのかもしれませんね。カヤックさんのように技術力もあってアイデアもある事業者さんには是非サイネージの領域に取り組んでいただきたいなと思っています。Webに関してはこの10年くらいの間で、表現の作法が確立してきたところがありますよね。これからデジタルサイネージの表現に関しても色々な試行錯誤を経た上で、そういったものが生まれてくるのではと思っています。そうした流れの中にカヤックさんのようなWEB系の企業さんが参加していだけると、何か新しいことがうまれるのではと思っています。今日はお忙しいところありがとうございました。
簡単にまとめ
カヤックさんにお話を聞いてみて一番に感じたことは「つくる人を増やす。」という経営理念が皆さんに浸透しているなということでした。その上でコミュニケーションの重要性を意識した、組織のあり方や仕事の進め方がユニークなコンテンツ開発に繋がっているように思います。デジタルサイネージの場合は基本的にロケーションがあって、そこに流すコンテンツは場所に依存することが多くなります。Webのように思い立ったらすぐにサービスを立ち上げるというカジュアルなスタンスは多くはありません。先日、美人時計のコンテンツがデジタルサイネージに利用された事例のように、WEBのコンテンツとデジタルサイネージはより関係性を深くしていくことになるでしょう。そうした際にカヤックさんのようにリアルと連携する眼差しをもったWEB系の事業者が活躍していくのではないでしょうか。

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コンテンツが建築を表現する!! 第3回

2009-07-30 :, , , , , , : DSI :

前回は、2つの事例を紹介しました。
Blinken Lightsのコンテンツは、多方面からの相互アクセスを武器に建築ファサードをみんなで楽しめる遊び場にかえています。ソフトウェアがあり、それにアクセスする誰かと、その誰かと対戦する、またはメッセージを受け取るそのまた誰か。人の流れがサークル状になっています。場の活性化には大いに役立つと思いますが、この効果はやはりイベント、テンポラリーであるがゆえではないでしょうか。面白い仕掛けも毎日当たり前にそこにあれば、飽きられてくるでしょう。
そして、バイエル製薬のプロジェクト。
まだ完成していませんが、すでに一部から個人の意識への刷り込みにつながるのではないかと危惧されています。
そもそも広告は、それを意図してみる人、意図してみない人へ潜在的に商材をアピールするためにあるものでしょう。しかしテレビやインターネットではなく、スイッチをつけなくても目に入る公共空間において、このようなコンテンツが印象的な建築と一体化していくとどのような影響を及ぼすのでしょう。
この2点は『コンテンツに問われる役割』を考えるうえで、頭を悩ますところではないでしょうか?
2008年のメディアファサードフェスティバル@ベルリンでもこの点に関しては、活発な意見の交換がおこなわれていました。
それぞれの立ち位置によって意見は異なりますが、CMAというMedia とArchitectureをインテグレートする建築プロジェクトをさらに推し進めていくには、相互の理解を深めていかなければいけないでしょう。そういう意味で、さまざまな分野の人たちが参加した今回のフェステイバルは非常に有益であったと思います。
また、2008年は、新規高層建築の開発が盛んなベルリンに場所を移したことで、2007年にスピーカーたちが取り上げたプロジェクトをより具体的に分析し、それらを実現可能にした実機の展示も可能とし、より総合的に紹介する大きな場となりました。
ちなみに会場は、ベルリン・ドイツ建築センター。かつて黒川紀章氏の『Metabolism and Symbiosis』の展覧会が行われた場所です。


もちろん、コンテンツに寄りすぎることなく、より多様化・複雑化する建築にどのように技術が応えていくのかも引き続き大きなテーマでしょう。この場で初のお披露目となる新製品はありませんでしたが、印象としては、より収まりの美しいものや、高額案件になりがちなものをスペック、価格ともに納得できるものに落とせる製品が提示されていました。
最終回では、その中の一つをとりあげてみたいと思います。
それではまた次回。

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コンテンツが建築を表現する!  第2回目

2009-07-03 :, , , , , , : paul :

照明によって照らし出されるだけだった建築ファサードは、ファサード自身が発光し(ディスプレイ)、頭脳を持つ(データー送出)ようになりました。映像と構造体の建築的関係の様変わりは、単に完成した建築の視覚的外観だけではなく、プランニングや建築工事過程においても非常に重要な密接関係にあります。
日本の各都市では、まだまだ箱物的な大型LEDビジョンが主流です。そこに流れるコンテンツは情報や広告が多く、建築と結びつきのある内容や建築の所有者である企業のあり方を示唆するようなものではありません。それゆえ、情報の垂れ流しとなり、知的な遊びの感じられないものになっているのも事実です。
2007年のMedia Architecture Conferenceの参加者やパネラーは欧州出身者が多く、欧州の土壌は日本よりもずっとアートや公共性に理解や重きをおいていると思います。
そこで、今回はCMA(Creative Media Architecture) の2つの実例をご紹介したいと思います。一つ目は、会議でもパネリストとして参加されていたBlinken Lightsの2001年、2002年の実例です。少し古いので、さまざまな媒体ですでに目にされている方々も多いかと思います。建物のある場とその街にくらす人たちをつなぐ楽しいコンテンツです。
常設ではなく、期間限定のコンテンツということで成り立つものですが・・・・
【Blinkenlights】 期間:2001年9月~2002年2月 / 2003年12月~2004年1月
アレキサンダー広場前/ベルリン

14×8個の窓を使いそのビルの壁面が、ピクセル数144のスクリーンとなる。一般ユーザーは、ブリンケンペイントのソフトをダウンロードし、誰でも簡単にアニメーションが作れるようにした。各窓の後ろに、光源として、スダンド型のスポットライトが仕込んである。また、窓は内側より白くペイントされている。
予想外の反響で、ピンポンゲームとブリンケンラブレターというあらたな企画を立ち上げる。ピンポンゲームは携帯を使って、コンピューターもしくは、自分の友人を相手にスクリーン上でゲームを楽しめる。また、ラブレターは、事前にアクセスコードをもらい、それにより、時間指定で自分のメッセージ付アニメーションを流すことができる。簡単なソフトで分かりやすい絵がつくれるということで、非常に注目を浴びるスポットと化した。
【Arcade】
期間:2002年9月~10月
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=Fagx-Gj6nKg]
セーヌ川ほとり、フランス図書館の1棟のファサードを使用。ベルリンのバージョンアップで、20×26個の窓を使ったピクセル数520、スクリーン面積33720㎡ このスクリーンに変身したビルの大壁面で、携帯を使ってリアルタイムにテトリスゲームが楽しめる。また、このアーケドペイントというオリジナルソフトを使うと、一般ユーザーは絵やアニメーションを作成でき、それをE-mailで送ることで、大スクリーンに反映され、他者と共有し楽しむことができる。           
二つ目の実例は、現在進行形のプロジェクトです。
ドイツ/バイエル製薬の旧本社を取り壊さずに、新たなシンボルとしてLED彫刻にリノベーションするという豪快なもの。
表面積17500㎡は、LEDをマウントしたステンレス素材で覆いつくされ、そのLED数は350万個を越える。バイエル製薬の、革新的で日々研鑽を積む姿勢と常に変わるメディアファサード上の映像がリンクするようです。ただ、これに関しては、いつでもどこでもバイエル社のイメージを目にすることとなり、自分の意思とは無関係に「バイエル製薬」が刷り込まれるではないかと反対意見もあがっているそうです。
工事状況がこちらのyoutubeから見られます。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=FMYgiLeqItM]
メディアが建築さらにはパーソナルスペースにまで、今よりもずっと深くインテグレートするようになれば、流れるコンテンツにも新たに規制などが課せられるかもしれませんね。消費者の購買意欲に入り込み、刺激するデジタルサイネージのコンテンツは今後どのように変容していくのでしょうね。
それではまた次回。

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コンテンツが建築を表現する

2009-06-23 :, , , , , , : paul :

このブログでも何度か取りあげられているMedia ArchitectureやMedia Façade.緩やかな枠組みで、この新たなシーン:CMA (Creative Media Architecture)をさらなるMediaとArchitectureのインテグレートにつなげようとする団体がMAGことMedia Architecture Groupです。

主にヨーロッパで活躍するリサーチャーや、大学教授、メディアアーティストが中心となり、ここ10年間で、時代の潮流に乗るようになったメデイア建築やインスタレーションを世界に発信しています。
2007年に世界でも初めて”Media Architecture Conference”と銘うったシンポジウムをロンドンで開催しました。この”Media Architecture” @ London, 2008年のMedia Façade Festival @ Berlinの様子などを数回にわたり、ご紹介していきたいと思います。
2007年の”Media Architecture”は、開催時期をPLASA(プロ照明・音響・映像の展示会)とあわせ、ハードウェアメーカーやコンテンツ製作会社、建築家や構造設計事務所など欧州を中心に80名程度が参加しました。アジアからの参加者は私だけでしたが・・・。
カンフェレンスの主旨は、『単なる大型LED ビジョンとは一線を画し、新たな分野・メディアアーキテクチャという建築と一体化したものに関して相互理解を深め、今後の更なる展開を見出す場とする』というもので、最新の実績や現実的なアプローチが紹介されました。
スピーカー及び参加者は、大型LED ビジョンを箱ものから情報をただ垂れ流すものとして捉え、メディアアーキテクチャはメディアが建築の素材として融合され、建築そのものとして存在し、そこで描き出されるコンテンツも建築となりうるものと捉えています。
つまり、映像は建築的要素の一つとなり、今後ますます建築環境におけるメディアの存在が増していくだろうという見解です。
ここで一つ、カンファレンスでも紹介されていた実績を。Uniqa タワー
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=BGNwjO2beFM]
昨今、巷を賑わせているデジタルサイネージとは少し趣きが違うかとは思いますが、新たな切り口の発見と次世代のCMA (Creative Media Architecture)につながればいいですね。
それではまた次回。

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メディア・ファサード:デジタルサイネージが景観をつくる

2008-12-29 :, , , , , , , , : DSI :

巨大なデジタルサイネージを用いて、ビルの壁面が巨大な映像装置になったような建物が世界各地にでき始めています。すでにタイムズスクエアだけの話ではなくなっているのですね。
以前、サイネージ建築(Media Architecture)の可能性という記事でメディア・アーキテクチャー(Mediaarchitecture)についてご紹介しましたが、ヨーロッパではこうした建築物の表面を使ったビデオ映像による表現が「メディア・ファサード」いうひとつのジャンルを形成しており、アートフェスティバルも開催されているという状況です。
> Mediaarchitecture » Media Facades Festival 2008
今後は、建築の一部としてデジタルサイネージが組み込まれ都市の景観を形作っていくというのが当たり前になるのかも知れません。
これはオーストリアの Graz という街の美術館に設置されたもので、蛍光灯のサークル管を使ってうねうねとした建物の壁に沿って取り付けられています。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=Uq1lkrtAJ_0]
こちらも蛍光灯を使ったシステムで、ドイツのものです。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=jsupzIjagR4]
次は東京の銀座にあるシャネル・ビルの壁面です。雨に合わせたコンテンツが表示されています。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=7pA5RESEaOQ]
最後はマカオのカジノのビルです。ラスベガス以上に派手ですね。上の事例に比べると「電飾」的な色合いが濃くなります。メディア・ファサードというよりは看板建築という感じでしょうか。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=yKrpA7Z3KeY]

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世界同時開催の映画祭、デジタルサイネージ・ネットワークを活用

2008-12-22 :, , , , , , , , , , , : DSI :

世界中の地下鉄、バス、空港などのデジタルサイネージ・ネットワークを使ったフィルム・フェスティバルが開催されます。
来年5月に開催される Art By Chance はアメリカ、カナダ、トルコ、オランダ、ドイツの 15都市で同時開催され、通勤客などに 30秒間のサイレント・ムービーによるアートを提供します。
現在作品を募集中で、応募期限は 2009年3月20日です。30秒間の無音のムービーで、広告やプロモーション以外のコンテンツであれば応募できます。
今年9月にもトロントでデジタルサイネージ・ネットワークを使った映画祭が開催されていますが、日本はまだ参加できる状況にないのが残念ですね。
デジタルサイネージが受け入れられるためには、広告だけではなくアートイベントでの活用など市民にエンターテインメントを提供するような仕掛けも有効だと思います。

Art By Chance
Organisers of the Art By Chance festival, scheduled to take place in May in 15 cities across the U.S., Canada, Turkey, the Netherlands and Germany, say it “will present urban dwellers with stimulating content, thus colouring the time slices that are usually considered dead”.
Out-of-home film festival aimed at commuters より、一部引用)

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ファッションショー + フォログラフィック・デジタルサイネージ

2008-12-03 :, , , , , , , , : DSI :

こういうのを見ると、デジタルサイネージの可能性は無限に広がっているのでは、という気がします。
私の考えでは、視聴者の注意を引こうとするアテンション・メディアは、メディアの密度が一定値を超えたところで効果がなくなるため、今後はアンビエント・メディアの方に可能性があるのだろうと思っています。
その意味でもこの事例は最先端を行っていると言えますが、情報を伝えるだけでなく、体験を提供できるところにアンビエント・メディアの大きな可能性を感じます。
このほかにもメディア・アーキテクチャーメディア・ファサードのようにもっと規模の大きい事例もご紹介してきましたが、映像で環境をつくってしまうのがアンビエント・メディアということの意味でしょう。
それでは、この素晴らしいファッションショーをお楽しみください。
[youtube:http://jp.youtube.com/watch?v=CCcTRjxP-Fc]

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今後、空港は完全にデジタルサイネージ化される:ヒースロー空港ターミナル5

2008-11-17 :, , , , , , , , , , : DSI :

今後、新しく建設される空港では、広告媒体がデジタルサイネージオンリーになるのだろうと思います。なぜなら今年3月にオープンしたロンドンのヒースロー空港ターミナル5では、従来のポスターが姿を消し、美しくデザインされた高精細のデジタルスクリーンが設置されているからです。
ヒースロー空港ターミナル5ヒースロー空港ターミナル5ヒースロー空港ターミナル5ヒースロー空港ターミナル5
この空港では、建物の設計段階からデジタルサイネージの導入が考慮されているはずで、広告枠の配置計画も含めてデザインされているため、非常に心地よい空間になっています。
表示されるコンテンツもクオリティが高く、見ていて気分のいいものが多いです。いわゆるコマーシャルというよりは、コミュニケーションあるいはインフォアートとでも呼んだ方がしっくり来るような内容です。これからの広告はこのような方向に進んで行くのではないでしょうか。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=Nyb4OB0qlFI&ap=%2526fmt%3D18]
ちなみに、このターミナルの大型 LCD モニターには全て SamsungJCDecaux のロゴが入っていました。
ヒースロー空港ターミナル5のモニターはサムスン製

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