「電子ペーパー」アーカイブ(デジタルサイネージ総研ブログ)


FPD International 2009から見る未来のデジタルサイネージ

2009-11-05 :, , , , , , , , , : DSI : 602 views

先月末に開催されたフラットパネル関連の展示会FPD International 2009を見に行って来ましたので簡単に報告致します。同じく先月開催されたCEATEC JAPAN 2009でも各パネルメーカーが3D対応のディスプレイを発表していましたが、FPDにおいてもこれでもかという程3D関連の製品が多く展示されていました。技術的な詳細なレポートは日経テックオンさんなどのサイトに譲るとしてデジタルサイネージのこれからを考えながらいくつかの展示を見てみました。

  • トレンドとして
  • ディスプレイ産業の傾向としてひとつのトレンドが形成されると各社が軒並み類似する製品をリリースするというものがあります。現在のトレンドとしては「3D」「薄型から電子ペーパー」「マルチタッチの高度化」があげられます。

  • 3D
  • 国内や韓国・台湾など多くのメーカーから様々な形式の3D技術が紹介されていました。レンチキュラーレンズ方式・視差バリア方式・アクティブシャッター方式などそれぞれの技術的な差異はそれぞれあるのでしょうが、一般のユーザーからするとどれもそんなに違いがないように感じます。現在は飛び道具的な表現として利用される事が多い3Dですが、この数年以内にあっという間にコモディティ化していく事は間違いないでしょう。価格が下がり一般化してゆく事とヒトの目が慣れてしまう事は急激に進んで行きます。

    AUOのレンチキュラーレンズ方式ハイビジョン3D
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    LGの47インチユーザートラッキング3D

     AUOの展示ブースに電車の運行案内への利用をイメージさせる3Dディスプレイがありましたが、パブリックな空間で展開される3Dの表現がどんなものが適切なのかはこれから検討していかなければいけない課題ではないでしょうか?製品の写真や社名のロゴが飛び出して見えるという事はユーザーに特に便益をもたらさないですからね。

  • 薄型から電子ペーパー

  • LGの世界最薄をうたう5.5mmのLED液晶TV

    確かにとっても薄い!

    E INKの電子ペーパー端末

    「うちが世界で一番薄いです!」という事でこちらも各社が競って製品を展示していました。薄型のディスプレイの技術的進化には終わりがなさそうなのは、ここ何年かのFPDの展示会をを見て感じる事です。液晶パネルの薄型化も極限まで進んでいくでしょうが、今後の表示技術としは電子ペーパーが大きな存在感を表す事が考えられます。静止画であれば電力も消費しませんので、エコな視点からみても優位性があります。以前、電子ペーパーコンソーシアムの方と意見交換をさせて頂いたのですが、電子ペーパーの技術的な可能性や社会に与える影響を検討している彼らが提唱しているのは「ラッピング革命」です。

    電子ペーパーによってあらゆるモノの表面が覆われ,モノの表面が表示体として情報を提示することで,電子ペーパーが物理空間と情報空間という,私たちの生きる二つの生活空間の接点となる世界——。そのような世界への変化を,電子ペーパーコンソーシアムは「ラッピング革命」と名づけた。それはモノがモノであると同時に情報メディアとなる世界であり,私たちが情報を取得するたびごとに鞄やポケットから「そのために作られた特別な機器」を取り出す必要のない世界である。

    電子ペーパーによって“ラッピング”された世界より引用

    [youtube:http://www.youtube.com/watch?v=0B28SHBmMNI]
    電子ペーパーになった新聞の未来
    [youtube:http://www.youtube.com/watch?v=iAU_ZLbVcXA]
    イノベーションとハイテクによる未来像

     私たちの暮らす物理空間と情報空間が電子ペーパーというメディアでシームレスに繋がる、平たく言うとマイノリティリポート的な世界感、アカデミックな人たちが言うところの空間知能化された世界、ディスプレイ産業からするとアンビエント・ディスプレイが未来の姿になってくるでしょう。しかし、そうした時代がくるまでしばらくの間、デジタルサイネージ業界としては大きな筐体に入ったモニターとお付き合いしてゆかなければならないのは事実です。今使える技術とディスプレイの価格と格闘しながらビジネスを作っていくためには解決しなければならない問題がまだまだありそうな気がします。

     

  • マルチタッチなどの高度化

  • AUOのインセルタイプのマルチタッチ技術

    こんな感じでディスプレイに書く事ができます。

    タッチパネルもマルチタッチタイプのものが多く見られました。ここ数年、色々な国のデジタルサイネージ関連の展示会でマルチタッチのデモを様々見てきましたが、画像をきゅーっと大きくして、クルクル回すという展示ばかりで、正直食傷気味です。普通の暮らしの中でそうした事を行う必然性があまり感じられません。マルチタッチでどんなアプリケーションが展開されるかが重要とつくづく感じさせます。今年のシーグラフで発表されたMedia Interaction Lab.のような生活シーンを想像できるような展示をパネルメーカーさんにも期待したいところですね。

    [youtube:http://www.youtube.com/watch?v=Tio5OvIqToc&feature=player_embedded]
    マルチタッチのテーブルによってリビングルームの家電製品がコントロールできるというデモ

     
    「3D」「薄型化」「マルチタッチ」といったディスプレイ産業の近未来を見据えたトレンドはある程度は明確になってきています。ただし、デジタルサイネージという事業を考えた場合、あくまでも現在メーカーのカタログにある製品を選んで、営業マンと商談して、見積もりを取って、トラブルなく設置を行い、各方面と調整を行い、ビジネスとして成立させなければなりません。新しい技術を取り入れる事が、単なる担当者の自己満足やクライアント受けをよくするための演出ではなく、ユーザーのベネフィットにどうつなげられるのかをもう少し考える必要がありそうだということをちょっぴり教えてくれた展示会でした。

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    米 Esquire 誌が E-Ink を使った 75周年記念号を発売

    2008-09-19 :, , , , , , , : DSI : 444 views

    E-Ink が大きく一歩前進した、と言ってもよいのではないでしょうか。

    米 Esquire 誌の 75周年記念号(米国版)の表紙両面に E-Ink が使われています。10万部限定ですが、フレキシブルディスプレイが実際に消費者の手に届くところにやってきたというのはすごいですね。

    今ならまだ、米 Amazon.com で注文できます。

    Esquire Magazine 75th Anniversary October e-ink Collector’s Edition (The 21st Century Begins Now, 75th anniversary issue)

    [youtube:http://www.youtube.com/watch?v=iKS12PMdJ6w&ap=%2526fmt%3D18]

    Esquire 誌を発行する Hearst 社は、雑誌に使えるような薄型のバッテリー開発のために数十万ドルを投資し、2年間をかけて今回の表紙が実現したそうで、中身はこんな風になっています。中国でモジュールを組み立てた後、冷凍状態で空輸するなどの努力のおかげで、バッテリーは6ヶ月ほど保つらしいです。

    esquire e-ink cover

    esquire e-ink cover

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    シャープから電子ペーパーよりも鮮やかで待機電力ゼロのカラーメモリー性液晶

    2008-09-02 :, , , , , , , , , : DSI : 6,284 views

    8月27、28日の2日間、東京国際フォーラムで行われた「シャープ電子デバイス展 2008」で、「液晶のシャープ」が先端技術を駆使した面白い液晶ディスプレイ技術を発表しました。

    画面にスキャナー機能を搭載した「システム液晶」など、ほかにも面白い技術がいろいろある中で、デジタルサイネージ的に注目したいのはやはり「カラーメモリー性液晶」です。

    エコロジーの重要性が高まる中、デジタルサイネージ・ディスプレイにも低消費電力が求められており、電子ペーパーなどの新しい技術が注目を集めています。

    今回シャープが発表した「カラーメモリー性液晶」は、RGB のそれぞれの色のみを反射する3層の液晶を重ねることで、カラーフィルターを用いた従来のカラー電子ペーパーに比べて2倍の高彩度を実現しました。また通常の透過型液晶とは異なり、バックライトが不要の反射型であるため、画面を書き換えるとき以外には全く電力を消費しません。

    さらに反射型の特徴として、明るいところではっきりと見えるため、日中の屋外のような非常に明るい環境でも視認性が確保できるものと思われます。

    消費電力と屋外での視認性という、デジタルサイネージ・ディスプレイの課題を2つともクリアできる可能性があり、非常に期待の持てる面白い技術だと思います。残念ながら写真は掲載できませんが、かなりはっきりした明るい画面です。意外と電子ペーパーよりも先に実用化されるかも知れませんね。

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    電子ペーパーを使った「エコな」デジタルサイネージ:都内で実証実験

    2008-08-20 :, , , , , , , , , , : DSI : 1,683 views

    デジタルサイネージにとっても「エコ」は重要なキーワードです。

    紙のポスターを減らせば森林資源を節約できますが、代わりに電気を消費するため、トータルで見るとどっちがエコなのか?という議論はあるでしょう(イギリスでの調査結果)。将来的には電子ペーパーのようなほとんど電力を消費しない形のデジタルサイネージが広まっていくに違いありません。

    駅中での電子ペーパーの実証実験は 2005年頃から行われています(日立製作所の電子ペーパーを使用)が、今回の実証試験では、ブリヂストンが開発したカラーとモノクロのA3サイズの電子ペーパーを使用します。電子ペーパーにはいくつかの方式がありますが、ブリジストンのものは独自開発の電子粉流体方式です。配信には携帯の高速通信網を使用しています。

    毎日新聞社とブリヂストンは19日、省エネで環境に優しい電子ペーパーを使ってニュースと広告掲示を行う新たな電子屋外広告(デジタルサイネージ)の共同実証試験を始めた。東京都交通局の協力を得て、都営浅草線の新橋駅構内と、都営新宿線の新宿三丁目駅コンコースの2カ所に設置。09年3月末までの間、広告視認効果などのデータを蓄積し、新たな広告媒体としての可能性を探る。

    都営地下鉄の新宿3丁目駅コンコースで行っている電子ペーパー実証試験

    電子屋外広告:共同実証試験始める ブリヂストンと毎日 - 毎日jp(毎日新聞) より、一部引用)

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