日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
インストアのデジタルサイネージはやはり効果が高いようです。Neo Media GroupのPOS TV社によるSupermarket TVの成功が、数値になって出てきました。Nielsen社の調査により、平均販売促進効果が何と14%との結果です。

08年3月のSupermarket TV導入当初から、トップブランドの契約が相次ぎ、今では1200面の端末を結ぶネットワークが展開されています。
「既に、SupermarketTVは大当りだ、という肯定的反応が起業家や広告主から寄せられているが、広く認知されている調査会社からの数値によりその効果が証明されることは素晴らしいこと」とPOS TV社SupermarketTVプロダクトマネジャーDiana Niemer氏。「この数値は、我々や投資したスーパーマーケットにとっての計り知れない裏付けになるだけではなく、この新しい広告媒体に賭けた25のトップブランドの、SupermaketTVへの信任が報われることになる」
平均の販売促進効果は14%ですが、お菓子・スナック類は25%とさらに驚異的です。Niemer氏によると「刺激的なキャラクターは効果絶大。魅力的でクオリティーの高いコンテンツが買い物客を引き付けることは間違いない。エディトリアルコンテンツの場合、起業家や買い物客からのヒアリングの結果、レシピが映し出される画面に人気が集まる。我々のプログラミングの強みは、こうしたエディトリアルコンテンツも商業ベースで活用できるところ」とのことで、デジタルサイネージの肝はハードではなく、コンテンツである、という、いわば当たり前のことですが、そこにきちんと着目した事業形態が成功のひとつのカギといえそうです。
日本の場合は、ハードありきで、こんなすごい性能のものを作ってみたけど、何に使おうか、というものの考え方がまだまだ根強いですが、頭の固い大企業も、発想転換しないと生き残れない時代に突入しています。ユーザーにとって何が必要か、ソリューションの時代はもうWWではとうに始まっています。
投資する側も確固たる効果の証明がないと踏み切れないケースが多い我が国でも、今後こうした調査結果を足がかりに、サイネージが広く普及することを期待します。
ちょっと古い話題ですが、2008年11月20日にマレーシアのクアラルンプールで開催されたMalaysia Retail Media Forum 2008についてSun2Surfの記事で取り上げられていました。このForumには、広告業界関係者が200名以上参加したそうです。
Sun2Surf: Malaysian Source for News & Lifestyle
スーパーマーケット店舗内での広告活動の現況についての報告した人に、小売店内向けの広告企画会社マジックアドズ(MagiqADs Sdn Bhd、MagiqADs)社の創業者Sailendra Kanagasundram氏がいます。マジックアドズ社は、3Dのイリュージョン映像など小売店向け広告の企画・展開を手掛けており、2007年2月からは、3M Malaysia Sdn Bhdから独占的なライセンスを取得し、スーパーマーケットの床に貼るラミネート広告も展開しています。マジックアドズ社は、マレーシアの有力小売店Jusco、Tescoや一部Carrefour の店内広告の取り扱いを一手に担当しています。
Sailendra Kanagasundram氏によると、2007年のマレ-シアの小売店向け広告市場は57.8百万リンギット(約15億円)、これは国内の広告宣伝費55億リンギットの約1%に相当するそうです。消費者が購買活動を行う店舗内で広告宣伝を行う小売店向け広告市場は、広告主の注目を集める市場であり、現時点でも200百万リンギット規模の潜在市場があるそうです。加えて、新設のスーパーマーケットやショッピングモールにより、今後も年率2~3%の成長も期待出来ると考えられています。しかし、市場拡大のための課題もあります。
“However, the effectiveness of each in-store activity is difficult to measure. There are methods of measuring the revenue-on-investments of each in-store activity to help marketers maximise their in-store activity investments.”
この課題はデジタルサイネージにも該当しますが、日本では黎明期の市場ゆえ、効果測定のロジックも方法論の確立は、業界関係者の至急の課題でしょう。
なお、Sailendra Kanagasundram氏の発表内容については、AdoiMagazine.comで詳しい記事がありますので、ご参考にして下さい。
MALAYSIAN RETAIL MEDIA FORUM 2008: A QUICK SNAPSHOT OF THE MALAYSIAN RETAIL MEDIA SCENE…
(AdoiMagazine.comより一部引用)
デジタルサイネージ専門の広告代理店であるAdcentricityはProvision Interactive Technologiesの3Dデジタルサイネージネットワークの販売に関する5年間の契約を締結しました。既にアメリカからカナダにかけての100,000枚規模の広告枠の販売を手掛けています。
Provisionの新しいネットワークはメガネを必要としないタイプのもので、写真にあるようにドナルド君の前にソフトドリンクの缶が浮かんでいるように見せることができます。また南カリフォルニアに数ある小規模なグロサリーストアの中で計47店舗に3DEO Rewards Centerと呼ばれるホログラム型のキオスク端末を設置し、ユーザーがクーポンを入手することが出来るようになっています。

オフィシャルサイトを見ると、Provision社はマクドナルドの事例以外にも、レストランチェーンのFriday’s やシューズメーカーのSketchersなどへの導入実績があります。またgoogleがパートナー企業になっておりGoogle Kioskという端末のイメージが掲載されています。
デジタルサイネージとホログラムや3Dなどの技術は親和性が高く、上手く使えば広告効果をあげる事が想定されます。ただ最初に「ホログラム」や「3D」ありきでマーケティング施策をスタートするのではなく、ユーザーにメッセージを届ける一つのツールとして利用してゆく必要があります。
韓国のFamily Martに導入されていた3Dのデジタルサイネージは全く注目されていませんでした。(実験的な導入かもしれませんが・・・)
携帯とデジタルサイネージの記事でも書かせて頂いたように、ユーザーは具体的なメリットを求めるので単なる「びっくりドッキリ装置」ではなく、トータルなマーケティングプランの一環として、デジタルサイネージにホログラムや3D利用される事例が日本でも更に増えてくることが期待されます。
Digital out-of-home specialist Adcentricity has signed a five-year contract to sell advertising on Provision Interactive Technologies’ 3D digital-signage network.
(Provision signs up sales house for hologram networkより、一部引用)
アメリカの情報キオスク端末メーカー Frank Mayer は、店舗向けデジタルサイネージ端末として、スライド式のモニターを発表しました。
既存の陳列棚に取り付けることができ、左右にスライドさせることで商品を取り出すことができる仕組みになっています。タッチパネルと専用のソフトウェアが付属します。特許出願中だそうですが、確かにスライド式というのは見たことがないですね。
The SlideBuy System allows for customizable frames, software and can accommodate various monitor sizes. Placed on existing store shelving, the SlideBuy glides back and forth allowing easy product access.
(SlideBuy product display to be launched by Frank Mayer at KioskCom より、一部引用)
設立数ヶ月の新興デジタルサイネージメディアが、全英に 1,700店舗を展開する Lloyds Pharmacy との契約を勝ち取ったとして話題になっています。
この Amscreen 社は著名な起業家であるアラン・シュガー卿が興した会社で、ビジネス版リアリティー・ショー番組『The Apprentice』の最近の優勝者 Lee McQueen も参加しており、実業界に強力なコネがあるようで、Lloyds Pharmacy の前にもイギリス最大の書籍・文具チェーンである WHSmith でデジタルサイネージの実証実験を行っています。
ハードウェアとしては 15インチ LCD に LED ティッカーとメディアプレイヤーを組み込んだもので、 インターネットにはワイヤレスで接続するため、電源ケーブルをプラグに差すだけで自動的にコンテンツをダウンロードして表示が始まるということです。コンテンツは中央のサーバーで管理し、ショップの管理者が内容を自由に書き換えることができます。
海外ではデジタルサイネージ・メディア間の場所取り競争が激しくなっていますが、最高のロケーションを押さえたものが巨額の利益を手にするというわけで、ロケーションオーナーとの強力なコネがあれば有利だというのは世界共通かも知れません。
Amscreen will put its 15-inch LCD units with wireless connectivity into branches of Lloyds Pharmacy in the Birmingham and Oxford regions.
(Lloyds Pharmacy chooses Amscreen より、一部引用)
ロシア連邦、シベリアの中心都市ノヴォシビルスク(写真)で、カーディーラー向けのデジタルサイネージ・ネットワークを独占する DizayMastera 社が広告価格の大幅値上げを発表して物議をかもしています。
DizayMastera では来年1月から広告枠の単位を 10ないし 15スクリーン毎のパッケージ制に切替え、それに伴って1画面あたりの価格を現在の約2倍の月額2万ルーブル(約7万円)にすると発表しました。
カーディーラー協会ではまとめ買いなのだから価格を下げるべきだと抗議していますが、メディア側はパッケージ化によって広告効果が増大すると主張しています。
DizayMastera 社は市内のすべてのディーラーのデジタルサイネージを押さえているということで、かなり強気ですね。
A dramatic increase in digital-signage advertising rates in the Siberian city of Novosibirsk has upset local car dealers which host screens and earn revenue from them.
(Siberian firms say OOH ratecard hike deters advertisers より、一部引用)
PRN(Premier Retail Networks)がウォルマートで行った地球環境月間のグリーンキャンペーンの事例です。
現在 7,390 店舗を展開し、年間2億人以上の利用客を持つウォルマートの買い物客に向けて、地球に優しい商品のプロモーションを行うと共にウォルマートのブランドイメージを高めるのが目的のキャンペーンで、“Save Money, Live Better” のウォルマートのキャッッチコピーのうち、後半の “Live Better” の部分に焦点を当てた展開です。
24〜39歳の母親層、10代の若者や大学生といった、安さに最も関心のある顧客層に対して環境的な利益を訴えるため「2億人のウォルマート利用者がそれぞれ環境のために小さな選択を行うことで、将来の子どもたちの世代のために大きな変化を起こすことができます」というメッセージングを行い、大きな成果が得られたそうです。
このキャンペーンは Digital Signage Expo East 2008 のコンテンツ部門で Award を受賞しています。
The campaign succeeded in conveying the truly significant benefits that can be achieved by Walmart’s 200-million-plus customers when the impact of purchasing environmentally friendly products is demonstrated with maximum effectiveness.
(CASE STUDY: Premier Retail Networks Rolls Out a Green Campaign for Earth Month at Walmart より、一部引用)