日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
LocaModa社によると、南カリフォルニア、ボストン、NYがアメリカの中で最もサイネージとの双方コミュニケーションに注目の熱い地域だそうです。これらの3つの地域では、08年末、LocaModa社のインタラクティブワードゲームJumbliを使った有名ブランドのキャンペーンで、18%近くの携帯電話がゲームに参加したそうです。シカゴがちょっと間の空いた4番目に挙げられています。
このJumbliというシステムは、動画にあるタイムズスクエアの事例のように、ゲームが巨大スクリーンに映し出され、携帯電話、Facebook、あるいは専用websiteを通して参加します。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=sK9c5npH2oA&feature=related]
サイネージは、純粋にプレイしている人の数だけでなく、たくさんの人に注目されます。
1人のプレイヤーに対し平均5人の友人がついてプレイヤーを助けている、とのサンプリング調査結果が出ていて、かなりの注目度です。
ちなみに、同じくLocaModa社による、サイネージへのテキストメッセージ送信システムWiffitiの新モデルが今月リリースされるそうです。
Wiffitiは、だいぶ前からあるのでご存じの方も多いと思いますが、人々が直接スクリーンやウェブ上でメッセージを送信することができるシステムで、多くのブランドや企業がイベントの大型スクリーンで採用しています。オバマ大統領も使ったとのことです。

日本でも株式会社バンテンさんのMobiActions(もびあくしょん)を使ったヨドバシカメラでのインタラクティブサイネージの事例が話題になりました。アメリカ、日本でも今年はインタラクティブかつユニークな案件が増えそうな気配ですね。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=d8O7XfRKpwM&feature=channel_page]
秋葉原、デジタルサイネージを使ったプロモーションby東芝
(LocaModa doesn’t play in Peoria から一部引用)
(mediologic.comから一部引用)
アメリカの情報キオスク端末メーカー Frank Mayer は、店舗向けデジタルサイネージ端末として、スライド式のモニターを発表しました。
既存の陳列棚に取り付けることができ、左右にスライドさせることで商品を取り出すことができる仕組みになっています。タッチパネルと専用のソフトウェアが付属します。特許出願中だそうですが、確かにスライド式というのは見たことがないですね。
The SlideBuy System allows for customizable frames, software and can accommodate various monitor sizes. Placed on existing store shelving, the SlideBuy glides back and forth allowing easy product access.
(SlideBuy product display to be launched by Frank Mayer at KioskCom より、一部引用)
日本ではかなり初期から携帯電話でも電子メールが使えたため普及しなかった SMS(ショートメッセージ)ですが、日本以外の地域では非常に一般化している携帯電話の機能で、最近はリテールを中心に SMS を使ったインタラクティビティを組み込んだデジタルサイネージが増えています。
Bluetooth や RFID、Wi-Fi などのほかの技術と比べても操作が簡単で携帯電話への搭載率も高いことから、2012年までには新たに設置されるデジタルサイネージの4割が SMS 対応になるとの調査結果(www.multimediaintelligence.com)が発表されています。SMS 以外のテクノロジーも含めた数字ではワイヤレス対応のデジタルサイネージがすでに 17万台にも及び、今後ますます増加するとの予測です。
実際、2007年にはわずか 5%に過ぎなかった対応率が 2008年には 15%にまで急増しているとのこと。先日の米大統領選挙の際には、タイムズスクエアのビルボードにオバマ氏を支援する人々からのテキストメッセージが表示されました(下の写真)。
デジタルサイネージにインタラクティブな機能が備わることは必然的な流れと考えられますが、SMS がその最有力な手段と見られているようです。携帯電話では日本だけがガラパゴスになってしまっていると言われますが、今のところデジタルサイネージでも日本はちょっと特殊な展開をしていますね。
ただ、RFID やモバイル決済では日本が突出しているので、その強みをうまく活かして行きたいものです。いずれは世界中の携帯電話が日本のケータイのようになるでしょうし、モバイル決済が一般化すればすべての OOH メディアが Point-of-Sales メディアになりえます。
Nearly half of all new digital-signage displays will use SMS text messaging for interactivity by 2012, according to researcher MultiMedia Intelligence.
(Txt 2 b top 4 ntwrks より、一部引用)
ほかにもいくつか面白い数字が発表されています(www.multimediaintelligence.com)。
これぞデジタルサイネージ!と言えるかも知れません。デジタルサイネージを使えばこういう新しい広告メディアがつくれるということです。
[youtube:http://jp.youtube.com/watch?v=6orVkHG9DUc&ap=%2526fmt%3D18]
上の例はアメリカで実際に動いているインタラクティブ OOH 広告で、通りがかった人々がかなり反応している様子がわかります。
特徴は
また、モニターのような枠がなく、映像を使って空間をつくっている点が、今後のデジタルサイネージの方向性を指し示しているように思います。
[youtube:http://jp.youtube.com/watch?v=vgbQQQpwMt8&ap=%2526fmt%3D18]
「はじめにモニターありき」で、そこになにを映すかという発想では、これほどインパクトのある見せ方は生まれてこないでしょう。なにを表示するにしても効果がなければ意味がないので、見た人が面白いと思うようなものが今後もどんどん登場してくるに違いありません。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=nd-IKe4BoA0&ap=%2526fmt%3D18]
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=_eocM7p2jOU&ap=%2526fmt%3D18]
デジタルサイネージが脚光を浴び始めるにつれて3Dディスプレイも注目されるようになってきましたが、3次元表示された物体に触れることでインタラクティブな操作を行うことができる新技術が登場したようです。
現在3Dディスプレイにはいくつかの方式があり、EXPO などではいろいろな立体ディスプレイを目にすることができますが、中でも最も立体的に見えるのが3Dホログラフィック・ディスプレイと呼ばれるもので、ディスプレイ画面よりもかなり手前の空中に物体が浮かんでいるように見えるため、思わず手を伸ばして触れてみたい衝動にかられます。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=lm-b_dCGl1w]
上のビデオは従来からある3Dホログラフィック・ディスプレイの例ですが、今回 Provision Interactive Technologies 社 はユーザーがこのバーチャルな物体に触れることでインタラクションを起こすことのできる「Air Touch」と呼ばれる技術を開発し、Intel Developer Forum (IDF) の Intel 社の展示に使用された模様です。
展示の内容は、14種類のインテルベース製品が次々と空中に立体表示され、ユーザーが映像に触れるとその製品のカタログやスペックシートなどがプリントアウトされるというもの。
3Dホログラムは結構インパクトがあるので、いろいろと面白い使い方ができそうですね。
With a simple touch of a finger, a 3D hologram floating in space goes to task, providing on-demand information, like spec sheets on Intel products, as requested by the consumer. The specific “Air Touch” application was designed exclusively for the IDF and is the next generation of Provision’s 3D holographic display, software, and interactive platform. The system allows 14 different Intel-based products to float in the air, in 3D, approximately 36 inches in front of the 40-inch screen. Each product’s “air time” is about 30 seconds, allowing an audience to attentively watch the cool 3D hologram as it spins and turns. If the consumer is interested in a particular product, all he or she has to do is literally ‘touch’ the hologram. The software recognizes the interaction and prints out a marketing brochure or spec sheet on that particular product.
リテール系のデジタルサイネージでは最も有名な事例のひとつであるウォルマートのインストアTVですが、近く「ウォルマート・スマートネットワーク」と呼ばれる新システムを導入するそうです。
詳細は未発表ですが、関係者の話として、これまでよりもアイレベル(目線の高さ)に近い位置にモニターを移動すること、インタラクティブな「バーチャルアシスタント」による商品情報の検索やお薦め商品の紹介機能の追加などが明らかにされています。
こうした動きの背景にあるリテール系デジタルサイネージの現在のトレンドを挙げてみましょう。
最後に、第1世代のウォルマートTVに関する金銭面の情報をまとめておきます。
ウォルマートのインストアTVは2005年に仏トムソンに買収された PRN(Premier Retail Networks)社が提供していますが、2003年のウォルマートTVからの収入は 6,100万ドルであり、ウォルマート側から運用費として支払われた3,900万ドルを合わせると PRN のビジネスの 89%をウォルマート関連が占めていました。現在の PRN の収入は BestBuy や Costco などに提供しているネットワークを合わせて 2億5,000万ドル程度と見られ、そのうち 1億〜1.5億ドルがウォルマートTVからの広告収入であると推定されています。
一方、昨年の米国のTV広告費は640億ドルに上っており、1億3,000万人/週というウォルマート店舗の来客数を考えれば、未だそのポテンシャルのごく一部しか活用できていない状況だと言えます。最大の課題は広告効果の証明であり、Nielsen 社が6月に開始したインストアメディアの効果測定サービス PRISM をウォルマート社も採用します。
とはいえ、インストアメディアによる広告収入の伸びが期待したほどではなかったとしても、ウォルマート社にとっては大きなメリットがあります。ウォルマート社は広告収入の8%を PRN 社にマージンとして支払う一方で、100万人を超える同社の従業員とウォルマートTVを使ったバーチャル会議を行うことができます。こうした企業内ネットワークをタダで手に入れた上、広告収入も得られるというわけです。もちろん、こうしたサプライヤー側にだけ費用負担を押し付けるような形での事業展開はデジタルサイネージの発展にとって望ましくないという意見もあります。
Despite growing talk about and investment in shopper marketing in recent years, relatively little money has flowed into in-store media. Now, Wal-Mart Stores is looking to change that as it readies a second-generation in-store digital TV and signage network.
(Wal-Mart Preps Next Phase of In-Store TV - Advertising Age - News より一部引用)
日本ではまだ見られないデジタルサイネージのジャンルにモバイル連携型(mobile-driven digital signage)というものがあります。
携帯電話の「万能リモコン化」が進行する中、デジタルサイネージすら携帯からコントロール可能になりつつあり、これまではタッチスクリーン技術などを使って行っていた操作が、もっと離れた場所から携帯でできるようになります。
例えばカフェに居合わせた複数の人が携帯を使ってデジタルサイネージのモニター上でチャットをしたり、スクラブルのようなゲームを競い合ったり、という具合です。これによって画面へのアテンションが上がり、引いては広告を見る時間も長くなるのだそう。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=sK9c5npH2oA]
さて、ここまでなら以前にご紹介した MegaPhone とも似ていますが、この LocaModa の場合はこれをさらにソーシャルネットワークと結びつけ、モバイル、インターネット、デジタルサイネージの3つの媒体を一体化することで、インタラクティブなマーケティングキャンペーンが実施可能なプラットフォームを提供しています。
例えば、全米のバー3万店にデジタルジュークボックスのネットワークを持つ TouchTunes 社と共同で、Beck のニューアルバム “Modern Guilt” のプレリリースキャンペーンを行った際には、携帯から SMS でテキストメッセージを送ると発売前の新曲が聴ける最寄りの TouchTunes のロケーションを知らせるというサービスを実現しました。キャンペーンの情報は Facebook、iLike、MySpace などの SNS で告知され、オンラインとリアルワールドの両方でコアなファン層にリーチすることができたそうです。(原文:Beck Pre-Releases New Album “Modern Guilt” to TouchTunes Network より一部を要約して引用)
モバイルと SNS を取り込むことで、デジタルサイネージに口コミのパワーを付け加えることができます。確かにこういう使い方であれば大きな効果が見込めそうですね。実際の調査でもよい結果が出ているそうです。
ほかにも、ユーザーが携帯から送ったテキストや写真をデジタルサイネージの画面上に表示する技術としてこんなものがあります。