日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
昨夜ドイツから帰ってきました。ヨーロッパ初のデジタルサイネージ EXPO は大変面白い内容でしたが、そのレポートをする前にエキスポの主催責任者である Jens Schindler 氏へのインタビュー記事をご紹介します。
ちょっと長いので要点だけ翻訳します:
インタビュアー:今回のエキスポのハイライトは何になりますか?
Jens Schindler(以下 JS)氏:それはコンテンツでしょう。これまではテクノロジーやネットワークに焦点が当てられることが多かったわけですが、POPAI やその他のパートナー企業との協議の結果、最も重要なのはコンテンツだと考えました。会場の設計もその考えを反映してデジタルサイネージ・コンテンツセンターを中心に配置しています。私たちとしては、コンテンツとアプリケーションによってなにが可能になるのかということに焦点を当て、またデジタルサイネージがテレビなどのメディアと比べてコンテンツ面でどう違うのかということを人々に示したいと考えました。
MB: What do you think the highlights of the show will be?
JS: The center of the show is going to be devoted to content in the shape of the Digital Signage content center. After discussions with POPAI and our other partners, we felt that while a lot of traditional focus is placed on technology and networking, the real make or break issue is content and we wanted the floorplan to reflect that by making it our centerpiece. We want to highlight what can be done application wise with content and also want to show people how digital signage is different content-wise from TV and other audio-visual mediums.
(中略)
インタビュアー:今回のエキスポのテーマは何ですか?
JS:会場の左側はインタラクティブ・エキスポで、右側はデジタルサイネージ関連です。私たちには、デジタルサイネージとセルフサービス(キオスク)とが如何に補完し合うことができるかという例を見せたいという考えがありました。またダイナミックなコミュニケーションを可能にするメディアとしてのデジタルサイネージの使い方を人々に示したいという意図もありました。キオスクやタッチスクリーンに表示されたメッセージがどの程度有効だったかを瞬時にフィードバックしてもらうことができれば、それに応じて表示内容を即座に変えることができますからね。これは大きいですよ。
MB: Is there a theme?
JS: The left side of the floor is for interactivity and interactive devices while the right side is digital signage-related. We had the idea of wanting to showcase how digital signage and self service complement each other as well as showing people how to use digital signage as an interactive medium with which to communicate dynamically. If people have instant feedback on how successful their message is at a kiosk/touchscreen they can change it instantly which is huge.
全文はこちら。
一番カッコいいデジタルサイネージコンテンツのひとつではないでしょうか。
2007年の夏にニューヨークのユニオンスクエアに設置されたインタラクティブサイネージシステムです。
アートっぽいクオリティに仕上げることで、人々が楽しめて、なおかつ印象深いプロモーションや強力なブランディングメッセージの発信が可能になるという一例だと思います。
[youtube:http://youtube.com/watch?v=a-NRdyUx8Lc]
デジタルサイネージとアートが出会うとこういうものができるんですね。これは素晴らしい!
やはり人を楽しませるコンテンツがデジタルサイネージに最も求められているものだと思います。
その意味で、こうしたアート的な試みには無限の可能性があるように感じられます。
デジタルサイネージ広告では、配信システム、コンテンツ、ロケーション、広告主といった複数の事業主体が集まらないとビジネスの仕組みが動かないため、事業者間の連携が必要だと考えられますが、国内でも9社の事業提携により国内最大規模の配信インフラを実現し、近くサービスを開始するという動きが出ています。
ネットワークサービス、サーバー保守、動画配信、ウェブ制作、広告代理店、コンテンツ制作などの関連企業が提携することで、顧客にワンストップでのサービスを提供するというコンセプトのようです。
〜ネットワーク環境、新時代へ〜次世代型映像配信サービス『エンコードラボ』開始! - エクスコ・ラボ株式会社 - ZDNet Japan
デジタルサイネージの効果的な利用シーンにはどういうものがあるでしょうか。
業界でよく言われる想定活用シーンをブログにまとめて下さっている方がいらっしゃいます。
1 顧客の体験
顧客は売り場やサービスの現場で良い体験をするとファンになり繰り返し訪れてくれる可能性が高くなります。逆に悪い体験をすると3分の2の顧客はもう訪れてくれない、という統計データがあります。
目に見えるわかりやすい説明や、驚きを伴う新しい体験をすることによって顧客に良い感動や感嘆を与える、という効果です。
たとえば昨年ブログで紹介したNokiaのNY5番街の店舗(※下に注あり)は驚きの体験ができます。2 マーケティングやブランディング向上
商品やサービスの説明や宣伝などを単なるテレビコマーシャルのような簡便なものではなく、詳細かつわかりやすく提供することが出来ます。特にデジタル技術の活用により、実画像や仮想的な表現を組み合わせてインパクトのある情報の提供が出来るでしょう。
アメリカのウォルマートでは週に実に1億人のお客さんが訪れるそうです。店舗では商品の宣伝を流すテレビが設置され、統計では3大ネットワークに匹敵する視聴率が稼げる、と広告会社では試算をしています。
もし大手の小売店にディスプレイを設置することが出来れば、メーカーやサービス提供者もイタラクティブでオンデマンドな宣伝を提供しシェアの増大を狙えるかもしれません。3 商品の効率的な市場提供
2と関連するかもしれませんが、新商品を市場に浸透させる方法としての利用が考えられます。テレビやネット広告も有効だとは思いますが、こちらはマスに対しての宣伝効果しかありません。
もっと顧客を絞り込んだ宣伝対象として効果を上げることが考えられます。対象とする顧客の集まる場所に絞り込んでの宣伝。コストもテレビ広告よりはるかに安価に提供可能でしょう。
またアップセル、クロスセルの機会が増え、付加的な商品やサービスの販売が期待できます。更に使用方法の難しい商品や、新しい種類の商品など、顧客がその場で理解しにくい場合には購買決定に時間がかかる可能性があります。
その時間を短縮し、より早い購買につなげることも可能でしょう。4 市場での差別化
同じような商品でも説明の仕方やディスプレイで顧客の受けるイメージは大きく変わります。顧客の視点で商品やサービスを説明する、あるいは顧客の願望を「創作」することが可能ではないでしょうか。
仮想空間の中に顧客を導き、あたかも自分がその商品やサービスをつかって様々な体験をする。多角的な商品の説明や新たな使われ方の提案など効果的に行うことが出来ます。5 従業員教育
副次的な効果として、サービス時間外での活用も考えられます。新商品の説明や新たなサービスの提供方法についてお店にあるディスプレイを使って教育を提供します。つまりスクールや勉強会の提供です。
なかなか新商品の特徴やそれぞれの商品の違いなどを紙で説明し習得するのは時間がかかりますが、映像を通して説明することにより効果的に販売員やサービス提供者に教育を行うことが可能です。
ネットワークが統合されて集中的にプログラムをしているので、もしそれぞれの地点にIPカメラなども設置しておけば、Q&Aや成功事例の生の共有ということも可能になるでしょう。
実際にアメリカの大手家電量販店ではお店の終了後に新商品の説明を店舗のデジタルディスプレイで実施しています。
上の引用記事中に出てきた Nokia の5番街店舗の記事はこちらです。
ちなみに私も昨年5月にシカゴの Nokia 店舗を見てきましたが、ディスプレイには違うコンテンツが流れていました。ワイン好きさんは遠慮してこっそり写真を撮ったようですが、私は堂々とビデオカメラを回してしまいました。店員さんはニコニコしてましたよ。日本だったら怒られてしまうかも知れませんが、アメリカはおおらかです。
その Nokia シカゴ店の様子はこちらのビデオの真ん中あたりに登場します
[youtube:http://youtube.com/watch?v=Z3jgjCB4uXE]
今回は、いま話題のセカンドライフとデジタルサイネージとの親和性について考えてみました 。
銀座の大和証券に大型ビジョンがあるのですが、ときどきセカンドライフの画面を記録した映像を流しています。休日などは中央通り(通称銀座通り)が歩行者天国になっていて人の滞留がかなりあるのですが、セカンドライフのコンテンツが流れたときに限って多くの人が足を止めてモニター画面を見上げています。そして別のコンテンツに変わると再び歩き出すのです。
銀座の客層から考えてもセカンドライフを実際にプレイしたことがある人の割合は低いと思われますが、そのコンテンツにはかなり興味を惹くものがあるようですね。デジタルサイネージはコンテンツをどうするかというのが大きな問題(内容、コストの両面で)ですが、セカンドライフのような仮想現実世界の中で撮影する方法であれば、キャッチーな映像をローコストで制作することが可能かも知れません。
個人的にはこれをもう一歩進めて、参加型のリアルタイムコンテンツにしたら面白いと思います。デジタルサイネージ=大勢で観ることができるパソコン画面、という方向性です。いずれそちらの方向に進むんじゃないかと思っているのですが、どうでしょう?
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=lrlOAxHqytw]
アメリカで衝撃的なデジタルサイネージ・コンテンツが登場。これこそ、デジタルサイネージの進むべき方向性 を指し示すものではないでしょうか。デジタルサイネージの未来を考えるとき、単にテレビや DVD と同じような動画コンテンツを流すのではなく、そこにはデジタルサイネージならではのコンテンツが生まれなければならないでしょう。歴史的に見ても、そのようなものを生み出し得たメディアだけが生き残ってきたと言えるのではないでしょうか。
MegaPhone は、携帯電話さえ持っていれば誰でも街頭の大型スクリーン内でゲームに参加できるようなプラットフォームを提供します。このシステムには人々を夢中にさせる魅力がありそうです。
こうしたモバイル連携型のデジタルサイネージは今後増えてくるのではないでしょうか。