日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
PRN(Premier Retail Networks)がウォルマートで行った地球環境月間のグリーンキャンペーンの事例です。
現在 7,390 店舗を展開し、年間2億人以上の利用客を持つウォルマートの買い物客に向けて、地球に優しい商品のプロモーションを行うと共にウォルマートのブランドイメージを高めるのが目的のキャンペーンで、“Save Money, Live Better” のウォルマートのキャッッチコピーのうち、後半の “Live Better” の部分に焦点を当てた展開です。
24〜39歳の母親層、10代の若者や大学生といった、安さに最も関心のある顧客層に対して環境的な利益を訴えるため「2億人のウォルマート利用者がそれぞれ環境のために小さな選択を行うことで、将来の子どもたちの世代のために大きな変化を起こすことができます」というメッセージングを行い、大きな成果が得られたそうです。
このキャンペーンは Digital Signage Expo East 2008 のコンテンツ部門で Award を受賞しています。
The campaign succeeded in conveying the truly significant benefits that can be achieved by Walmart’s 200-million-plus customers when the impact of purchasing environmentally friendly products is demonstrated with maximum effectiveness.
(CASE STUDY: Premier Retail Networks Rolls Out a Green Campaign for Earth Month at Walmart より、一部引用)
ヨーロッパでは日本よりもデジタルサイネージの導入が進んでおり、様々な事例が見られます。
以下のムービーはロンドン・アムステルダム・ドイツ各地で撮影したデジタルサイネージの事例をまとめたレポートです。
今後は生活のあらゆる場面でデジタルサイネージが使われるようになるだろうということがわかると思います。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=-PVad4zP8o8&ap=%2526fmt%3D18]
以前にもお伝えしたおり、米国のウォルマートでは店内テレビネットワークを第2世代のデジタルサイネージ・ネットワークに切り替える作業が進行中ですが、11月に行われたサプライヤー向けのプレゼンテーションで広告枠の料金が一部発表された模様です。
ダイヤモンド社発行の Chain Store Age 12月号別冊 RetailTechnology の記事によると、来年後半までにはスマート・ネットワークが 2,500店舗に導入されている計画で、その段階での 10秒間の繰り返し CM の広告枠料金が2週間あたり 10万ドル(約950万円)になるというのがウォルマート側の推定価格だそうです。
このスマート・ネットワークは 2010年までに 2,700店舗に導入され、来客数は全体で1億4,000万人/週になるため、全米規模のテレビネットワークにも匹敵するメディアになると考えられます。そのうえ、テレビと違って買い物に来ている消費者に売り場で訴求できるわけですから、この広告料金でも高くはないのかも知れません。
世界中の OOH メディアで買収の動きが活発化しています。スイスのデジタルサイネージオペレーター Neo Group がスウェーデンの OOH オペレーター大手 Q-Vision を買収しました。
Q-Vision は 200 店のスーパーマーケットに 850画面のネットワークを運営しており、月間 1900万人のレジ待ち中の買い物客にリーチすることができます。
Neo Group は今年に入ってカナダ、スペイン、ポルトガル、イギリス、スウェーデンと矢継ぎ早に買収を進めており、Carrefour や Edeka といったチェーンストア大手との契約締結など、リテールデジタルサイネージのメジャープレイヤーとしての存在感を急速に示し始めています。
Q-Vision, a subsidiary of Norwegian Network Mediagroup, operates a network of 850 online check-out screens in 200 Swedish supermarkets - including shops belonging to; ICA, Hemkテカp, Maximat and Willys. The company reaches 19 million queuing shoppers a month and makes its money from local and community advertising.
(Neo Acquires Q-Vision, Sweden’s Leading Digital Signage Operator より、一部引用)
9月より連載させていただいている日経BP社 Tech-On! コラム『世界のアンビエント・ディスプレイ』ですが、第3回の『ディスプレイ技術がショッピング体験を激変させる』と題した記事が公開されました。
欧米やアジアの事例をご紹介しながら、リテール(小売店)の空間がデジタルサイネージを中心とした技術によって大きく変わろうとしている様子をお伝えしています。

過去2回の記事も含め、こちらからご覧いただけます。
ニュージーランドのショッピングカートメーカー Cabco Group は TV Kart というユニークな製品を展開しています。

子ども2人が乗れる乗用車型のカートで、車内に装備された 7インチのスクリーンでは子ども向けのビデオが流れているというものです。このカートは買い物客が1ドルを支払って利用する仕組みで、店舗側は費用負担なしで導入できるため米大手小売業の Meijer などで採用されてきました。

現在はこれに加えて大人用の 7インチディスプレイを上部に搭載して広告を表示するタイプのものがあり、無料で利用できるようになっているようです。また店内のカートの位置によって広告内容を切り替えることも可能なシステムになっており、買い物客の 57% がここに表示される広告を参考にしているとの調査結果が出ています。
Cabco Group では5月に Premier Retail Networks, Inc. (PRN) との提携を発表しており、PRN が広告枠の販売を行うことが決まっています。広告配信のテストにはユニリーバなど5社が参加し、6歳以下の子どもを連れた買い物客にターゲットを絞った10カテゴリーで広告配信が開始されます。
以前、インストア・デジタルサイネージが満たすべき5つの条件というエントリーを書きましたが、リテールの現場でのデジタルサイネージの可能性はまだまだ広がっていきそうですね。
PRN and Cabco announced their strategic alliance to enhance the in-store media experience for retailers and shoppers in May 2008. As part of the alliance, PRN agreed to sell advertising for Cabco’s TV Kart™, which incorporates interactive display screens onto digital shopping carts designed to entertain young children who are sitting on the interior of the cart, while providing targeted information for moms and dads on monitors facing them while they shop.
先日の記事でお伝えした、ウォルマートの新しいインストア TV「スマートネットワーク」の詳細が発表されました。
ウォルマートでの実験を通してインストア・デジタルサイネージの最適解を見つけ出すのに総額 1,000万ドルと2年の期間を要したわけですが、新たに導入されるスマートネットワークは IPTV 技術によって全米 2,700店に散らばる 27,000枚を超えるスクリーンをモニターしつつ制御することが可能になっています。
また、買い物客が商品を選ぶ際の手助けとなるような商品情報を買い物の現場にタイミングよく届けるため、店舗ごとやスクリーンごと、あるいは曜日や時間帯ごとに最適化されたメッセージを表示させるとともに、それを見た買い物客の反応も測定できるようになります。買い物客の反応に合わせて表示内容を随時調整することにより、買い物客の利便性向上と売り上げの増加を両立できるはずです。
番組編成は Studio2 が担当。ネットワーク管理は Thomson 傘下の PRN が担当。効果測定と表示内容の最適化は DS-IQ が担当します。過去2年間の実験の中から最適なパートナー企業が選ばれました。
新しいデジタルサイネージ・システムは今月後半から導入がはじまり、2010年初頭までには全店舗への 27,000台の設置が完了する見込みです。入り口では「ウェルカム・スクリーン」が、最も人気の高い食料雑貨・化粧雑貨・電化製品の売り場では「カテゴリー・スクリーン」が、そして店内のあちこちにある棚の端部では「エンドキャップ・スクリーン」が情報を表示します。
最も効果的な広告場所を求める広告主にとって、商品が実際に購入される現場に広告を出すことの重要性は今後ますます高まってくるでしょう。ウォルマートのスマートネットワークのテストに参加したケロッグ社の副社長によれば、この新しいデジタルサイネージ・システムは目覚ましい効果を上げたそうです。
In a live event, simulcast between New York City and Bentonville, Ark., Walmart executives today unveiled the new Walmart Smart Network that will provide shoppers relevant and useful information via in-store TV.
The Smart Network will deliver customized content at the point-of-decision.
Walmart’s 1.0 network, seen here, will be replaced beginning in Sept. 2008.(Retail | Walmart releases details on new ‘Smart Network’ | Digital Signage Today より、一部引用)
旧ウォールマートTVでは天井近くに大型のスクリーンが設置されていましたが(2枚目の写真)、やはり見る人が少なかったようで、新システムでは確実に視線を捉える棚の位置に、少し小型のスクリーンを設置するようですね。しかもその棚に並んでいる商品の説明を流してくれるとあれば、消費者にとっても嬉しいのではないでしょうか。
デジタルサイネージのコンテンツのあり方として、よい見本となるような事例になるかどうか、今後の結果が楽しみです。とはいえ、実際の買い物客の反応を見ながらコンテンツを調整したり、いろいろなタイプのコンテンツを流してみて結果を比べることもできるので、今回のシステムがものすごい効果を発揮する可能性は高いのではないかと思います。
また、第1世代のウォルマートTVが PRN の所有だったのに対し、今回の第2世代インストア TV「スマートネットワーク」はウォルマート自身が費用を負担し、コンシューマーブランドの広告によって運用するという点も注目に値します。
不況に伴い消費が冷え込む中、多くの小売業者が支出を控える一方で、ウォルマートは初めてデジタルメディアへの投資を行おうとしています。今後その他の小売業者もウォルマートに追随するのかどうか。ウォルマートは11月14日に広告主らを集めたシンポジウムを行うと発表しているので、それまでには新しい「スマートネットワーク」が実際にウォルマートのショップに導入されるでしょう。大方の判断はそれを見てからということになるものと思われます。