日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
最近デジタルサイネージとAR(Augmented Reality)が共に語られる事も増えてきましたね。先日、 社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)さんが主催するPAGE2010の「デジタルサイネージとAR(拡張現実)の動向 」というカンファレンスのモデレーターをさせて頂きました。そのセッションでパネラーをされていたナレッジワークスの亀山さんにデジタルサイネージとARについてちょっぴり記事を書いて頂きました。
拡張現実(AR=Augmented Reality)の2010年が始まり、1ヶ月が既に経過しています。日々のプレスリリースを見ていると相当な盛り上がりを見せていることが分かります。2009年の前半はARの事例が少なく、特にARがデジタルサイネージで活用される事例はしっかり探さないと見当たらないくらいでした。しかし1年経った今は、状況を把握するのが大変なくらい事例が溢れてきています。
これまでのARの大きな流れを振り返ってみると、下記のような経緯を辿っています。日本では既に2年前以上前から一部の方たちの間では話題になっていました。
研究開発 ⇒ マニア達の遊び(この時期が重要!) ⇒ ベンチャー企業がニッチな市場で製品を公開 ⇒ 新しもの好きの一部の人に認知される ⇒ 技術基盤が整う ⇒ 大企業の参入(実は水面下で進められていた…) ⇒ ビジネス活用へ ⇒ 普及が始まる
最近、様々な業種の方々と面識を持つことが多くなり、ARを紹介する機会が増えています。ARを初めて見た時の「驚き」は相当なものだといつも感じます(もちろん自分もそうでした)。一般的なPC+Webカメラ、カメラ付きの携帯端末を使って実現しているということ、紹介記事を見ただけでは何がどのように飛び出してくるのか分からないことが大きな理由だと思います。ARは実際に体験していただくのが一番です。
しかし、「驚き」や「感動」はそう長くは続きません。「驚き」の次は、「今度はどうやってビジネス化したら良いのだろう?」「で、どうやったら儲けられるの?」という模索が始まります。そういうことを考えさせるARですが、それが逆に今後の可能性を感じさせるのだと思います。
さて、ARはデジタルサイネージと非常に相性が良いソリューションのようです導入費用が高額、大掛かりな仕掛けや高度な技術が必要であったため実現きなかったことでも、ARの技術を使用することで比較的安価に行えるようになりました。簡単に行う場合は、モニター、WEBカメラ、パソコンだけでも実現出来ます。
従来のデジタルサイネージの多くは、ただ見られることが目的でした。しかしARは、そこにインタラクティブな要素を付加することができます。例えば下記のような事例がすでに海外では実現されています。
1. 顔認識技術により、歩いている人の頭に帽子をかぶせる、メガネをかける洋服を着せる
例)Atlantic Lottery launches Canadas Augmented Reality Campaign.
モニターに向かうと、サングラスとパラシュートが自動的に合成されて表示されるキャンペーン
2. 店頭で販売している商品のプロモーション
例)Lego Augmented Reality
店頭に置いてあるレゴのパッケージを店頭のモニターにかざすと、組立完成図が表示された上、アニメーションも行われる。
3.カードを自宅に送付し店頭に誘導し購入に結び付ける(キャンペーンに参加してもらう)
例)Hugo_Boss_Simon & John
ARの技術を利用したデジタルサイネージのソリューションは、設置型スクリーンの枠にとらわれず、携帯端末を利用した移動型端末との連携サービスも出てくるでしょう。一方だけを使用することもあると思いますが、連携ソリューションが、より効果が高いと思います。昨年までは単なるBuzz(バズ)と言われることも有りましたが、どうやらそうではない大きな「うねり」を感じます。一年後には、きっと様々な場面で普通に使われていることでしょう。
ナレッジワークス株式会社 RIAソリューション事業部 亀山 悦治
e-mail:kameyama@knowledge-works.co.jp
AR Blog: http://development.blog.shinobi.jp/Category/47/
アメリカの7-Elevenがついにデジタルサイネージに名乗りをあげました。アメリカ本国とカナダで6200の店舗網を持つセブンイレブンは月間1億9000万の視聴者にリーチする事ができます。ウォルマートをに代表される米国のデジタルサイネージネットワークはTVの4大ネットに匹敵するとよく語られていますが、7-Elevenもかなり大きな媒体になりそうですね。2010年の第4四半期には設置を完了するとの事です。
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24時間営業のネットワークはDigital Display Networksがパートナーになり、モニターはHDのものを2面設置するそうです。7-Eleven側の販促としての利用と外部の広告にも利用され、広告販売はDDNが担当する事になります。
One of the nation’s largest convenience store chains is throwing its hat in the digital out-of-home video ring. 7-Eleven will create a digital network for more than 6,200 stores in the U.S. and Canada, eventually reaching a total 190 million viewers per month when deployment is complete in the fourth quarter of 2010.
MediaDailyNewsより引用
日本でもローソンが今年デジタルサイネージに参入たことが話題になりましたが、米法人の7-Elevenはセブン&アイ・ホールディングスの子会社ですので、日本の7-Elevenもデジタルサイネージの導入に関しては検討しているのではないでしょうか。日本の場合POSレジに併設されたディスプレイ広告がの方が導入が早かったので、それらとの連携やモバイルとの連携が必須になってくるのでしょうね。リテール関連のサイネージの動きに関しては目が離せないですね。
3Mは1/14-17にロンドンBETT2009で初披露したバーチャルマネキン技術を2/3-5にアムステルダムで開催されるISEに出展します。
このバーチャルマネキンは3MのVikuiti™リアプロフィルム技術によるもので、例えば店頭で、録画された店員の映像に基づいて、5ミリ厚のVikuitiフィルムが、レーザーで店員の上半身のサイズと形そのままにカットされます。フィルムはその状態で店頭に設置され、下半身が映し出されるしくみになっています。映像はリアプロで映し出され、音声もマネキンの足の部分に設置されたスピーカから聞こえてくる、というしかけです。5ミリ厚で軽量なので自立型の設置に適しています。4:3と16:9のフォーマットが選べ、60インチから95インチ(対角)まで対応可能です。

「POS市場は変貌を遂げていて、この業界に注目する広告業者には、アイデアと創造力次第でチャンスは無限に広がっている」と3MのOptical Systems divisionのEU Marketing ManagerのLoyd Cole氏は語っています。「人体、アニメのキャラクター、その他想像上のかたち、どんな形にも対応可能。店頭でのコミュニケーション型販促ツールとして画期的な媒体。」と続けていますが、コミュニケーション機能の拡張も期待でき、店頭だけでなく、あらゆる分野に活躍の場を広げそうです。
この不況下、例えばパソコンなどは完全に激安競争の渦の中で、新技術への視線は冷え切っていますが、この3Mのような新技術が出てくることは業界の先行きの明るさを示しています。実際、この不景気の中でもデジタルサイネージ分野は比較的堅調で、09年のDOOH向けモニタ出荷は前年比44%増(Display Search)とのことです。経済事情により、車から電車に乗り換える人が増え、車内広告の視聴率が上がることや、ファストフードチェーンでのDOOH需要の高まりを予測しています。
デジタルサイネージと携帯電話は、互いに弱点を補完し合い利点を活かし合うことができる最高の組み合わせだと考えられます。
世界の携帯電話人口はすでに 30億人を超え、2013年中には 55億人に達すると見られており、非常に影響力のあるメディアになってきています。とはいえ事業者がユーザーの携帯画面に強制的に広告を表示させることは難しいため、クーポンや商品情報へのアクセス方法をユーザーに伝えるためには、雑誌やポスター、デジタルサイネージなどのメディアに頼らざるを得ません。
一方、デジタルサイネージの広告効果は視聴者が画面を見ている間に限定されてしまいますが、その場で視聴者の携帯電話にメールやクーポンなどをダウンロードしてもらうことができれば、視聴者が後からその情報にアクセスしたり、ほかの人に転送したりすることも可能になります。
消費者は具体的なメリットを求めるので、クーポンの提供やくじ引きへの参加、賞品付きのゲームの提供などが有効です。デジタルサイネージによって効果的にキャンペーンを告知し、携帯電話を使って参加してもらうことで、広告効果を飛躍的に高めることが可能になります。またキャンペーンへの参加者から様々なフィードバックを得ることも可能です。
こうしたキャンペーンの実施もソフトウェアの利用によって自動化できる部分が増えており、費用も最小限に抑えられることから、今後はデジタルサイネージと携帯電話を連携させる使い方が増えてくるでしょう。
The proliferation of mobile devices provides place-based digital signage marketers a unique opportunity for extending their ads beyond the screen.
(The Power of Convergence: Digital Signage Meets Mobile より、一部引用)
PRN(Premier Retail Networks)がウォルマートで行った地球環境月間のグリーンキャンペーンの事例です。
現在 7,390 店舗を展開し、年間2億人以上の利用客を持つウォルマートの買い物客に向けて、地球に優しい商品のプロモーションを行うと共にウォルマートのブランドイメージを高めるのが目的のキャンペーンで、“Save Money, Live Better” のウォルマートのキャッッチコピーのうち、後半の “Live Better” の部分に焦点を当てた展開です。
24〜39歳の母親層、10代の若者や大学生といった、安さに最も関心のある顧客層に対して環境的な利益を訴えるため「2億人のウォルマート利用者がそれぞれ環境のために小さな選択を行うことで、将来の子どもたちの世代のために大きな変化を起こすことができます」というメッセージングを行い、大きな成果が得られたそうです。
このキャンペーンは Digital Signage Expo East 2008 のコンテンツ部門で Award を受賞しています。
The campaign succeeded in conveying the truly significant benefits that can be achieved by Walmart’s 200-million-plus customers when the impact of purchasing environmentally friendly products is demonstrated with maximum effectiveness.
(CASE STUDY: Premier Retail Networks Rolls Out a Green Campaign for Earth Month at Walmart より、一部引用)
アメリカの Woodforest National Bank が 600拠点にデジタルサイネージを導入するそうです。
この銀行はテキサス州で初めて年中無休の24時間サービスを始めたほか、ヒスパニック系住民のためにバイリンガルサービスを行い、全米500拠点のウォルマート店内にミニ支店を開いたことで先駆的な銀行として知られており、昨年の顧客満足度調査でも上位にランクされています。
Woodforest 銀行では顧客満足度の維持・向上に加え、ターゲット層別のキャンペーンの展開や競争力強化の目的でデジタルサイネージを活用するそうです。
アメリカでは銀行間の競争が激化しており、他行も追随してデジタルサイネージの導入が進むのではないかと見られています。
アメリカで起こったことは少し遅れて日本でも起こることが多いですが、日本の銀行でもデジタルサイネージによるキャンペーンが開始されるのは時間の問題でしょうか?
Woodforest is the first bank in Texas to launch a 24/7 full-banking concept and the first full-service bilingual bank for Hispanic customers. Another initiative on which the bank is embarking is a digital signage network in free-standing offices and at branches inside Walmart, the world’s largest retailer.
(Houston-Based Bank Known for ‘Firsts’ Selects Omnivex for Digital Signage Network より、一部引用)
インドから、なかなか強力なデジタルサイネージのビジネスモデルが登場しました。
オフィスへのコンシェルジュ派遣やロイヤルティサービスを提供するインド企業 Les Concierges社 は、インド国内の500社、60万人の顧客企業社員へのアクセスを活かして、新たにデジタルサイネージ、モバイル、PC を使ったコミュニケーションチャンネルを提供するそうです。
ワークスペース・チャンネルと名付けられたこのデジタルサイネージ・ネットワークは、環境、健康、ライフスタイル、金融、安全などのライブコンテンツを提供する一方、広告主やスポンサーにとってはターゲット化された広告メディアとなります。さらに、Les Concierges社 では企業オフィス内にオンサイトキャンペーンのためのスタッフを派遣することも可能です。
Les Concierges社 の顧客リストには Accenture、Dell、IBM、KPMG といった大企業が名を連ねており、そうした企業のオフィス内で Listerine や L’oreal などのキャンペーンを成功させた実績があるそうです。
Les Concierges runs on-the-ground services across 500 worksites reaching upto 600,000 corporate professionals. The company specialises in helping employees by assisting with any sort of request, and offering exclusive access to a range of products and services from different companies and brands.
(Indian Offices To Get Digital Signage Supported Conceirge Services より、一部引用)
デジタルサイネージ単独のプロモーションよりも、現場にいるスタッフを使ったマーケティング手法やインターネット、モバイルを絡めた多チャンネルでの展開の方が確実に効果がありそうです。このビジネスモデルはなかなか強力ですね。新興国インドで外資系企業社員に的を絞った展開も巧みです。