日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
ヨーロッパで初めて、音と香りで5感にアピールするデジタルサイネージが導入されたそうです。が・・
この新しいタイプのデジタルサイネージは、音響エキスパートの Mood Media が、スペインの家庭用家具販売業 Leroy Merlin 社のショップに設置したもので、ガーデニングやバスルームといった部門ごとに異なる音と香りを、それぞれに合わせて制作された映像とともに買い物客に届けるそうです。
Audio specialists, Mood Media have deployed the first video, audio and aroma ‘multi-sensory’ digital signage installation in Europe - for Leroy Merlin, a Spanish home furnishings retailer.
As customers arrive at the store they are met with a lotus flower fragrance; in the gardening section a floral perfume, and in the bathroom a ‘fresh marine’. At the same time different music - including themes such as ‘lounge’, ‘nature’ and ’sophisticated’ - are distributed to match both aroma and merchandise.
(Mood Media Install Sight, Sound & Smell System Into Spanish Retailer より、一部引用)
と、ここまでなら素敵なシーンを想像してしまいますが、実際の店内の写真を見て愕然としてしまいました。これで本当に5感に訴えることができるのでしょうか・・?インストア・デジタルサイネージの5箇条に照らしてみても、ちょっとどうかなという感じです。
デジタルサイネージには空間デザインとの調和も重要なファクターなのではないかと感じました。
9月14日からアムステルダムの IBC 2008 を見に来ています。ヨーロッパ最大の放送機器展ということで、その規模の大きさは半端なものではありません。
その IBC で、今回初めてデジタルサイネージ・ゾーンなるものが設けられるということで、それなりに期待して見にきたのですが、実際のところは出展社数わずかに6社という非常に寂しいものでした(※カタログに載っていない出展社およびブースなしの展示、共同出展などを含めると12社です)。
さすがにこれだけでは見にきた価値がないので、広大な会場内を歩き回ってデジタルサイネージに関係のある展示をいくつか発見することができました。
それらのご紹介は帰国後になりますが、アムステルダムからひとつだけお届けするのが、3Dデジタルシネマのお話です。
会場内に 1,100人を収容する体験用の映画館があり、そこで『The Journey to the Center of the Earth』というアメリカの3Dシネマの上映会がありました。この作品は3Dシネマのために製作されたもので、専用の3Dグラスをかけて見るタイプの本格的な劇場映画です(隣席のおじさんが写真を送ってくれたので載せておきます)。

今後は3Dの映画館も増えることでしょう。3Dならではの面白い表現もいろいろと可能になりますし、楽しみではあるのですが、正面からでないと見えづらいことがあるというのがわかりました。まだ技術的に改善の余地がありそうです。
とはいえ、この体験上映会は長蛇の列ができるほどの大盛況で、ヨーロッパでも3Dへの関心の高さが伺えました。
追記:
この3D映画は、日本でも10月25日から全国ロードショーされるそうです。
ただいまロンドンに来ています。こちらでもいろいろなデジタルサイネージを見かけますが、ちょっと変わったものを中心にいくつか写真でご紹介します。
駅にあるのは普通ですが、こちらでは時刻表が電光表示されており、その隣にデジタルサイネージの大きな LED スクリーンがあります。常に大勢の人が時刻表を眺めているので、かなり効果的に思えます。
不動産屋にも付いています。夜中もずっと流れています。
路上のニューススタンドにも付いています。
床に埋め込まれているものも・・。
全英にショッピングモール・ネットワークを運営する Vision Media Group が最新型のデジタルサイネージの導入に踏み切りました。クリスマス商戦に備え、10月までにまず100台を設置。広告は Clear Channel Outdoor UK が担い、合計240枚のスクリーンで月間 5,000万人の買い物客にリーチ、年間 370万ポンド(約7億4,300万円)の収益を見込みます。
The unique Iconic Pods, which were designed by VMG’s in-house product development team which has outsourced the manufacturing to a UK-based technology company. The initial fleet of 100 units will be in situ in shopping malls across the UK ahead of the 2008 Christmas period, traditionally one of the biggest spending quarters in the advertising year.
(InvestEgate, Vision Media Group - Launch of Iconic Pods より、一部引用)
最初の100台の購入費用のうち 42万5,000ポンド(約8,500万円)を Trafalgar Capital Specialised Investment Fund が提供。以後の増設費用はこれらのメディアの運営収益から支払われる計画です。
VMG が新たに開発したデジタルサイネージ「Iconic Pods」はくさび形で、大型モニター2面に加え、タッチスクリーン式の情報キオスクを備えます。キオスク画面ではクーポンの発行、店舗への道案内、会員カードの勧誘などを行います。
くさび形の筐体はドイツの街角でも見かけました。こちらは内照式の看板とタッチスクリーンの組み合わせで、片面は周辺の地図になっており、キオスク端末ではインターネットが利用できるようになっていました。
日本にはほとんどありませんが、ヨーロッパでは街なかでインターネットの使える端末をよく見かけます。
広告以外の分野にもデジタルサイネージの用途は広がりつつあります。ヨーロッパでは企業内におけるデジタルサイネージの利用に関する本格的な研究が始まっています。
イギリスの研究機関 The Economic and Social Research Council(ESRC:経済・社会研究会議)が、企業環境におけるデジタルサイネージの与える心理学的影響に関する一連の研究に対して資金を提供すると発表。実験消費者心理学の研究者らによる3年間に渡る調査により、デジタルサイネージ・コンテンツが従業員のモラルや仕事への定着率、仕事に対する満足度などにどのような影響を与えるかを明らかにするそうです。
ますます情報過多になる現代企業においては、依然として電子メールが従業員とのコミュニケーションの中心にあるわけですが、こうした領域においてもデジタルサイネージが有効であることが科学的に証明されるのではと期待されています。
少し時間がかかりそうですが、どんな結果が出るのか楽しみですね。
LONDON — The Economic and Social Research Council (ESRC), one of Wales’ leading research-funding bodies, has awarded money for a series of pioneering studies into the psychological impact of digital signage within the corporate environment.
スペインのメーカー Venco Electronica 社が、イスラエル TruMedia 社の顔認識技術を組み込んだデジタルサイネージ用ディスプレイを発表しています。カメラを組み込んだ理由は、デジタルサイネージが成功するためには投資利益率(ROI)の正確な測定と、画面を見ている人に合わせた効果的な広告表示が鍵になるとの判断からだそうです。サイズは46〜65インチまでで縦型も用意されています。
Venco’s DS for Digital Screens division produces turnkey digital signage solutions for audience measurement and communication. Venco screens are the first to include a fully integrated audience measurement solution with built-in iCapture Camera and SmartBox. Embedded screens are available as 46-inch and 52-inch hi-definition LCD screens as well as 46-inch, 52-inch and 65-inch totems.
“We believe that the success of digital signage hinges on the ability to accurately measure ROI and effectively target advertising to the viewing audience,” said Joan Clotet, managing director, Venco.
(Hardware | Venco introduces screens with integrated audience measurement より一部引用)
TruMedia 社は顔認識技術の分野では有名で、今回組み込まれた iCapture という製品では人種、性別、年齢層などを解析することができます。ほかに人数と滞留時間を測定するソリューションなどもあります。こんな感じで顔の向きも判別しています。


本日発行の『日経マイクロデバイス』8月号に寄稿しました。ヨーロッパ市場の最新動向について書いています。
ほかに、中国のフォーカスメディア社へのインタビューもアレンジさせていただきました。同社の今後の戦略や、中国のデジタルサイネージ市場の現状と予測など、貴重な記事が載っており、参考になると思います。
例えば、2008年の中国のデジタルサイネージ(液晶広告)市場は 71億3,000万元(広告会社の事業収入金額ベース)だそうですが、日本円に換算すると 1,120億円です。これが数年内にさらに倍増する見込みだそうです。
ほかにも米国市場の最新動向や国内の成功事例などが載っています。詳細は『日経マイクロデバイス』8月号で。