日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
日本ではまだ見られないデジタルサイネージのジャンルにモバイル連携型(mobile-driven digital signage)というものがあります。
携帯電話の「万能リモコン化」が進行する中、デジタルサイネージすら携帯からコントロール可能になりつつあり、これまではタッチスクリーン技術などを使って行っていた操作が、もっと離れた場所から携帯でできるようになります。
例えばカフェに居合わせた複数の人が携帯を使ってデジタルサイネージのモニター上でチャットをしたり、スクラブルのようなゲームを競い合ったり、という具合です。これによって画面へのアテンションが上がり、引いては広告を見る時間も長くなるのだそう。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=sK9c5npH2oA]
さて、ここまでなら以前にご紹介した MegaPhone とも似ていますが、この LocaModa の場合はこれをさらにソーシャルネットワークと結びつけ、モバイル、インターネット、デジタルサイネージの3つの媒体を一体化することで、インタラクティブなマーケティングキャンペーンが実施可能なプラットフォームを提供しています。
例えば、全米のバー3万店にデジタルジュークボックスのネットワークを持つ TouchTunes 社と共同で、Beck のニューアルバム “Modern Guilt” のプレリリースキャンペーンを行った際には、携帯から SMS でテキストメッセージを送ると発売前の新曲が聴ける最寄りの TouchTunes のロケーションを知らせるというサービスを実現しました。キャンペーンの情報は Facebook、iLike、MySpace などの SNS で告知され、オンラインとリアルワールドの両方でコアなファン層にリーチすることができたそうです。(原文:Beck Pre-Releases New Album “Modern Guilt” to TouchTunes Network より一部を要約して引用)
モバイルと SNS を取り込むことで、デジタルサイネージに口コミのパワーを付け加えることができます。確かにこういう使い方であれば大きな効果が見込めそうですね。実際の調査でもよい結果が出ているそうです。
ほかにも、ユーザーが携帯から送ったテキストや写真をデジタルサイネージの画面上に表示する技術としてこんなものがあります。
たいへん面白いデジタルサイネージの事例が出てきました。わたしは2つの点で面白いと思います。
明日、7月19日から8月31日までフジテレビが開催する「お台場冒険王ファイナル」というイベントで、来場者の性別や年齢層を顔認識技術で識別し、15種類の広告を属性に合わせて配信するシステムが稼働します(NEC のプレスリリース)。
前述の通り、今回の試みが面白いといえるポイントは2つあると思うのですが、ひとつは顔認識技術が実際にコンテンツの切り替えに連動するという点、もうひとつは Felica を使ったクーポンを発行し、それが実際に使われるかどうかまでデータを取って広告効果を測定しようとしている点です。
デジタルサイネージの普及のためには広告効果をはっきり示す指標の確立が欠かせないと言われており、これまでに検討されてきたものとしては、TVと同様の視聴率などがあります。ただ、デジタルサイネージは購買の現場に近いところで広告を見せることができるため購買行動に直接的な影響を与えられるという点をメリットのひとつとしており、それを実証するためには実際にデジタルサイネージを見た人が商品を買ったのかどうか測定してみる必要があります。
今回の事例ではイベント内の店舗で利用可能なクーポンを配ることから、クーポンを使うとすればその場で使う以外にはないと考えられます。そういう場合には視聴率のような指標ではあまり意味をなさないでしょうから、効果を実際に測定して確認することができるデジタルサイネージのメリットは大きいと言えそうです。
おそらく、広告の効果は実際に画面に表示されるコンテンツによって大きく左右されるでしょう。今まではどのようなコンテンツがどのような層にどの程度の効果を上げているのかを直接測定する手段がなかったわけですから、それが可能になる意味は大きいと思われます。
また、今後 POS レジでの効果測定がリアルタイムで行われてデジタルサイネージのシステムにフィードバックされるようになれば、数パターンのコンテンツを実際に流してみて最も効果のあったコンテンツを自動的に採用するとか、効果の上がらない時間帯の広告掲出は減らすか取りやめるといった使い方も可能でしょう。実はこうした機能はインターネット広告の世界ではすでに実現しているので、デジタルサイネージに適用されるのもそれほど先の話ではないものと思われます。
ところで、今回のイベント「お台場冒険王ファイナル」はフジテレビ本社屋向かいの「冒険ランド」内で行われるそうです。その中の「ゲゲゲの鬼太郎妖怪ツアーズ」というアトラクションに NEC 体験コーナーとして設けられる目玉おやじの「おい鬼太郎!わしには見えるのじゃ」で、このデジタルサイネージ・システムが見られるそうですので、現場に行かれた方はコメントやトラックバックなどしていただけると嬉しいです。
大画面であり、多人数が同時参加できるエンターテインメントコンテンツという意味で、デジタルサイネージのヒントになるかも知れません。
技術的には、画面の下に設置されたカメラで人の動きを捉えてリアルタイムに映像に反映させる仕組みのようです。
アメリカ各地の映画館で行われたものだそうですが、参加者はずいぶん楽しそうですね。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=y6izXII54Qc]
こちらも合わせてご覧ください:
一番カッコいいデジタルサイネージコンテンツのひとつではないでしょうか。
2007年の夏にニューヨークのユニオンスクエアに設置されたインタラクティブサイネージシステムです。
アートっぽいクオリティに仕上げることで、人々が楽しめて、なおかつ印象深いプロモーションや強力なブランディングメッセージの発信が可能になるという一例だと思います。
[youtube:http://youtube.com/watch?v=a-NRdyUx8Lc]
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=lrlOAxHqytw]
アメリカで衝撃的なデジタルサイネージ・コンテンツが登場。これこそ、デジタルサイネージの進むべき方向性 を指し示すものではないでしょうか。デジタルサイネージの未来を考えるとき、単にテレビや DVD と同じような動画コンテンツを流すのではなく、そこにはデジタルサイネージならではのコンテンツが生まれなければならないでしょう。歴史的に見ても、そのようなものを生み出し得たメディアだけが生き残ってきたと言えるのではないでしょうか。
MegaPhone は、携帯電話さえ持っていれば誰でも街頭の大型スクリーン内でゲームに参加できるようなプラットフォームを提供します。このシステムには人々を夢中にさせる魅力がありそうです。
こうしたモバイル連携型のデジタルサイネージは今後増えてくるのではないでしょうか。