日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
テレビ広告の減少だけが原因ではないようですが、テレビ局の収益が予想以上に悪化しているようです。
投資有価証券評価額損が含まれるので一概に言えませんが、コストが増大しているにも関わらず広告収入が減り、経費削減が追いつかないという状態になっているようです。
世界的な金融危機の影響による保有有価証券の評価損計上やテレビ広告収入の大幅減少で、日本テレビ放送網とテレビ東京が赤字に転落した。フジ・メディア・ホールディングスなど3社は減益だった。日本テレビは自動車や食品業界などのCM収入が大幅に落ち込んだため0・3%の減収。同社とテレビ東京の赤字額はそれぞれ、12億円と3億円。テレビ朝日はリーマン・ブラザーズのグループ会社が発行した債券などの評価損で約11億円の特別損失を計上した。
(テレビ局決算:テレ東、日テレが赤字転落 - 毎日jp より、一部引用)
地方局の状況はもっと厳しいのではないでしょうか。マス広告媒体から新たな価値を提供する存在への転換が必要です。デジタルサイネージを使って地元密着型の情報メディアに変身するというのはどうでしょう。
アメリカではローカル広告だけを扱ってうまく回っているデジタルサイネージネットワークも存在すると聞きます。ナショナルクライアントの全国キャンペーンだけではないということです。
最近発表された4つの予測資料によると、デジタルサイネージのハードウェアおよび OOH ビデオ広告市場の先行きは明るく、2012年まで堅調な成長が期待できるとのことです。
今年の世界のデジタルアウトオブホーム市場は 12.8%の成長で 61.1億ドル(約6,000億円)に達する見込み。昨年の 22.6%よりは鈍化したものの、2007年から2012年までの平均成長率は 14.5%との予測です(PQ Media 調べ)。
The forecasts for digital signage hardware and out-of-home (OOH) video advertising sales recently issued by four independent research firms paint a bright picture for an industry that has emerged as the dynamic Fourth Screen in communications and advertising.
(Studies Forecast Steady Growth in Digital Signage Hardware and Advertising Sales より、一部引用)
世界の 40%近くを占める米国のデジタルサイネージ市場は、昨年比 11.2%の成長となる 24.3億ドル(約 2,300億円)で、今後はロシア、インド、中国、ブラジル、オーストラリアといった国々の成長により米国の比重は低下するものと予想される。
アメリカでは今年 8.1%の成長となるビデオ広告ネットワークが OOH 市場の中で最大の割合を占め、これにはデジタルビルボードやアンビエント広告プラットフォームも含まれるが、単体では 28.2% 成長のデジタルビルボードが最も高い成長率を示しており、2012年まで引き続き 20%台を維持する見込み。一方アンビエント広告プラットフォームや場所ベース(place-based)メディアは今年 6.8%の成長率となった。
景気減退の影響については、広告業界ですでに始まっているメディアシフトがさらに加速し、デジタル OOH への遷移が促進されるとの見方が出ている。広告主は広告への出費を控えるだけでなく、より効果的な方法を求めているため。
ヨーロッパ市場に関する別の調査(Goldmedia 調べ)では、2007年からの5年間でデジタル OOH 広告の売上高は 約 204百万ドル(約 200億円)から 797百万ドル(約 780億円)へと4倍増し、OOH 広告市場全体の1割程度を占めるまでになるとの予測。また従来の広告媒体のうち、今後5年間に広告費の増加が見込めるのは OOH セクションのみという予測結果となっている。
MultiMedia Intelligence 発表の調査によれば、今年のデジタルサイネージ用ディスプレイの出荷台数は 34%増の 110万台に上り、2012年までには 230万台に達する見込み。2009年には成長の鈍化が予想されるものの、2010年には二桁台の成長を回復すると見られる。今年はオリンピック需要の後押しを受けて中国がついに米国を抜いてトップとなった。業種別のトップ3はリテール、交通、レストラン&バーとなっており、教育や企業内コミュニケーション用も伸びているという。
ソフトウェア、ハードウェア、および設置や運用サービスまでを含めた包括的な調査(ABI Research 調べ)によると、2008年から2013年のアメリカ市場は 641百万ドル(約 630億円)から 14億ドル(約 1350億円)近くにまで成長する。今後12〜14ヶ月は経済不況が予測されるものの、新しい強力な広告媒体としてのデジタルサイネージにとってはむしろ成長の好機となると同調査では見ている。
いずれの調査でも、購買の現場で消費者にアプローチできる点や、従来メディアでは不可能だった高度なターゲティング、インタラクティビティを含めた コミュニケーションメディアとしての優位性といった、デジタルサイネージならではの特徴を高く評価しており、こうした新しい広告手段に対する広告主側の ニーズの高まりから、経済不況もむしろ追い風として作用するのではないかとの予測となっています。
トロントに拠点を置く MyScreen 社は、携帯電話への広告配信ビジネスを展開しています。
携帯電話ユーザーは年齢層や性別、興味などのプロフィール情報を登録した上で広告を視聴することによって報酬を得ることができるというシステムで、広告は通話の後や SMS 中の画面下部など邪魔にならない形で表示される仕組みになっています。
MyScreen 社では最近 Orascom Telecom 社から株式の10%に当たる 1,000万ドルの資金調達に成功したほか、業界14位の広告代理店 Zimmerman Advertising 社とも広告販売委託の提携を結びました。
eMarketer の予測ではモバイル広告市場は 2012年までに 200億ドルに成長し、ウェブ広告を抜くだろうと言われています。個人のプロフィール情報や位置情報の利用が可能なことから有望な広告手段として期待されているわけです。
Toronto based MyScreen, the company who call the mobile phone ‘the billboard of the future’, have tied up with Omnicom unit Zimmerman Advertising, to build the brand globally and undertake media advertising sales on their behalf.
MyScreen is an advertising concept that puts non-intrusive rich media onto user’s mobile phones - either at the end of a call, or at the bottom of an SMS. In return the mobile user is compensated.
(MyScreen’s Links With Ominicom To Put Digital Signage On The Move より、一部引用)
また、モバイル TV およびモバイルビデオに関する NSR の最新の調査によれば、モバイル TV のユーザー数は 2013年には5億6,600万人となり、90億ドルの収益をもたらすだろうとのことです。
課題はデジタルサイネージと同じく効果測定と標準化だと言われていますが、デジタルサイネージとモバイル広告は、いずれ TV とウェブという2大スクリーンメディアを追い抜くものと思われます。
A new report fro NSR - ‘Mobile TV and Mobile Video, 2nd Edition - A Complete 360-degree Analysis’ - indicates that mobile TV is set to experience ten-fold growth over the next 5 years (to 566 million users in 2013) and that supporting revenues will hit $9 billion by the end of the same period.
(NSR Report Puts Mobile Broadcasting Revenues At $9B By 2013 より、一部引用)
IT 産業をテコに急成長を続けるインドでは、デジタルサイネージの導入も活発に進んでいます。
2007年のインドのリテール・デジタルサイネージ市場は約 5,000万ドルで、前年と比べて 50%の成長を示しましたが、2008年も引き続き 50%の成長となる見込みだということです。
私自身がインドで取材した中でも、創業1年ですでに2,500カ所以上にネットワークを広げている会社などがあり、成長の勢いはものすごいです。
Spending on retail digital signage in India has grown 50% in 2007, to almost $50M. The figures include space not only in malls now but also on Store TV, cinema theatres, departmental stores and supermarkets.
“Retail media, has witnessed 300 million spends in supermarkets alone,” said GroupM COO South Asia Vikram Sakhuja. According to the advertising industry they are expecting further 50% growth in 2008.
全米 12,000の病院の待合室をネットワークし、年間1億4,000万人の患者へのリーチを持つアメリカ最大のヘルスケアTVネットワーク AccentHealth がプライベート・エクイティ・ファームに買収されました。
AccentHealth は 1995年から病院を訪れる患者向けの健康関連教育番組を放送しており、Point-of-Care の OOH メディアとして消費者向け製品の広告も流しています。
今回の買収は、デジタル OOH 広告メディアの急拡大を受けて、健康関連広告分野でのポジションを固めるためにネットワークのデジタルサイネージ化を急ぐ狙いがあり、病院の患者というセグメント化された広告媒体としての成長を見越してのものと考えられます。
旧来のマス媒体に変わる広告媒体として、セグメント化されたデジタルサイネージ・ネットワークが本命視されてきているようですね。
さらには、行政が Point-of-Care での教育を重視し始めていることもこの分野への投資の追い風になっているものと思われます。
Private equity firms M/C Venture Partners (M/C) and Banc of America Capital Investors (BACI) today announced that they have partnered to jointly acquire AccentHealth, the leading digital out-of-home media company providing patient health education in physician offices nationwide, from Ascent Media Corp., a subsidiary of Discovery Holding Company.
(M/C Venture Partners and Banc of America Capital Investors Acquire AccentHealth - FOXBusiness.com より、一部引用)
アメリカではデジタルサイネージのコンテンツ市場が伸びているようです。
全米のオフィスビル、ガソリンスタンド、エレベーター、病院、銀行、屋外ビルボードなどにコンテンツを提供する米 Data Call Technologies社 の決算報告によると、同社の売上高は2007年の実績に比べて 180% 増の大幅な成長を記録しました。第4四半期には $1,100,000 の売り上げを見込み、黒字化を果たすという予測だそうです。
デジタルサイネージ業界でコンテンツの重要性が認識され、コンテンツ市場が活性化してきた結果と見られます。
Data Call Technologies, the US listed content provider for the Digital Signage Industry, has announced its first and second quarter results for 2008 recording siginificant increases on the previous year. The company provides content for screens in office buildings, gas stations, elevators, hospitals, banks, as well as digital outdoor billboards throughout the country.
Sales revenue for the 3 and 6 months ended June 30, 2008 were $83,745 and $154,372, respectively, compared to $47,373 and $55,413 - an increase of 77% and 180% from the same period in 2007.
(aka.tv - Data Call Increases Digital Signage Content Revenues By 180% より、一部引用)
デジタルサイネージ市場の好調な伸びを裏付ける調査結果が富士キメラ総研から発表されています。
2007年にデジタル・サイネージに利用されたディスプレイ数は10万2,630台で、全ディスプレイ数の約27.3%を占めている。前回の調査となる2006年に比べて数量ベースで175.2%増加し、比率も約7%上昇している。金額ベースでは同130%の約210億円。ディスプレイ/システムの低コスト化に加え、表示コンテンツの簡易制作ツール/スケジューリングソフトや配信専門業者/ASPサービスの増加等の要因を背景に今後の更なる需要拡大が期待されている。
(業務用映像機器、需要拡大の一方金額ベースでは横ばい、デジタル・サイネージが急拡大:Enterprise:RBB TODAY より一部引用)
記事によれば「2007年のデジタル・サイネージ市場は、映像配信システム、配信非対応ディスプレイ、映像配信サービス/ビジネス市場の合計316億円」 とのことですが、そのうち今後の伸びが最も期待されるのは映像配信サービス/ビジネスのセクションという予測になっています。
機器/システムの低価格化が続くということでしょうが、デジタルサイネージが定着するためには導入コストのさらなる低減が追い風になりますし、導入設置、コンテンツ制作、運営/保守といった関連ビジネスも含めて、デジタルサイネージ市場全体としては成長が期待できそうです。