日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
イギリスの OOH 広告プランニング・買い付け代理業の Posterscope 社はデジタルサイネージ媒体の計測・比較システム Prism の新バージョンを発表しました。
新しい Prism Screen 2.0 ではデジタル OOH メディアについて、通行量の他に様々なファクターを加味した「インパクト・スコア」を算出できます。Posterscope では、このツールによって非常に細切れだったデジタル OOH 市場が、一貫したまとまりのあるものとして扱えるようになるとしています。
同社では英国のデジタル OOH 市場は 2010年には2007年の規模から倍増して 6,900万ポンド(約100億円)になると見ています。
デジタルサイネージの媒体が地区毎・業種毎に細かく分断されているのはどこの国でも同じ状況で、これをいかにしてまとめるかというのがひとつのビジネスチャンスになっています。
UK out-of-home planning and buying agency Posterscope has introduced a new version of its Prism system for measuring and comparing digital-signage media.
(UK’s Posterscope develops digital OOH planning tool より、一部引用)
バラバラに存在する中小のデジタルサイネージ媒体をまとめようという動きがイギリスでも始まっています。
CBS Outdoor の 前 CEO が立ち上げた Digicom 社では、100以上の中小ネットワークが運営する 13万枚のスクリーンをまとめて、広告主が全国規模のキャンペーンを展開できるような広告媒体として機能させようとしています。
アメリカにはすでに SeeSaw Network のような先行事例がありますが、ほかの国々でも同じような仕組みができてくるのは間違いないでしょう。
日本ではちょっとアプローチが異なりますが、11月末から NTT の関連会社などがデジタルサイネージの配信管理システムのフィールド実験を始めています。
A team of outdoor industry ‘names’ have collected together to form a national media sales house for the UK digital signage and out-of-home markets.
(New Team Aims To Bring National Advertisers To UK Digital Signage より、一部引用)
米 SeeSaw Networks は、40のデジタルサイネージ・ネットワークをアグリゲートし、週あたり 5,000万インプレッションを誇る巨大な OOH メディアを構築するだけでなく、広告メディアの比較から広告枠の購入、リアルタイムでの効果測定までを一貫してオンライン提供しています。
広告主や広告代理店は、これらのツールを自由に使って、求めるターゲット層にリーチできる広告キャンペーンを計画し、すぐさま実行に移すことが可能です。全国規模からローカル広告までスケールも自在です。
カテゴリーは、バー&レストラン、書店、ホテル&カジノ、コーヒーショップ、コンビニ、医院、空港、ガソリンスタンド、食料雑貨店、ヘルスクラブ、ショッピングモール、スポーツバー、大学など 30以上に及び、これらのカテゴリーを横断してライフパターン・マーケティングと呼ばれる新しい広告手法を実践することもできるようになっています。
アメリカにはデジタルサイネージのネットワークが数百も存在すると言われており、これらのネットワークを個別に組み合わせて広告戦略を展開するのは非常に大変ですが、SeeSaw Networks ではそうした複雑な作業を簡単にこなせるような枠組みを提供しているわけです。
SeeSaw Networks では最近新たに4つのスポーツ系ネットワークを加え、月間 6,000万インプレッションを追加しましたが、今後もまだまだ拡大しそうな勢いです。
自らメディアを持つ以外にも、こうしたネットワーク・アグゲーションも有望なビジネスモデルになりそうですね。
With the addition of OnSite Network, ONTrack, The Bar Network and a national sports event network, SeeSaw has extended its network of places where people go to deliver nearly 60 million impressions a month to sports fans at bars, restaurants, sports bars, casinos, horse racing tracks, health clubs, college campuses or at large sporting events.
(SeeSaw Reaches Sports Fans With Four New Networks : SeeSaw Networks より、一部引用)
この秋から日本初のオンライン広告取引市場(総合アドマーケットプレイス)のサービスが始まるそうですね。
コンテンツを遠隔地から瞬時に切り替えられるというデジタルサイネージの特徴は、オンライン取引との親和性が高いように思います。現状ではデジタルサイネージを使った広告媒体はまだまだ少ないですが、アメリカではすでに「Google TV Ads」によってテレビ広告がオンラインで取引できるようになっていますし、デジタルサイネージも同じようになるのは間違いないでしょう。オンライン取引がもたらすロングテール効果を考えれば、全く値段の付かないサイネージ媒体というのはほとんどなくなるのではないでしょうか。
とはいえ、デジタルサイネージに適したコンテンツのスタイルがそれなりに確立され、その費用対効果に関するデータがある程度揃わない限り、広告媒体として定着することはないと思います。
まずはコンテンツに関する実証実験をもっと積極的に行う必要があるように思うのですが。既存の広告メディアのみならず、ウェブや仮想世界で活躍しているクリエイターなど、もっと多くの人を巻き込んでアイディアを集める必要があるように思います。「新しくて、面白いメディア」としてのデジタルサイネージを実際に体験してもらう機会を増やすべきでしょう。
セプテーニ・クロスゲートは、アドネットワークサービス「xmax(クロスマックス)」を、総合アドマーケットプレイスサービスとしてリニューアルし、今秋に提供を開始することを発表。広告主・メディア・広告代理店・法人・個人に関わらず、すべての関係者が市場原理に即した形態・価格により広告関連取引を行う新たな総合アドマーケットプレイスとして運営する。
リニューアル後のxmaxでは、インターネット広告のほか、新聞・ラジオ・雑誌・フリーマガジンなど、あらゆるメディアの広告取引のすべてをオンライン上で完結することが可能。展開する出稿形態、課金手段についても、従来の成果報酬型課金に加え、純広告・クリック保証・PPC(pay per call)などのメニューをそろえ、支払方法も、銀行振込・クレジットカードなどに対応する。
(クロスゲート、全メディアの広告取引を可能にする総合アドマーケットプレイスを今秋オープン:MarkeZine(マーケジン)より、一部引用)