日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
イギリスのCelltick社から”idle screen“なるものが登場しています。携帯電話の待ち受け画面をデジタルサイネージとして使おうというソリューションです。

広告宣伝のコンテンツを、携帯が使われていないアイドル時に配信するシステムで、35を超える携帯ネットワークがこのLiveScreen Mediaを導入しています。
ユーザー1人当たりの収益が減っている状況下、このトレンドを覆す、というのがCelltick社の狙いです。同社によると、ユーザー当たりの月間収益を、付加価値サービスで30%も引き上げることができ、またWAPやSMSなどのデータサービスの利用を20%アップさせることができる、としています。
Celltick社として、全体で2000万人超のユーザーを抱えていて、ほとんど男性かつ35歳以下。広告は、その年齢層をターゲットし、反応のパターン統計、場所、時間帯に応じて最適化することができます。
採用企業には、アメリカン・エクスプレス、コカコーラ、ホンダ、ユニリーバも。
Celltick社は今年頭、LiveScreen.comという、ウェブベースの広告登録システムを立上げました。いわゆるロングテール効果を狙い、小規模の広告主を引き込む作戦です。
携帯電話は情報端末として今度ますます発展していくことは間違いなく、携帯をサイネージ用途に使うソリューションも普及してきています。大手企業だけでなく、いろんなサイズのビジネスで、販促ツールとして活用できそうです。また商業ベースだけではなく、これからの情報発信のあり方として、いろんな可能性が考えられそうですね。
(IN DEPTH: Micro-targeting through the mobile screen から一部引用)
中国最大手デジタルサイネージ運営会社フォーカス・メディア・ホールディング社(分衆伝媒)が、インターネット広告事業、映画館向けの広告ネットワーク事業などを除き、その急成長の基盤となったビルや店舗向けのデジタルサイネージ事業を売却することになりました。買主は、中国の大手ポータル運営会社SINA Corporation(新浪)であり、2009年第2四半期末までに売却が完了する予定です。
2008年12月22日の発表によれば、SINA Corporation社が買収する事業は、2008年第3四半期のフォーカス・メディア・ホールディング社の業績において、売上高224.8百万米ドルの52%、粗利益109.7百万米ドルの73%を稼ぎ出している部門です。シーナ・コーポレーション社は、買収代金として4,700万株の自社の新株をフォーカス・メディア・ホールディング社に割り当て、それらの株式は既存のフォーカス・メディア・ホールディング社の株主に分配される予定です。この買収が発表された時点では、シーナ・コーポレーション社の株価から、13.7億米ドルの買収価値と算出されましたが、この発表直後からシーナ・コーポレーション社の株価は下がり続け、12月24日終値では10.8億米ドルまで下落しています。株式市場は、この買収をネガティブに見ていると言えます。
フォーカス・メディア・ホールディング社のCEOのTan Zhi氏はSINAのコンテンツの強さとデジタルサイネージの機能を活用する事により、合併後は事業のシナジーによりお客様により良いサービスを提供し、中国のメディア産業で競争力を持つと語っています。しかし、フォーカス・メディア・ホールディング社の91都市に展開する120,131枚(2008年第3四半期末現在、自社保有分は114,300枚)のLCDは、ネットワークで繋がっておらず、コンテンツの一括配信・管理は出来ない状態です。シーナ・コーポレーション社が、このネットワークにどんな価値を見出しているのは不明です。
しかし、世界的規模の不況の底が見えない現在、もう少し時間をかけて検討する選択肢もあったはずです。仮に、シーナ・コーポレーション社がデューデリジェンスを十分に行わず、この買収を急いだとしたら、その要因になったのは、Bloomberg.comの記事でも指摘された他の買収者の存在があります。
Sina Corp., operator of China’s biggest Web portal, may buy part of Focus Media Holding Ltd. for about $1 billion to expand into non-Internet advertising, four people familiar with the matter said
2008年12月19日、Google Incがフォーカス・メディア・ホールディング社を買収するという噂が流れ、株価は19%上昇しました。また、Google Incの前には、フォーカス・メディア・ホールディング社は、Microsoft Corporationと買収に関する話合いを持ったと言われています。シーナ・コーポレーション社にとって、資金力のある競争会社に勝つため、即断即決が求められたとも考えられます。
11月12日にシーナ・コーポレーション社は、2008年第3四半期売上高は、前年同期比64%増の105.4百万米ドル、同純利益が、前年同期比28%増の22百万米ドルと発表しました。しかし、北京オリンピック終了後、経営環境は悪化しており、同日にシーナ・コーポレーション社は、第4四半期の売上高が98~101百万米ドルのレンジになると発表しており、2009年は更なる落ち込みが予想されており、新たな収益基盤としてフォーカス・メディア・ホールディング社の事業獲得は最重要課題でしょう。(98百万米ドルの場合は前年同期比7%減)
一方、フォーカス・メディア・ホールディング社は、11月10日に2008年第3四半期売上高は、前年同期比63.7%増の224.8百万米ドル、同純利益が、前年同期比10%増の51.4百万米ドルと発表しました。しかし、こちらは、シーナ・コーポレーション社以上に財務状況が悪化する可能性があります。
その根拠は、2008年4月10日、フォーカス・メディア・ホールディング社は、その子会社が行っていた個人情報を無断で利用してきたテキストメッセージ広告事業を見直し、売上計画も、従来の900~930百万米ドルのレンジから860~890百万米ドルのレンジへ下方修正したことです。この事件が及ぼした影響は、業績だけで留まらず、フォーカス・メディア・ホールディング社に対する広告主と消費者の信頼を損ない、株価は大きく下がり、創業者兼CEOの江南春氏も事業拡大の意欲を喪失したと言われています。身売りせざるを得ない理由があるのです。
北京でもガソリンスタンドに車列!!中国人の個人情報意識に火を点けたケータイ・ダイレクト・メール
(北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地より一部引用)
前年比64%を売上げる急成長中の企業が成長の要であるはずの事業を売却する、一見意外に見える展開ですが、矢継ぎ早の買収による急成長の足元は意外に脆いようで、買収後は円滑ではなく、システム統合がうまくいかない等のトラブル続きの様子です。コンテンツ、インフラ、すべてを包括したソリューション提供が求められるこの分野で、企業の核となる強み(いわゆるコアコンピタンス)が追い付けないほどのスピードでの成長が今回の売却を生んだと言えます。
フォーカスメディア社のCEO,Tan Zhi氏が語るようにこの売却が幸福なマリアージュとなるか今後の状況を注目して見ていきたいところです。
デジタルサイネージと携帯電話は、互いに弱点を補完し合い利点を活かし合うことができる最高の組み合わせだと考えられます。
世界の携帯電話人口はすでに 30億人を超え、2013年中には 55億人に達すると見られており、非常に影響力のあるメディアになってきています。とはいえ事業者がユーザーの携帯画面に強制的に広告を表示させることは難しいため、クーポンや商品情報へのアクセス方法をユーザーに伝えるためには、雑誌やポスター、デジタルサイネージなどのメディアに頼らざるを得ません。
一方、デジタルサイネージの広告効果は視聴者が画面を見ている間に限定されてしまいますが、その場で視聴者の携帯電話にメールやクーポンなどをダウンロードしてもらうことができれば、視聴者が後からその情報にアクセスしたり、ほかの人に転送したりすることも可能になります。
消費者は具体的なメリットを求めるので、クーポンの提供やくじ引きへの参加、賞品付きのゲームの提供などが有効です。デジタルサイネージによって効果的にキャンペーンを告知し、携帯電話を使って参加してもらうことで、広告効果を飛躍的に高めることが可能になります。またキャンペーンへの参加者から様々なフィードバックを得ることも可能です。
こうしたキャンペーンの実施もソフトウェアの利用によって自動化できる部分が増えており、費用も最小限に抑えられることから、今後はデジタルサイネージと携帯電話を連携させる使い方が増えてくるでしょう。
The proliferation of mobile devices provides place-based digital signage marketers a unique opportunity for extending their ads beyond the screen.
(The Power of Convergence: Digital Signage Meets Mobile より、一部引用)
映画館広告(シネアド)最大手の豪 Val Morgan 社が、デジタルサイネージ・ネットワークを運用する Outpost Media 社を買収しました。
映画館のシネコン化に伴って大型ショッピングモール内に映画館が設けられることが増えており、リテールの現場との近接性から映画館での広告が再び注目されています。映画館のメディアとショッピングモールのメディアを連携させることでより効果的な広告が展開できそうです。
Outpost Media はオーストラリア全土 39カ所のショッピングモールに 320面のデジタルサイネージ・ネットワークを持っており、シネアド大手の Val Morgan による買収は納得できますね。Val Morgan は 1,600画面のシネマスクリーンに広告枠を持っており、300台の大型プラズマディスプレイをシネコンに導入する計画も発表しています。今後は Val Morgan Retail Media という新しいブランド名で展開します。
Val Morgan, the largest cinema advertising group in Australia, has acquired Outpost Media - the digital signage company that manages a network of more than 320 screens in 39 Shopping Malls across Australia.
(Val Morgan Acquires Outpost Media’s Mall Digital Signage より、一部引用)
ロシア連邦、シベリアの中心都市ノヴォシビルスク(写真)で、カーディーラー向けのデジタルサイネージ・ネットワークを独占する DizayMastera 社が広告価格の大幅値上げを発表して物議をかもしています。
DizayMastera では来年1月から広告枠の単位を 10ないし 15スクリーン毎のパッケージ制に切替え、それに伴って1画面あたりの価格を現在の約2倍の月額2万ルーブル(約7万円)にすると発表しました。
カーディーラー協会ではまとめ買いなのだから価格を下げるべきだと抗議していますが、メディア側はパッケージ化によって広告効果が増大すると主張しています。
DizayMastera 社は市内のすべてのディーラーのデジタルサイネージを押さえているということで、かなり強気ですね。
A dramatic increase in digital-signage advertising rates in the Siberian city of Novosibirsk has upset local car dealers which host screens and earn revenue from them.
(Siberian firms say OOH ratecard hike deters advertisers より、一部引用)
雑誌社にとって、デジタルサイネージ・ネットワークと提携するメリットとはなんでしょうか?
オーストラリアで Marie Claire、Men’s Health などの雑誌を発行する Pacific Magazines 社は、デジタル OOH メディアの PDM と独占的パートナーシップを結びました。Pacific Magazines では、クライアントである広告主企業に対し、雑誌でのキャンペーンにデジタルサイネージ・ネットワークを加えたクロスプラットフォームな広告機会を提供できるユニークなメディアとして付加価値を高めることができると考えています。雑誌の読者である若い消費者層にリーチできる媒体は少ないため、デジタルサイネージ・ネットワークに期待が集まっているようです。
PDM, provider of out-of-home digital media, has announced the launch of an exclusive partnership with consumer magazine publisher Pacific Magazines, providing advertisers with a unique cross-platform media opportunity.
日本でも居酒屋チェーンなどでタッチパネル式のオーダー端末を導入しているところがありますが、欧米ではさらに支払い機能まで付いたものが主流になるかも知れません。
クレジットカードやデビッドカードでの支払いには、スキミング(不正コピー)や不正請求などの不安があるという人もいるでしょう。テーブルに設置された端末で自分で支払いができればそうした心配はなくなります。また支払いのために店員を呼んだり、待たされる必要もありません。
タッチパネル式のオーダー用端末には広告や販促用のコンテンツを流すことも可能なので(デジタルサイネージですね)、顧客体験の向上とレストランの売上向上を同時に狙えるということで、導入が進んでいるようです。
デジタルサイネージとセルフサービステクノロジーは親和性が高く、組み合わせが有効だと思われます。
While some quick-service chains such as Jack in the Box are testing self-service kiosks located near the service counter, the trend among most fast casual chains leans toward pay-at-the-table options. Boston-based Legal Seafoods has pay-at-the-table devices at more than a dozen of its restaurants, with plans to introduce the devices in all locations by the end of the year.