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「建築」アーカイブ(デジタルサイネージ総研ブログ)


コンテンツが建築を表現する!! 第3回

2009-07-30 :, , , , , , , : Minoru Bando : 195 views

前回は、2つの事例を紹介しました。

Blinken Lightsのコンテンツは、多方面からの相互アクセスを武器に建築ファサードをみんなで楽しめる遊び場にかえています。ソフトウェアがあり、それにアクセスする誰かと、その誰かと対戦する、またはメッセージを受け取るそのまた誰か。人の流れがサークル状になっています。場の活性化には大いに役立つと思いますが、この効果はやはりイベント、テンポラリーであるがゆえではないでしょうか。面白い仕掛けも毎日当たり前にそこにあれば、飽きられてくるでしょう。

そして、バイエル製薬のプロジェクト。
まだ完成していませんが、すでに一部から個人の意識への刷り込みにつながるのではないかと危惧されています。
そもそも広告は、それを意図してみる人、意図してみない人へ潜在的に商材をアピールするためにあるものでしょう。しかしテレビやインターネットではなく、スイッチをつけなくても目に入る公共空間において、このようなコンテンツが印象的な建築と一体化していくとどのような影響を及ぼすのでしょう。

この2点は『コンテンツに問われる役割』を考えるうえで、頭を悩ますところではないでしょうか?

2008年のメディアファサードフェスティバル@ベルリンでもこの点に関しては、活発な意見の交換がおこなわれていました。
それぞれの立ち位置によって意見は異なりますが、CMAというMedia とArchitectureをインテグレートする建築プロジェクトをさらに推し進めていくには、相互の理解を深めていかなければいけないでしょう。そういう意味で、さまざまな分野の人たちが参加した今回のフェステイバルは非常に有益であったと思います。

また、2008年は、新規高層建築の開発が盛んなベルリンに場所を移したことで、2007年にスピーカーたちが取り上げたプロジェクトをより具体的に分析し、それらを実現可能にした実機の展示も可能とし、より総合的に紹介する大きな場となりました。

ちなみに会場は、ベルリン・ドイツ建築センター。かつて黒川紀章氏の『Metabolism and Symbiosis』の展覧会が行われた場所です。


もちろん、コンテンツに寄りすぎることなく、より多様化・複雑化する建築にどのように技術が応えていくのかも引き続き大きなテーマでしょう。この場で初のお披露目となる新製品はありませんでしたが、印象としては、より収まりの美しいものや、高額案件になりがちなものをスペック、価格ともに納得できるものに落とせる製品が提示されていました。

最終回では、その中の一つをとりあげてみたいと思います。
それではまた次回。

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コンテンツが建築を表現する!  第2回目

2009-07-03 :, , , , , , , : paul : 296 views

照明によって照らし出されるだけだった建築ファサードは、ファサード自身が発光し(ディスプレイ)、頭脳を持つ(データー送出)ようになりました。映像と構造体の建築的関係の様変わりは、単に完成した建築の視覚的外観だけではなく、プランニングや建築工事過程においても非常に重要な密接関係にあります。

日本の各都市では、まだまだ箱物的な大型LEDビジョンが主流です。そこに流れるコンテンツは情報や広告が多く、建築と結びつきのある内容や建築の所有者である企業のあり方を示唆するようなものではありません。それゆえ、情報の垂れ流しとなり、知的な遊びの感じられないものになっているのも事実です。

2007年のMedia Architecture Conferenceの参加者やパネラーは欧州出身者が多く、欧州の土壌は日本よりもずっとアートや公共性に理解や重きをおいていると思います。

そこで、今回はCMA(Creative Media Architecture) の2つの実例をご紹介したいと思います。一つ目は、会議でもパネリストとして参加されていたBlinken Lightsの2001年、2002年の実例です。少し古いので、さまざまな媒体ですでに目にされている方々も多いかと思います。建物のある場とその街にくらす人たちをつなぐ楽しいコンテンツです。
常設ではなく、期間限定のコンテンツということで成り立つものですが・・・・

【Blinkenlights】 期間:2001年9月~2002年2月 / 2003年12月~2004年1月
アレキサンダー広場前/ベルリン

14×8個の窓を使いそのビルの壁面が、ピクセル数144のスクリーンとなる。一般ユーザーは、ブリンケンペイントのソフトをダウンロードし、誰でも簡単にアニメーションが作れるようにした。各窓の後ろに、光源として、スダンド型のスポットライトが仕込んである。また、窓は内側より白くペイントされている。

予想外の反響で、ピンポンゲームとブリンケンラブレターというあらたな企画を立ち上げる。ピンポンゲームは携帯を使って、コンピューターもしくは、自分の友人を相手にスクリーン上でゲームを楽しめる。また、ラブレターは、事前にアクセスコードをもらい、それにより、時間指定で自分のメッセージ付アニメーションを流すことができる。簡単なソフトで分かりやすい絵がつくれるということで、非常に注目を浴びるスポットと化した。

【Arcade】
期間:2002年9月~10月
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セーヌ川ほとり、フランス図書館の1棟のファサードを使用。ベルリンのバージョンアップで、20×26個の窓を使ったピクセル数520、スクリーン面積33720㎡ このスクリーンに変身したビルの大壁面で、携帯を使ってリアルタイムにテトリスゲームが楽しめる。また、このアーケドペイントというオリジナルソフトを使うと、一般ユーザーは絵やアニメーションを作成でき、それをE-mailで送ることで、大スクリーンに反映され、他者と共有し楽しむことができる。           

二つ目の実例は、現在進行形のプロジェクトです。
ドイツ/バイエル製薬の旧本社を取り壊さずに、新たなシンボルとしてLED彫刻にリノベーションするという豪快なもの。
表面積17500㎡は、LEDをマウントしたステンレス素材で覆いつくされ、そのLED数は350万個を越える。バイエル製薬の、革新的で日々研鑽を積む姿勢と常に変わるメディアファサード上の映像がリンクするようです。ただ、これに関しては、いつでもどこでもバイエル社のイメージを目にすることとなり、自分の意思とは無関係に「バイエル製薬」が刷り込まれるではないかと反対意見もあがっているそうです。
工事状況がこちらのyoutubeから見られます。
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メディアが建築さらにはパーソナルスペースにまで、今よりもずっと深くインテグレートするようになれば、流れるコンテンツにも新たに規制などが課せられるかもしれませんね。消費者の購買意欲に入り込み、刺激するデジタルサイネージのコンテンツは今後どのように変容していくのでしょうね。

それではまた次回。

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コンテンツが建築を表現する

2009-06-23 :, , , , , , , : paul : 385 views

このブログでも何度か取りあげられているMedia ArchitectureやMedia Façade.緩やかな枠組みで、この新たなシーン:CMA (Creative Media Architecture)をさらなるMediaとArchitectureのインテグレートにつなげようとする団体がMAGことMedia Architecture Groupです。

主にヨーロッパで活躍するリサーチャーや、大学教授、メディアアーティストが中心となり、ここ10年間で、時代の潮流に乗るようになったメデイア建築やインスタレーションを世界に発信しています。

2007年に世界でも初めて”Media Architecture Conference”と銘うったシンポジウムをロンドンで開催しました。この”Media Architecture” @ London, 2008年のMedia Façade Festival @ Berlinの様子などを数回にわたり、ご紹介していきたいと思います。

2007年の”Media Architecture”は、開催時期をPLASA(プロ照明・音響・映像の展示会)とあわせ、ハードウェアメーカーやコンテンツ製作会社、建築家や構造設計事務所など欧州を中心に80名程度が参加しました。アジアからの参加者は私だけでしたが・・・。

カンフェレンスの主旨は、『単なる大型LED ビジョンとは一線を画し、新たな分野・メディアアーキテクチャという建築と一体化したものに関して相互理解を深め、今後の更なる展開を見出す場とする』というもので、最新の実績や現実的なアプローチが紹介されました。

スピーカー及び参加者は、大型LED ビジョンを箱ものから情報をただ垂れ流すものとして捉え、メディアアーキテクチャはメディアが建築の素材として融合され、建築そのものとして存在し、そこで描き出されるコンテンツも建築となりうるものと捉えています。

つまり、映像は建築的要素の一つとなり、今後ますます建築環境におけるメディアの存在が増していくだろうという見解です。

ここで一つ、カンファレンスでも紹介されていた実績を。Uniqa タワー
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昨今、巷を賑わせているデジタルサイネージとは少し趣きが違うかとは思いますが、新たな切り口の発見と次世代のCMA (Creative Media Architecture)につながればいいですね。
それではまた次回。

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世界初、デジタルブリックウォールで建物の壁全体がサイネージに

2009-05-14 :, , , , , : tsuge : 696 views

建物全体をディスプレイにしてしまおうという発想(Media Architecture)が最近出てきていますが、今回はイスラエルと日本のコラボレーションによる、画期的なデジタルブリックウォール(Digital Brick Wall) 「SmartBricks」です。イスラエルMagink社の反射型ディスプレイ技術により、建築物の内壁と外壁の色と質感をデジタルに変えることができます。

Magink社の太陽光反射パネルは、以前OOH技術のグリーン化の記事でも少し紹介 しましたが、このSmartBricksはMagink社と、Denpeki Kaihatsu社による共同開発プロジェクトで、Denpeki Kaihatsu社は、非接触充電システムを開発するイスラエルPowermat社と清水建設の合弁会社です。

SmartBricksは、Magink社の世界発フルカラー反射型電子インク(digital ink)技術により、太陽の周辺光を反射して発光します。光源を必要としないので、低電力消費でハイパフォーマンス、且つ薄くて軽いデジタルウォールが実現。従来の方式と違い、昼間もきれいに見えるところも大きなポイントです。

生活環境における美学的属性への意識が高まってきている中、SmartBricksは、定期的に住環境の外観や内装を変えて人々の視覚的志向を満たします。サイネージが建築に組み込まれ、建物と一体となって空間を演出する、サイネージ自体が建物の外観になる、という新しいコンセプトが広まってきています。

Denpeki社は、Magink社のグリーン技術を効果的に安全に壁に埋め込む為のマテリアルを提供しています。
今年中の製品化を目指すとのことです。

(Magink Joins with Denpeki to Create First-Ever Digital “Brick Wall より一部引用)

なお、Denpeki社は前述のとおりPowermat社と清水建設の合弁会社ですが、このPowermat社から非接触充電の技術の提供を受け、充電機能を壁に埋め込んだElectric Wallを開発中との情報です。Powermat社の非接触充電システムは、電力の伝送効率が93%と高く、磁気結合にRFID技術を組み合わせて電力の伝送先を識別します。例えば壁掛けTVに壁から給電できるというわけです。こちらもかなり興味深いです。

ちなみにPowermat社のCEOは、Magink社の創始者であり元CEOです。07年にPowermat社を創立しました。

(HoMedics/PowerMat Enter Joint Venture to Deliver Invisible Connectivity for Safe より一部引用)

(Tech-On “【CES】「壁掛けテレビに給電できます」,Powermat社の非接触充電技術” より一部引用)

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メディア・ファサード:デジタルサイネージが景観をつくる

2008-12-29 :, , , , , , , , , , : Minoru Bando : 1,604 views

巨大なデジタルサイネージを用いて、ビルの壁面が巨大な映像装置になったような建物が世界各地にでき始めています。すでにタイムズスクエアだけの話ではなくなっているのですね。

以前、サイネージ建築(Media Architecture)の可能性という記事でメディア・アーキテクチャー(Mediaarchitecture)についてご紹介しましたが、ヨーロッパではこうした建築物の表面を使ったビデオ映像による表現が「メディア・ファサード」いうひとつのジャンルを形成しており、アートフェスティバルも開催されているという状況です。

> Mediaarchitecture » Media Facades Festival 2008

今後は、建築の一部としてデジタルサイネージが組み込まれ都市の景観を形作っていくというのが当たり前になるのかも知れません。

これはオーストリアの Graz という街の美術館に設置されたもので、蛍光灯のサークル管を使ってうねうねとした建物の壁に沿って取り付けられています。

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こちらも蛍光灯を使ったシステムで、ドイツのものです。

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次は東京の銀座にあるシャネル・ビルの壁面です。雨に合わせたコンテンツが表示されています。

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最後はマカオのカジノのビルです。ラスベガス以上に派手ですね。上の事例に比べると「電飾」的な色合いが濃くなります。メディア・ファサードというよりは看板建築という感じでしょうか。

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今後、空港は完全にデジタルサイネージ化される:ヒースロー空港ターミナル5

2008-11-17 :, , , , , , , , , , , , , : Minoru Bando : 1,724 views

今後、新しく建設される空港では、広告媒体がデジタルサイネージオンリーになるのだろうと思います。なぜなら今年3月にオープンしたロンドンのヒースロー空港ターミナル5では、従来のポスターが姿を消し、美しくデザインされた高精細のデジタルスクリーンが設置されているからです。

ヒースロー空港ターミナル5ヒースロー空港ターミナル5ヒースロー空港ターミナル5ヒースロー空港ターミナル5

この空港では、建物の設計段階からデジタルサイネージの導入が考慮されているはずで、広告枠の配置計画も含めてデザインされているため、非常に心地よい空間になっています。

表示されるコンテンツもクオリティが高く、見ていて気分のいいものが多いです。いわゆるコマーシャルというよりは、コミュニケーションあるいはインフォアートとでも呼んだ方がしっくり来るような内容です。これからの広告はこのような方向に進んで行くのではないでしょうか。

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ちなみに、このターミナルの大型 LCD モニターには全て SamsungJCDecaux のロゴが入っていました。

ヒースロー空港ターミナル5のモニターはサムスン製

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ドイツのハッカーがフランス国立図書館を1棟丸ごとデジタルサイネージ化

2008-10-23 :, , , , , , , : Minoru Bando : 709 views

パリのフランス国立図書館(Bibliothèque nationale de France)の壁面をドイツのハッカー集団 CCC がデジタルサイネージ化したプロジェクトがあります。2002年にアートプロジェクトとして行われました。

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元々はハッカーたちのユーモアがきっかけで、ベルリン市内のビルの窓を巨大なモニター画面に変えてしまった Blinkenlights というプロジェクト(2001年)が始まりです。

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その後ミュージックビデオにフィーチャーされるなどアートシーンにも多大な影響を与えたこのプロジェクトは、メディア・アーキテクチャーと呼ばれる一連の建築物や、メディア・ファサードと呼ばれるアート作品へと受け継がれて行きます。

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そして2008年10月にはカナダのトロント市で行われたオールナイト・アートイベント Nuit Blanche Tronto への招待を受け、市庁舎のツインタワーを使った Blinkenlights Stereoscope が実現しています。

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デジタルサイネージが普及するつれて、一昔前にはビデオアートと呼ばれていたようなものが日常の空間に次々と出現している現実を考えれば、現時点ではアート作品と呼ばれているこれらのメディア・アーキテクチャーも数年先には広告や看板のように一般的な存在になっているのかも知れません。

デジタルメディアによって都市の空間にアプローチを試みるメディア・ファサードについては、またあらためて取り上げたいと思います。

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