日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
モニターがないので厳密に言うとデジタルサイネージではないのでしょうが、ちょっと面白いので紹介します。
どういうものかというと、普通の(紙の)ポスターの裏に薄型のICカードリーダーが入っており、そこを携帯でタッチすると携帯画面にURLが表示され、ウェブサイトへアクセスできるというもののようです。
特徴は
ネット回線がなくてもアクセス先を随時変更できるということは、あらかじめ端末側にIDが割り当ててあり、携帯画面にはその端末IDを含むURL(固定)が表示されるのでしょう。あとはサーバー側でその端末ID毎にリダイレクト先を指定してやればいいはずです。このリダイレクト先の指定だけを、インターネット上で変更することは簡単です。
「タッチできるポスター」とでも言うべきこの製品が広告効果を証明できれば、その発展形として紙のポスターの代わりにデジタルモニターを使ったものも効果があると言えそうです。そもそも「ポスターに携帯でタッチする」という行動様式が一般化していないので、まずはその認知から始める必要があるわけで、こうした簡易な仕掛けからスタートするというのは理にかなっていると思います。
また、既存のデジタルサイネージのモニター脇にこれを設置するだけで、携帯でタッチして情報を取得できるようになりますね。デジタルサイネージの利用率や広告効果の測定方法のひとつとしても活用できそうです。
ソフィアモバイルは22日より、AC電源不要で、乾電池により稼働するデジタルサイネージ端末「naniポ!」の受注を開始した。出荷は11月頃の予定。
同社では、ICカードリーダー読取部分のみを取り外して、腕や足などの身体に巻きつけ活用するといった、イベント会場などでの使い方も提案している。
なお、naniポ!は「ワイヤレスジャパン2008」(7月22日〜24日@東京ビッグサイト)のソフィアモバイル/シアーズの共同出展ブースにて、展示されている。
(ソフィアモバイル、世界最薄コードレス型のデジタルサイネージ端末「naniポ!」を受注開始:Enterprise:RBB TODAY (ブロードバンド情報サイト) 2008/07/22 より一部引用)
デジタルサイネージの事業展開を考えるとき、ほかの情報媒体との差別化という視点は欠かせないでしょう。デジタルサイネージのもたらす便益と同等のものがほかの媒体からでも入手できるとしたら、その価値は大きく減じられてしまいます。
そのような視点から、今回は携帯端末向けのマルチメディア放送サービスを取り上げてみたいと思います。
この分野の動向としては、まず 2006年4月1日にサービスを開始したワンセグの次世代型として、1チャンネルで複数の番組を放送できるマルチワンセグメントサービスや、小出力でエリアを限定して放送するエリア・ワンセグサービスの実験が総務省指定の「ユビキタス特区」などで始まっています。
マルチワンセグメントサービスで考えられるコンテンツを大別すると,「地域情報系コンテンツ」「専門チャンネル系コンテンツ」「ビジネス系コンテンツ」の3つがある。さらにそれらと連携する形で「視聴者参加型コンテンツ」があるという(図1)。
図1●マルチワンセグメント放送で考えられるコンテンツ案
コンテンツは,市街地エリアでのリアルタイム視聴を想定した地域情報やエンタテインメント番組,外国人向け番組などが考えられている。またビジネ ス系では,複数番組を同時に放送できるマルチワンセグサービスの特性を生かして,ニュースや天気予報,株価情報など今まで通信を使って提供することが多 かったコンテンツを放送で提供する。これらに加えて,ダウンロード型の配信,さらにEコマースなどによる課金も想定している。
また、具体的なビジネスモデルの例として、デジタルメディア協会(AMD)の役員企業であるインデックスでプリンシパルを務める寺田眞治氏によれば、
例えば,音楽番組を想定すると,「携帯電話とコンテンツとしての音楽は相性が良いため,音楽専門チャンネルをCDやDVD,コンサート・チケット販 売のポータルとして考えられる」と寺田氏は説明する。具体的には,例えばコンサートのライブ番組のデータ放送部分がポータル・サイトになっていて,番組情 報やそのチャンネルのサイト,ECサイトなどの情報が掲載されているイメージだという。
そうした仕組みを作った上で,「各地域にあるCD/DVDの販売店やレンタル店が放送を使って,自らのビジネスを広げていくビジネス・スキームを 展開してもらいたい。一方,レコード会社や音楽系CS放送事業者などのコンテンツ・ホルダーは,放送料を支払ってチャンネルにコンテンツを提供することが可能になる。つまり,地上波放送に参入できる」(寺田氏)とビジネスの展開を説明した(写真2)。
さらに,地域情報系コンテンツの場合,その地域に特化したイベント情報や映画館情報などの提供が考えられる。例えば,映画会社による地域に密着したシネコンと連携した映画情報番組では,映画情報の提供によるシネコンへの誘導,シネコン入場料のFeliCa決済とクーポン配布による地域店舗への誘導など, シネコンと地域店舗利用の相乗効果に期待が持てる。
などが紹介されています。デジタルサイネージと比較すると、プッシュ型かプル型かという大きな違いはあるものの、提供できるサービスとしては重なる部分もありそうです。
このほか、地上アナログテレビ放送の停波により2011年8月以降「跡地」となる見込みのVHF帯の周波数を活用するタイプのモバイル・マルチメディア放送を巡っても動きが活発化している模様です。現在は日本発の技術と米国発の技術がしのぎを削る状況のようです。
日本の地上デジタル放送方式であるISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)をベースに拡張した「ISDB-Tmm(ISDB-T Mobile Multimedia)」方式と,米クアルコムが開発した「MediaFLO」方式の2つの提案があり,両陣営がしのぎを削る状況
その一方で、早くも携帯端末用の放送サービス向けソフトの発売を開始する事業者も出てきています。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は携帯端末用の放送サービス向けソフト開発を手がける米ラウンドボックス(ニュージャージー州)と販売代理店契約 を結んだ。この提携により、CTCはニュースや天気などの静止画や動画をリアルタイムで配信するソフト群を22日に発売する。
(伊藤忠テクノ、放送サービスソフトで米社と提携:日刊工業新聞 より一部引用)
ニュースや天気などのリアルタイム配信はデジタルサイネージのコンテンツとしてもよくありますよね。数年後には、24時間ニュースだけを放送するニュース専用チャンネルや、天気予報専用チャンネルなどが携帯でも無料で見られるようになるのかも知れません。
デジタルサイネージにしか提供できない便益はいろいろとあるはずなので、そういった部分に的を絞って行くことも必要かも知れません。
たいへん面白いデジタルサイネージの事例が出てきました。わたしは2つの点で面白いと思います。
明日、7月19日から8月31日までフジテレビが開催する「お台場冒険王ファイナル」というイベントで、来場者の性別や年齢層を顔認識技術で識別し、15種類の広告を属性に合わせて配信するシステムが稼働します(NEC のプレスリリース)。
前述の通り、今回の試みが面白いといえるポイントは2つあると思うのですが、ひとつは顔認識技術が実際にコンテンツの切り替えに連動するという点、もうひとつは Felica を使ったクーポンを発行し、それが実際に使われるかどうかまでデータを取って広告効果を測定しようとしている点です。
デジタルサイネージの普及のためには広告効果をはっきり示す指標の確立が欠かせないと言われており、これまでに検討されてきたものとしては、TVと同様の視聴率などがあります。ただ、デジタルサイネージは購買の現場に近いところで広告を見せることができるため購買行動に直接的な影響を与えられるという点をメリットのひとつとしており、それを実証するためには実際にデジタルサイネージを見た人が商品を買ったのかどうか測定してみる必要があります。
今回の事例ではイベント内の店舗で利用可能なクーポンを配ることから、クーポンを使うとすればその場で使う以外にはないと考えられます。そういう場合には視聴率のような指標ではあまり意味をなさないでしょうから、効果を実際に測定して確認することができるデジタルサイネージのメリットは大きいと言えそうです。
おそらく、広告の効果は実際に画面に表示されるコンテンツによって大きく左右されるでしょう。今まではどのようなコンテンツがどのような層にどの程度の効果を上げているのかを直接測定する手段がなかったわけですから、それが可能になる意味は大きいと思われます。
また、今後 POS レジでの効果測定がリアルタイムで行われてデジタルサイネージのシステムにフィードバックされるようになれば、数パターンのコンテンツを実際に流してみて最も効果のあったコンテンツを自動的に採用するとか、効果の上がらない時間帯の広告掲出は減らすか取りやめるといった使い方も可能でしょう。実はこうした機能はインターネット広告の世界ではすでに実現しているので、デジタルサイネージに適用されるのもそれほど先の話ではないものと思われます。
ところで、今回のイベント「お台場冒険王ファイナル」はフジテレビ本社屋向かいの「冒険ランド」内で行われるそうです。その中の「ゲゲゲの鬼太郎妖怪ツアーズ」というアトラクションに NEC 体験コーナーとして設けられる目玉おやじの「おい鬼太郎!わしには見えるのじゃ」で、このデジタルサイネージ・システムが見られるそうですので、現場に行かれた方はコメントやトラックバックなどしていただけると嬉しいです。
デジタルサイネージ業界がますますアツいです。これまでも様々な企業間での業務提携が発表されていますが、今後は資本提携や外国資本による巨額の投資、M&Aなども活発化しそうです。
アメリカでは9月に「デジタルサイネージ EXPO / East」が開催されますし、今年は世界的にデジタルサイネージのビッグイヤーとなることが間違いなさそうです。
アンカットテクノロジーは6月4日付けでソフィア総合研究所および株式会社ソフィアモバイル(本社:東京都中野区、代表:柴山孝輔)と業務提携を締結。7 月中旬を目処に、ソフィアモバイルが展開するデジタルサイネージ端末「nanica7」を活用したリアルアフィリエイトシステムをリリースする計画を明ら かにした。ゲームセンターや、旅館、遊園地、ファーストフード店などに設置したデジタルサイネージ端末にフェリカ(携帯電話)をかざし、携帯サイトと連動 するかたちで成果型の動画広告を配信する。
(アンカット、ソフィア総合研究所などに対して総額7千万円の第三者割当増資 : Venture Now(ベンチャーナウ)News より一部引用)
今回は Las Vegas Convention Center 内のデジタルサイネージ EXPO 会場から書いています。Digital Signage EXPO は、予告通りかなり大規模になっていて、来場者も去年の数倍になっている感じです。
一通り見て回ったので、また報告したいと思いますが、今回は、Felica を使った POP の話題です。デジタルサイネージでも Felica との連携というネタは時々見かけます(日本だけですが)。
今回の製品は、Felica を埋め込んだ紙の POP を自動販売機に見立てて、航空券を販売しようというもののようです。航空券は最近 e チケットが定着してきたので、オンラインでの販売が可能になったという背景があります。コンサートや映画などのチケットも e チケット化しているので、同じように Felica を使って販売が可能かも知れません。
デジタルサイネージの場合は表示されるコンテンツを容易に変更できますが、Felica で購入できるチケットを表示内容に連動させるのは難しいかも知れません。そう考えると Felica と組み合わせる場合には、デジタルサイネージよりも紙の方が適していると言えるのかも知れませんね。
デジタルサイネージの場合はたいていネットワークに接続されているわけですから、タッチパネルを使って直接ウェブサイトにアクセスしてもらうことも可能ですし、画面に QR コードを表示することもできるので、Felica を使わなくてもよいような気もします。
以下、紙の自販機「ドコデジ」運営の「モバイルゲート株式会社」、海外格安航空券自動販売機「イーナ ドット トラベル」と業務提携|【@Press】より一部引用します。
モバイルゲート社では同社の提供するFeliCa対応のマルチタッチベンダー 「ドコデジ」を使った紙の海外格安航空券の自動販売機「空デジ(仮称)」を 展開し、自動販売機の購入ボタンを押す様な感覚で、タッチ面に描かれた 海外旅行の渡航先(たとえば、「ハワイ」や「バンコク」等)に 「おサイフケータイ」をかざすだけで、ダイレクトに希望の海外格安航空券の 情報を呼び出すと同時に航空券の検索・予約・申込み・購入ができるシステム を全国に設置展開します。
デジタルサイネージと携帯電話が連動したら、面白いことが実現できそうですね。しかも携帯電話から何らかの操作が可能だとしたら・・?
こちらは三菱電機株式会社情報技術総合研究所の方が情報処理学会で発表された論文です。有料で公開されているようです。一部抜粋します。
当社はアイキャッチ効果の高い大型映像表示機器と,操作が可能な携帯電話を連携したインタラクティブデジタルサイネージシステムを開発している.情報ポータルとしての大型映像表示機器の魅力的な広告コンテンツによって街を歩く人を集客し,更にそこから広告の店舗や会場に誘導することで街の様々なスポットに人の流れを作る街づくりプラットフオームとして提案している.しかし,携帯電話による歩行者誘導サービスを実現するためには屋内における様々な課題を解決した実現方式を検討する必要がある.今回,我々は屋内における携帯電話での歩行者誘導を実現するための方式について検討を行った.本稿では,この検討結果について述べる.
東京ミッドタウン(六本木)にある話題の美術館、21_21 DESIGN SIGHT では、デジタルサイネージを使った作品が展示されているそうです。
1月26日より開催中の「200∞年(にせんはちねん)目玉商品」展では、アーティストの日比野克彦さん、雑誌「ソトコト」編集長の小黒一三さんなどが企業とコラボして制作した作品が展示されているそうです。
「ソトコト」の小黒さんが KDDI、凸版印刷などと共同制作した作品は、ケニアのマサイ族をテーマに、凸版印刷の「E-POP(電子POP)+おサイフケータイリーダ/ライタシステム」とauの携帯電話などを利用した作品だそうです。内容はマサイ族の視力を追体験できるというもの。面白そうですね。
開催時間は11時〜20時(入場は19時30分まで)。入場料は一般1,000円ほか。火曜定休。3月16日まで。