日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
ある意味、究極のデジタルサイネージといえそうな Panasonic Lifewall を見てきました。CEATEC 2008 でも発表され、海外での評価も非常に高かったものですが、お台場のパナソニックセンターで見られるようになりました。
壁が一面ディスプレイになっていて、身振りで操作できるインターフェイスを備えています。壁の模様替えをしたり、デジカメから写真を選んで飾ったりというデモのほか、ビデオ会議風に遠隔地からバイオリンのレッスンを行うなどの活用シーンを見せてくれます。
リアプロジェクションなので壁の裏に隠し部屋が必要になってしまいますが、将来的には家庭でも使われる日が来るのかも知れません。In-Home っぽい製品ですが、名古屋のミッドランドスクエアに導入されているらしいです。
以下は CEATEC 2008 でのデモンストレーションの様子です。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=c60-wV7fu04]
世界でもデジタルサイネージの成功事例が最も多いと思われる中国ですが、北京には名実共に世界最先端の事例があります。
この Xicui エンタテイメント・コンプレックス・ビルでは、道路に面した壁面が丸ごと LED パネルとなっています。その面積は 2,200平方メートル。「Greenpix Zero Energy Media(グリーンピクス・ゼロエナジー・メディア)」と名付けられたこの巨大なデジタルサイネージは、その名の通り消費電力ゼロで動作するメディアウォールとなっています。
驚くべきことに、このシステムはすべてソーラーパワーで動いており、パネルのガラス自体に組み込まれた太陽電池が昼間の太陽光を電力として蓄え、そのエネルギーを使って夜間に映像を映し出す仕組みを実現しています。
世界トップクラスの建築とエンジニアリングの専門家が集まって設計したこの建物は、デジタルサイネージの事例としてだけでなく、建築業界や太陽電池業界など多方面からの注目を集めています。
こうした最先端のプロジェクトを進める場合、ニューヨークでは「この技術にはすでに実績があるのか?」と聞かれるのに対し、中国では逆に「間違いなく世界で初めての試みか?」と確認されるそうで、この国には新しいものに挑戦したいというメンタリティが顕著なのだそうです。
オリンピックのおかげもありますが、中国の勢いには圧倒されますね。
デジタルサイネージが脚光を浴び始めるにつれて3Dディスプレイも注目されるようになってきましたが、3次元表示された物体に触れることでインタラクティブな操作を行うことができる新技術が登場したようです。
現在3Dディスプレイにはいくつかの方式があり、EXPO などではいろいろな立体ディスプレイを目にすることができますが、中でも最も立体的に見えるのが3Dホログラフィック・ディスプレイと呼ばれるもので、ディスプレイ画面よりもかなり手前の空中に物体が浮かんでいるように見えるため、思わず手を伸ばして触れてみたい衝動にかられます。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=lm-b_dCGl1w]
上のビデオは従来からある3Dホログラフィック・ディスプレイの例ですが、今回 Provision Interactive Technologies 社 はユーザーがこのバーチャルな物体に触れることでインタラクションを起こすことのできる「Air Touch」と呼ばれる技術を開発し、Intel Developer Forum (IDF) の Intel 社の展示に使用された模様です。
展示の内容は、14種類のインテルベース製品が次々と空中に立体表示され、ユーザーが映像に触れるとその製品のカタログやスペックシートなどがプリントアウトされるというもの。
3Dホログラムは結構インパクトがあるので、いろいろと面白い使い方ができそうですね。
With a simple touch of a finger, a 3D hologram floating in space goes to task, providing on-demand information, like spec sheets on Intel products, as requested by the consumer. The specific “Air Touch” application was designed exclusively for the IDF and is the next generation of Provision’s 3D holographic display, software, and interactive platform. The system allows 14 different Intel-based products to float in the air, in 3D, approximately 36 inches in front of the 40-inch screen. Each product’s “air time” is about 30 seconds, allowing an audience to attentively watch the cool 3D hologram as it spins and turns. If the consumer is interested in a particular product, all he or she has to do is literally ‘touch’ the hologram. The software recognizes the interaction and prints out a marketing brochure or spec sheet on that particular product.
VR(Virtual Reality:仮想現実)の次は AR(Augmented Reality:拡張現実感)です。たぶん。
これをデジタルサイネージに応用すれば、すごく面白いコンテンツができることは間違いないでしょう。
拡張現実感(Augmented Reality:AR)とは、仮想世界と現実世界を融合する技術です。現実の映像の上に、CG の3Dキャラクターをリアルタイムで合成したりすることで、架空のキャラクターが現実空間に存在しているかのように見せることができます。下のビデオをご覧ください。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=Ss4JD4id_no]
いきなり初音ミクが出てきましたが、音声合成もかなり自然ですよね。ほかにもいろいろな例があります。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=jV5ODoMs2TI]
もはや、なにがどうなっているのかわからなくなってきますね。
美術館の展示に AR を使って解説を加えたりクイズを出したりするような例もあります。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=denVteXjHlc]
いずれもかなり凝ったつくりになっていますが、ARToolkit というライブラリを利用しているようです。
ARToolKitは,ARアプリケーションの実装を手助けするC言語用のライブラリです. ARToolKitを使うと,紙に印刷されたパターンをカメラで読み取り, その上に3Dオブジェクトをオーバーレイ表示するアプリケーションが簡単に作れます. 本来は非常に敷居の高い技術なのですが,このライブラリは「難しい部分」の処理を 全てやってくれます.
また、iPhone 上で動くものも開発されているようで、タッチパネルから操作を加えることもできるようです。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=5M-oAmBDcZk&ap=%2526fmt%3D18]
紙などの他媒体に、デジタルサイネージと AR を使ったコンテンツを絡めて、OOH のクロスメディア・マーケティングなんてどうですか?
例えばこんな感じに。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=S-G8u-01t0k]
デジタルサイネージ総研ではデジタルサイネージに関するコンサルティングサービスを提供しています。ご相談はこちらまで:info@digitalsignage.co.jp
8月27、28日の2日間、東京国際フォーラムで行われた「シャープ電子デバイス展 2008」で、「液晶のシャープ」が先端技術を駆使した面白い液晶ディスプレイ技術を発表しました。
画面にスキャナー機能を搭載した「システム液晶」など、ほかにも面白い技術がいろいろある中で、デジタルサイネージ的に注目したいのはやはり「カラーメモリー性液晶」です。
エコロジーの重要性が高まる中、デジタルサイネージ・ディスプレイにも低消費電力が求められており、電子ペーパーなどの新しい技術が注目を集めています。
今回シャープが発表した「カラーメモリー性液晶」は、RGB のそれぞれの色のみを反射する3層の液晶を重ねることで、カラーフィルターを用いた従来のカラー電子ペーパーに比べて2倍の高彩度を実現しました。また通常の透過型液晶とは異なり、バックライトが不要の反射型であるため、画面を書き換えるとき以外には全く電力を消費しません。
さらに反射型の特徴として、明るいところではっきりと見えるため、日中の屋外のような非常に明るい環境でも視認性が確保できるものと思われます。
消費電力と屋外での視認性という、デジタルサイネージ・ディスプレイの課題を2つともクリアできる可能性があり、非常に期待の持てる面白い技術だと思います。残念ながら写真は掲載できませんが、かなりはっきりした明るい画面です。意外と電子ペーパーよりも先に実用化されるかも知れませんね。
マイクロソフトが提唱する新技術 サーフェス ですが、近い将来にはこうしたテクノロジーがデジタルサイネージにも使われるのではないでしょうか。
こちらのデモビデオでは、店頭で顧客が商品をカスタマイズして注文したり、無数のワインの中から好みのワインを選んで注文するための、非常に洗練されたインストア・アプリケーションが登場します。
マウスやキーボードではなく手で直接操作できるだけでも体験の質が大きく変わりそうです。映画『マイノリティ・リポート』 の世界に一歩近づきますね。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=Zxk_WywMTzc]
インストアのデジタルサイネージで顧客の行動に合わせて表示内容を変える広告が始まっています。
行動ターゲティングといえばネット広告という感じですが、アメリカではすでにデジタルサイネージ版が登場し、店頭に置かれ始めました。
ダンキンドーナツ では顧客が朝コーヒーを注文するとレジのモニターでブレックファースト・サンドイッチを薦める広告が表示されるなどの実験を行っているほか、P&G もドイツの大手スーパー METRO の Extra ストア(フューチャーストア)で RFID タグの付いた商品を棚から取ると関連した広告を流す試みを行っています。これは例えば、シャンプーを手に取った顧客に対して、そのシャンプーと同じ髪質に合うコンディショナーを薦めるといったものです。これらのデジタルサイネージの多くはカメラを備えており、ゆくゆくは顧客の外見からお薦めの商品を判断して広告を流すことを目指しています。
こうしたインストアでの試みはまだ実験段階で、最適な広告コンテンツや消費者の反応を調査するにはまだ時間を要する上、モニターの数が増えすぎると逆に無視されるのではないかと懸念する声もありますが、顧客層の断片化とテレビ広告の衰えは顕著なため、広告費がインストア・マーケティングへとますます流入しており、顔認識技術の導入などさらなる技術革新が進行中です。
現状のデジタルサイネージ・ネットワークの多くでは、コンテンツをあらかじめプログラムしておく必要があり、また配信にも時間がかかるため、在庫がなくなったあとでも広告が流れ続けるなどの問題があり、顧客や在庫状況などに応じて瞬時にコンテンツを切り替えられる技術には需要がありそうです。イスラエル資本の Aroma Espresso Bar では、在庫状況に応じてレジのモニターに表示する広告を変え、売れ残りを減らすシステムをテスト中だそうです。
インストアは広告効果が見えやすいため、デジタルサイネージの導入が進むことが期待できそうですね。
Ad targeting is coming to a store near you.
In the latest effort to tailor ads to specific consumers, marketers are starting to personalize in-store promotions based on products the consumer recently picked off a shelf or purchased — and in the near future, based on what the shopper looks like.
(The Ad Changes With the Shopper In Front of It - WSJ.com より、一部引用)