日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
インストアのデジタルサイネージで顧客の行動に合わせて表示内容を変える広告が始まっています。
行動ターゲティングといえばネット広告という感じですが、アメリカではすでにデジタルサイネージ版が登場し、店頭に置かれ始めました。
ダンキンドーナツ では顧客が朝コーヒーを注文するとレジのモニターでブレックファースト・サンドイッチを薦める広告が表示されるなどの実験を行っているほか、P&G もドイツの大手スーパー METRO の Extra ストア(フューチャーストア)で RFID タグの付いた商品を棚から取ると関連した広告を流す試みを行っています。これは例えば、シャンプーを手に取った顧客に対して、そのシャンプーと同じ髪質に合うコンディショナーを薦めるといったものです。これらのデジタルサイネージの多くはカメラを備えており、ゆくゆくは顧客の外見からお薦めの商品を判断して広告を流すことを目指しています。
こうしたインストアでの試みはまだ実験段階で、最適な広告コンテンツや消費者の反応を調査するにはまだ時間を要する上、モニターの数が増えすぎると逆に無視されるのではないかと懸念する声もありますが、顧客層の断片化とテレビ広告の衰えは顕著なため、広告費がインストア・マーケティングへとますます流入しており、顔認識技術の導入などさらなる技術革新が進行中です。
現状のデジタルサイネージ・ネットワークの多くでは、コンテンツをあらかじめプログラムしておく必要があり、また配信にも時間がかかるため、在庫がなくなったあとでも広告が流れ続けるなどの問題があり、顧客や在庫状況などに応じて瞬時にコンテンツを切り替えられる技術には需要がありそうです。イスラエル資本の Aroma Espresso Bar では、在庫状況に応じてレジのモニターに表示する広告を変え、売れ残りを減らすシステムをテスト中だそうです。
インストアは広告効果が見えやすいため、デジタルサイネージの導入が進むことが期待できそうですね。
Ad targeting is coming to a store near you.
In the latest effort to tailor ads to specific consumers, marketers are starting to personalize in-store promotions based on products the consumer recently picked off a shelf or purchased — and in the near future, based on what the shopper looks like.
(The Ad Changes With the Shopper In Front of It - WSJ.com より、一部引用)
日本ではまだ見られないデジタルサイネージのジャンルにモバイル連携型(mobile-driven digital signage)というものがあります。
携帯電話の「万能リモコン化」が進行する中、デジタルサイネージすら携帯からコントロール可能になりつつあり、これまではタッチスクリーン技術などを使って行っていた操作が、もっと離れた場所から携帯でできるようになります。
例えばカフェに居合わせた複数の人が携帯を使ってデジタルサイネージのモニター上でチャットをしたり、スクラブルのようなゲームを競い合ったり、という具合です。これによって画面へのアテンションが上がり、引いては広告を見る時間も長くなるのだそう。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=sK9c5npH2oA]
さて、ここまでなら以前にご紹介した MegaPhone とも似ていますが、この LocaModa の場合はこれをさらにソーシャルネットワークと結びつけ、モバイル、インターネット、デジタルサイネージの3つの媒体を一体化することで、インタラクティブなマーケティングキャンペーンが実施可能なプラットフォームを提供しています。
例えば、全米のバー3万店にデジタルジュークボックスのネットワークを持つ TouchTunes 社と共同で、Beck のニューアルバム “Modern Guilt” のプレリリースキャンペーンを行った際には、携帯から SMS でテキストメッセージを送ると発売前の新曲が聴ける最寄りの TouchTunes のロケーションを知らせるというサービスを実現しました。キャンペーンの情報は Facebook、iLike、MySpace などの SNS で告知され、オンラインとリアルワールドの両方でコアなファン層にリーチすることができたそうです。(原文:Beck Pre-Releases New Album “Modern Guilt” to TouchTunes Network より一部を要約して引用)
モバイルと SNS を取り込むことで、デジタルサイネージに口コミのパワーを付け加えることができます。確かにこういう使い方であれば大きな効果が見込めそうですね。実際の調査でもよい結果が出ているそうです。
ほかにも、ユーザーが携帯から送ったテキストや写真をデジタルサイネージの画面上に表示する技術としてこんなものがあります。