日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
オバマ大統領も環境対応政策を打ち出していますが、OOH業界でもその動きが出始めています。
CBS Outdoorは、ロンドンの地下鉄に設置したデジタルサイネージ機器が、従来のポスター形式と比べて20倍の電力を消費しているものもある、と指摘するレポートに対し、これらは全て再生可能なエネルギー(太陽・風力・バイオマスほか)により電源供給されている、と発表しました。
CBS Outdoorによる交通機関のサイネージの代表的なものには、Cross-Track Projection (XTP)や、Digital Escalator Panels (DEPs)がありますが、販促活動が環境に与える影響を調査しているNoughtilusによるレポートの中で、環境コストとの相関から、このCross-Track Projection (XTP)システムは、従来型のポスターに比べ20倍の宣伝効果をもたらす必要がある、と指摘されています。(これに対し、ロンドン市長は、地下鉄のデジタル広告の消費電力は、地下鉄全体のエネルギー消費の1%未満だと指摘。)
一方でフロリダのLamar Outdoor Advertisingは、イスラエルのMagink社による反射型デジタルビルボードを採用しています。
LEDビルボードと違い、太陽光を反射して発光、ソーラーパネルから一部電源供給を受けています。

Lamar社はこの技術を次はNYで試験導入することを検討中です。
(CBS, Lamar turn to greener out-of-home technologyから一部引用)
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=L5FSf88HENw&NR=1]
XTP導入事例
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=IrjsR6fdGxo]
DEPの導入事例
ある意味、究極のデジタルサイネージといえそうな Panasonic Lifewall を見てきました。CEATEC 2008 でも発表され、海外での評価も非常に高かったものですが、お台場のパナソニックセンターで見られるようになりました。
壁が一面ディスプレイになっていて、身振りで操作できるインターフェイスを備えています。壁の模様替えをしたり、デジカメから写真を選んで飾ったりというデモのほか、ビデオ会議風に遠隔地からバイオリンのレッスンを行うなどの活用シーンを見せてくれます。
リアプロジェクションなので壁の裏に隠し部屋が必要になってしまいますが、将来的には家庭でも使われる日が来るのかも知れません。In-Home っぽい製品ですが、名古屋のミッドランドスクエアに導入されているらしいです。
以下は CEATEC 2008 でのデモンストレーションの様子です。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=c60-wV7fu04]
アメリカの有名ブロガーが NEC 製のロボット型キオスクについて書いています。
こんなのは格好だけだと揶揄していますが、コメント欄にはこれははじめの一歩に過ぎず、これからすごいことになるんじゃないか、といった意見も多いですね。日本はロボット先進国として認識されているようです。
Look, Japan, I know you have a thing for robots. It’s awesome, really. Robots are very cool. But sometimes it seems like you’re just trying too hard.
(DVICE: Japan stretches the definition of ‘robot’ with a ticket kiosk より、一部引用)
先週、3M 社の手のひらサイズプロジェクターを紹介したばかりですが、クリスマス商戦に向けて台湾のメーカー Optoma からも超小型プロジェクター PK101 が発売されます。
コントラスト比は1000対1、投影できる映像のサイズは 6インチ〜66インチ相当で、iPodや携帯電話機,PDAなどのコンポジット信号を出力できる機器が接続可能とのこと。
面白いガジェットですね。携帯電話や PDA に搭載される日も近いかも知れません。
外形寸法は105mm×51mm×17mmとポケットに入るほど小さく,2次電池を含む重さは120gとiPodシリーズの「iPod touch」並み。光源のLEDの寿命は2万時間とする。動作モードには,「通常」と「省電力」の二つがある。通常モードでは明るさが10lmで,省電力モードでは同5lmほど。消費電力はそれぞれ4.8Wと3.5Wとする。省電力モードの場合,内蔵するLiイオン2次電池だけで連続2時間動作する。フル充電にかかる時間は4時間ほどだという。充電はACアダプター,あるいはmini USBを介して充電する。
(「DLP Pico」を採用した超小型プロジェクターの国内販売がいよいよ開始 より、一部引用)
プロジェクターもここまで小さくなるといろいろな用途が思いつきますね。

3M からマイクロ プロフェッショナル プロジェクター MPro110 が登場しました。
重量わずか 160g で 投影サイズは 8〜48インチ。Amazon で 53,800円です。
プロモーションビデオが素敵です。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=SgZV2ZCEyYE&ap=%2526fmt%3D18]
デジタルサイネージにとって効果測定は非常に重要なポイントですが、広告を見たかどうかだけでは不十分で、それを見てどう感じたか、ほしいと思ったのかどうかが本当は知りたいわけです。
脳波を使った効果測定技術によって、まさにそれが可能になるかも知れません。米ニールセン・カンパニーが、ニューロフォーカス社との提携によってニューロ・マーケティング事業に乗り出しました(同社プレスリリース)。ニューロフォーカス社は脳波の研究成果を広告や番組、メッセージングに応用するマーケティング企業です。
同社では、被験者のかぶったヘッドギアから毎秒 2,000回のリアルタイムな脳波情報を計測し、視線追跡や皮膚伝導反応などのデータと組み合わせて解析することで、注意、感情、記憶(Attention, Emotional Engagement, Memory Retention)を数値化。そこから説得性、意識性、新規性(Persuasion, Awareness, Novelty)の評価を導き出します。
このサービス自体はマーケティングにおけるグループインタビュー的な過程を科学的な手法で置き換えるものでしょうが、いずれはデジタルサイネージなどを含めたあらゆる広告媒体の効果測定にも応用されるのではないでしょうか。
研究室レベルではすでに、室内にいる集団の脳波や心拍数などを同時に計測する研究も行われているそうです。なんだか心の中を覗かれるような感じもしますが、こうした研究によっていわゆるウザい広告が減るのであればいいことなのかも知れません。
世の中にあふれる広告の多くが実際に効果をあげているのかどうか、というのは興味深いところですね。
世界でもデジタルサイネージの成功事例が最も多いと思われる中国ですが、北京には名実共に世界最先端の事例があります。
この Xicui エンタテイメント・コンプレックス・ビルでは、道路に面した壁面が丸ごと LED パネルとなっています。その面積は 2,200平方メートル。「Greenpix Zero Energy Media(グリーンピクス・ゼロエナジー・メディア)」と名付けられたこの巨大なデジタルサイネージは、その名の通り消費電力ゼロで動作するメディアウォールとなっています。
驚くべきことに、このシステムはすべてソーラーパワーで動いており、パネルのガラス自体に組み込まれた太陽電池が昼間の太陽光を電力として蓄え、そのエネルギーを使って夜間に映像を映し出す仕組みを実現しています。
世界トップクラスの建築とエンジニアリングの専門家が集まって設計したこの建物は、デジタルサイネージの事例としてだけでなく、建築業界や太陽電池業界など多方面からの注目を集めています。
こうした最先端のプロジェクトを進める場合、ニューヨークでは「この技術にはすでに実績があるのか?」と聞かれるのに対し、中国では逆に「間違いなく世界で初めての試みか?」と確認されるそうで、この国には新しいものに挑戦したいというメンタリティが顕著なのだそうです。
オリンピックのおかげもありますが、中国の勢いには圧倒されますね。