日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
紙の広告がデジタル化されるとデジタルサイネージになるわけですが、デジタル化の次はやはり3Dの方向に進むような気配です。
一足先にデジタル化が進んでいる映画の世界ではすでに3D化が始まっており、東欧および中欧では映画館のデジタル化と同時に3Dシネマの導入が進んでいる模様です。62のシネコンに563のスクリーン、11万3,000席を保有する最大手企業が3Dシネマの導入を始めたことが注目を集めています。
Cinema City International’s decision to offer their audience the digital 3D cinema experience might have a signal effect on the cinema industry, as the Cinema City Group is the largest multiplex theatre operator in Central and Eastern Europe, and in Israel. As of July 2008, Cinema City operates 62 multiplexes with 563 screens and 113 000 seats.
もちろんアメリカや日本でも3D作品の見られる映画館は増えています。国内では 2007年に大手シネコンチェーンのティ・ジョイが8カ所、ワーナー・マイカルが既存の2カ所に加え、新たに18カ所に上映システムを導入しています。
米国では3D映画システムの普及に弾みがついている。昨年3月公開のディズ ニーアニメ『ルイスと未来泥棒』は、581スクリーンで3D上映され、総興行収入の28%に当たる710万ドルを上げている。3Dスクリーンは今年 1500以上、来年には3000まで広がるとの声もある。
(今年は「3D映画」元年になる 米国でシステムが急速に普及し、話題作も続々公開へ - 日経トレンディネット より、一部引用)
人々が3D映像の魅力に触れる機会が増えればデジタルサイネージの3D映像も効果を増すのでしょうが、映画の3Dは特殊な眼鏡をかけて見る方式です。デジタルサイネージの場合は街中で眼鏡をかけさせるわけにはいきません。裸眼立体視でなければならないため、ハードルは少し高そうです。今後の技術革新に期待ですね。
インストアのデジタルサイネージで顧客の行動に合わせて表示内容を変える広告が始まっています。
行動ターゲティングといえばネット広告という感じですが、アメリカではすでにデジタルサイネージ版が登場し、店頭に置かれ始めました。
ダンキンドーナツ では顧客が朝コーヒーを注文するとレジのモニターでブレックファースト・サンドイッチを薦める広告が表示されるなどの実験を行っているほか、P&G もドイツの大手スーパー METRO の Extra ストア(フューチャーストア)で RFID タグの付いた商品を棚から取ると関連した広告を流す試みを行っています。これは例えば、シャンプーを手に取った顧客に対して、そのシャンプーと同じ髪質に合うコンディショナーを薦めるといったものです。これらのデジタルサイネージの多くはカメラを備えており、ゆくゆくは顧客の外見からお薦めの商品を判断して広告を流すことを目指しています。
こうしたインストアでの試みはまだ実験段階で、最適な広告コンテンツや消費者の反応を調査するにはまだ時間を要する上、モニターの数が増えすぎると逆に無視されるのではないかと懸念する声もありますが、顧客層の断片化とテレビ広告の衰えは顕著なため、広告費がインストア・マーケティングへとますます流入しており、顔認識技術の導入などさらなる技術革新が進行中です。
現状のデジタルサイネージ・ネットワークの多くでは、コンテンツをあらかじめプログラムしておく必要があり、また配信にも時間がかかるため、在庫がなくなったあとでも広告が流れ続けるなどの問題があり、顧客や在庫状況などに応じて瞬時にコンテンツを切り替えられる技術には需要がありそうです。イスラエル資本の Aroma Espresso Bar では、在庫状況に応じてレジのモニターに表示する広告を変え、売れ残りを減らすシステムをテスト中だそうです。
インストアは広告効果が見えやすいため、デジタルサイネージの導入が進むことが期待できそうですね。
Ad targeting is coming to a store near you.
In the latest effort to tailor ads to specific consumers, marketers are starting to personalize in-store promotions based on products the consumer recently picked off a shelf or purchased — and in the near future, based on what the shopper looks like.
(The Ad Changes With the Shopper In Front of It - WSJ.com より、一部引用)
デジタルサイネージにとっても「エコ」は重要なキーワードです。
紙のポスターを減らせば森林資源を節約できますが、代わりに電気を消費するため、トータルで見るとどっちがエコなのか?という議論はあるでしょう(イギリスでの調査結果)。将来的には電子ペーパーのようなほとんど電力を消費しない形のデジタルサイネージが広まっていくに違いありません。
駅中での電子ペーパーの実証実験は 2005年頃から行われています(日立製作所の電子ペーパーを使用)が、今回の実証試験では、ブリヂストンが開発したカラーとモノクロのA3サイズの電子ペーパーを使用します。電子ペーパーにはいくつかの方式がありますが、ブリジストンのものは独自開発の電子粉流体方式です。配信には携帯の高速通信網を使用しています。
毎日新聞社とブリヂストンは19日、省エネで環境に優しい電子ペーパーを使ってニュースと広告掲示を行う新たな電子屋外広告(デジタルサイネージ)の共同実証試験を始めた。東京都交通局の協力を得て、都営浅草線の新橋駅構内と、都営新宿線の新宿三丁目駅コンコースの2カ所に設置。09年3月末までの間、広告視認効果などのデータを蓄積し、新たな広告媒体としての可能性を探る。
(電子屋外広告:共同実証試験始める ブリヂストンと毎日 - 毎日jp(毎日新聞) より、一部引用)
5ヶ月ほど前の、デジタルサイネージの広告モデルの行き着く先 という記事の中で、近未来のデジタルサイネージはモニターの置かれた場所の周辺データを自動的に収集して、画面の前にいる人々の属性や会話の内容に合わせたコンテンツ(や広告)をマッチングして配信するようになるだろうと予測しましたが、雑音に満ちた現実世界の中で音声認識がどの程度可能なのか、最新の研究成果をビデオでご紹介します。
こちらは京都大学とホンダ技術研究所の共同開発による「Robot Audition Project(ロボット聴覚プロジェクト)」の成果です。3人が同時にしゃべった言葉を、それぞれ誰が何と言ったのか聞き分けています。スゴいですね。
[googlevideo:http://video.google.com/videoplay?docid=-3386251792468042381]
何気なく会話していたら、その会話の内容に合った広告が表示されたりするのはちょっと気持ちが悪いですが、例えばサーフィンの話題で盛り上がっているときにサーフィンのビデオが流れるのは悪くない気がします。そのビデオと一緒に関連した広告が表示されてもそれほど気にならないでしょう。
視聴者とコンテンツのマッチングが行われ、そのコンテンツに付随してマッチングされた広告が表示される、という形であれば比較的すんなりと受け入れられるのではないでしょうか。
携帯電話をリモコンのように使って、デジタルサイネージ上でゲームやチャットを楽しめるシステムをいくつかご紹介してきましたが、日本国内でも携帯電話で操作できるタイプのデジタルサイネージが登場しました。
しかも、テレビ電話機能を使ってゲーム画面内に動画を送り込むことも可能だそうです。実証実験の様子を撮影したビデオからは、ゲーム内キャラクターの顔の部分にユーザーの顔写真が入っているように見えますが、その部分が携帯電話のカメラで撮影されたライブ動画になっているようです。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=eREMbJQSP1o&ap=%2526fmt%3D18]
コンテンツの可能性が広がりそうな面白い技術ですね。詳細はプレスリリースをご覧ください。
バンテンが提供するインテリジェントデジタルサイネージプラットフォーム「エンゲージメディア」とSairis Group社が権利を持つ携帯テレビ電話ゲートウェイ「MobiActions(もびあくしょん)」とが連携することで、携帯電話ユーザーはテレビ電話を 通じてビジョンに映し出されるゲームアプリケーションコンテンツをリアルタイムに操作ができ、デジタルサイネージ上でインタラクティブ体験ができるように なりました。
(日本初、携帯テレビ電話を使用したインタラクティブデジタルサイネージ実証実験に成功:Vanten Press Release より、一部引用)
放送波を利用したデジタルサイネージについて以前書いたことがありましたが、ワンセグの微弱電波を使ったコンテンツ配信システムが発売されました。
など、かなり面白い内容になっています。
デジタルサイネージでは必ず必要となるディスプレイモニターについては、お客さん一人ひとりのワンセグ携帯の画面がその役割を果たします。
博物館などでは音声ガイド端末が売り切れ状態で利用できないことがありますが、自分の携帯で音声ガイドが見れるようになれば、そうした問題は解消しそうです。店頭で買い物中にワンセグ携帯を取り出して映像を眺める人がどのくらいいるのかについては想像がつかないので、実証実験などが必要かも知れません。
店頭や店舗内のショーケース、展示品などの前にいるお客様に対し、商品説明やクーポン発行サイト情報などのコンテンツを、微弱電波を利用し、携帯電話などのワンセグ対応端末に配信するシステム「スポットキャスト」を、本日より発売します。
(微弱電波によるワンセグコンテンツ配信システム「スポットキャスト」を発売: 富士通 より、一部引用)
氏名や生年月日といった個人を特定できる情報と、行動や嗜好などの個人から抽出できるマーケティングデータの切り離しを技術的に可能にすることで、どこをどう移動して何を買ったか、という究極のマーケティングデータを利用可能にするという計画を経産省が推進しているそうです。2009年度には実証実験も行う計画とか。
2009年度には、実証実験も計画している。家庭でのパソコンや携帯電話の利用、百貨店やレストランなどでの購買動向、鉄道やバスでの移動などさまざまな 生活シーンから情報を収集。これを匿名化した形で、コンテンツ事業者や市場調査会社などの企業が利用することで、個人に合わせたお薦め情報の配信といった サービスの実現を目指すというものだ。
これはスゴいことになりそうですね。どこまでパーソナライズされるのが利用者にとって一番うれしいのか、デジタルサイネージを含め、これからの広告では大きなテーマになってきそうです。