日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
ソニーが、今年3月に発表したデジタルサイネージ配信システム「BEADS(ビーズ)」を使ったデジタルサイネージ広告配信事業を本格的に開始するそうです。少し前から都内のスーパー Olympic の店内で実験的な運用が行われていましたが、これが6月30日から本格稼働します。
株式会社Olympic(以下、Olympic)の展開する首都圏22店舗に大型ディスプレイを151台設置し、「ミルとくチャンネル」と名付けた専用のチャンネルを運営します。「ミルとくチャンネル」は、広告・店舗情報・特売情報・イベント情報などの販促情報に加え、お料理レシピ・地域にあわせた天気予報・ニュースなどの便利な情報を提供します。
現在、スーパーマーケットを利用するお客様の約60%は売り場で購入製品を決定するといわれています。本サービスは、ネットワークを利用した売り場に近い広告メディア(インストアメディア)として、メインターゲットである主婦層・ファミリー層にタイムリーに情報を提供することにより、購買行動に結び付ける効果があります。
BEADS のサービス料金の目安が「同じ建物の中に40インチのディスプレイを100台設置する場合で,初期費用が6500万円程度(ソニー,商業施設などの最大1万台のディスプレイにコンテンツ配信するサービス:ITpro)」とされていることから、数千万円の初期費用がかかるものと思われますが、このほとんどをソニーが負担するサービス形態のようです。
ディスプレイ設置場所の選定、機器の手配/設置、広告の受注、コンテンツの制作 /配信、保守/監視といった関連作業を、すべてソニーグループが請け負う。店舗側は機材を購入する必要がなく、少ない初期投資で導入できるという。
ところで、日本のデジタルサイネージは当初からメーカー主導で進められてきた感があります。プラズマディスプレイを製造する松下電器や日立、液晶ディスプレイを製造するシャープ、ソニー、NECといったメーカーにとっては、薄型テレビに代わる新たなディスプレイ市場としての期待が大きいためです。
液晶パネルの価格が下がり続ける中、メーカー側としては比較的収益性の高い大型ディスプレイを売って行きたいのですが、家庭のリビングでは視聴距離が近いため70インチやそれ以上のサイズに対するニーズは限られます。
一方、ポスターやコルトン(照明入りポスターボックス)などの屋外広告メディアのサイズは60インチ〜150インチ辺りに相当するため、これらをデジタルディスプレイに置き換えて行きたいという考えです。
パネルメーカー各社は、それぞれにデジタルサイネージの配信用ソフトウェアを開発し、これを自社のモニターにくっつけて販売してきましたが、やはりモニターを売るためのデジタルサイネージというスタンスであったように思います。
その点で、今回発表されたソニーのビジネスモデルは新しい路線だと言えるでしょう。
パネルメーカーが費用を負担して広告メディア事業に乗り出す例は海外でも先例がありますが、なかなか採算が取れないという話も聞きます。海外の事例については近いうちに書きたいと思います。
デジタルサイネージはテレビの視聴率低下との関連で語られることも多いです。テレビ CM の影響力が落ちてきているため新しい広告媒体が求められている、というわけです。そこで今回はテレビの話題を取り上げてみたいと思います。
テレビ番組を録り貯めるハードディスクレコーダーは別に目新しいものではありませんが、この「SPIDER」という製品はすごいです。実はテレビをほとんど見なくなって久しいのですが、この機械があれば再び見るようになるかも知れません。

製品自体の説明は、SPIDER のしくみや、小寺信良の週刊「Electric Zooma!」に詳しく載っているのでそちらにお任せしますが、簡単に言うと、全チャンネルの1週間分の番組をすべて録画するようになっていて、かつ、すべての番組について何時何分何秒に誰が出演したか、どんな話題が出たかなどの詳細情報も記録されるというもの。
もちろん、出演者や話題についての時々刻々のデータは、実際に番組をチェックして入力している人がいるわけですが(この仕事は結構大変そう)、こうした詳細な番組情報(メタデータ)がネット経由で SPIDER に配信されるため、例えばグーグルで検索するのと同じような感覚でテレビ番組の内容を自在に検索できます。
好きなタレントが一瞬でも出てきた番組を全部見るとか、あるキーワードに関するものを全部抽出するとかができてしまうので、これはもう自分だけの特集番組を自由に編集できるというのに近いです。また、全録なので事前に番組表を見て録画すべき番組を選ぶという作業からも完全に解放されます。
このマシン、実は昨年から業務用として販売されていて、すでに150社で使われているらしいです。 というのも、企業の中では競合他社の CM をチェックする仕事とか、自社がテレビでどう扱われているかを監視する仕事など、テレビを常時見張るような業務が結構あるらしく、その労力がこの機械に よって大幅に削減されるためです。また、ある瞬間の他局の裏番組の内容を瞬時に切り替えて見比べたりすることも可能なので、テレビ局関係者などにも使われている模様です。
こういう便利なものが出てくると、ますますCMなどはすっ飛ばして見たいシーンだけ見るようになるだろうと思われますが、実はCMについても企業名や出演タレントに加えて、CMソングの曲名やアーチスト名まで情報化されるため、話題のCMなど、自分の見たいCMを簡単に見つけ出すことが可能になります。
そうなると、ゴールデン枠以外のCMでもみんなが見たいと思えば見てもらえる可能性が出てくるので、番組とCM枠との関係も微妙に揺らいでくるでしょう。とはいえ、こうした超検索性とでもいうべき機能がすぐさまテレビに標準搭載されるとも思えないので、影響は限定的だろうと思われます。しかし今後はテレビもネットワークに繋がり、デジタル化によってメタデータの配信が開始されるので、こうした便利なサービスが誰でも低額(あるいは無料)で利用できるようになる可能性もあります。
いずれにしても面白い製品が出てきたものですね。
デジタルサイネージの展示会などでは、立体映像のいわゆる飛び出すディスプレイをよく見かけますが、本当に画面が飛び出してくるディスプレイというのはちょっと見たことがありません。
こちらはアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)で M. Goulthorpe 教授が発明したものだそうですが、実際に、物理的に飛び出す3Dディスプレイです。しかも巨大で、人間が触れても壊れたり怪我をしたりしないようになっています。
実際に街中のビル壁面に設置され、コカコーラの広告に使われた模様です。実物を見たらすごいインパクトがありそうです。
とにかく見ていただいた方が早いでしょう。動画でご覧下さい。
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=Bbgo72EqfNc]
小田急新宿駅で2月22日から実施されている「香る新宿駅プロジェクト」が、イベント終了まであと1週間を切りました。
これは、NTT コミュニケーションズが開発した香りを発生させることができるデジタルサイネージディスプレイを使用したもので、小田急線新宿駅西口地上改札口に設置されているデジタルポスターからさまざまな香りを噴霧するというものですが、今回は資生堂の新製品「ばら園」と「世界らん展日本大賞2008」の告知のために、「ばら」と「カトレア・ドウィアナ(熱帯に咲く原種ランの1種)」のフレグランスを噴霧しているそうです。
この「香るデジタルサイネージ」に関しては、昨年末にもビールが飲みたくなる香りを発生させて集客効果を測定するという実証実験が行われていましたが(NTT Com ニュースリリース)、香りを発生するタイプのデジタルサイネージというのは世界でもほかに例がありませんし、どんな香りが出ているのか気になりますね。
開催時間は10時〜17時。3月6日までですので、体験してみたいという方はお急ぎください。
以下、「香る新宿駅プロジェクト」−デジタルポスターが香りのプレゼント - 新宿経済新聞より引用します。
同イベントは、小田急電鉄、NTTコミュニケーションズ、資生堂、ナイアガラソリューションズ(港区)のコラボ企画。小田急百貨店の中央口を入って右奥にある小田急線西口地上改札口の手前に設置されているデジタルポスター(液晶画面を中心に据えた壁掛け型の広告媒体)にNTTコミュニケーションズが開発した技術「香るデジタルサイネージ」をインストールし、クライアントが提供する「香り」を特殊な香りディフューザーから噴霧することで、改札通路の歩行者に「香りをプレゼント」(同イベント担当者)するもの。
このところデジタルサイネージ市場では、海外からの日本市場への参入のニュースが続いていますが、韓国からも面白い製品がやってきました。
その名も「アドカレーター(ADCALATOR)」。
なんとなく想像が付きそうな名前ですが・・そうです!エスカレーターに広告を表示してしまおうという製品です。

携帯博士 木暮祐氏のブログでは2年前にすでに韓国で目撃された様子が報告されていますが、写真の通り、意外なところにモニターが付いています。この装置には液晶モニターとスピーカーの他にハンドレールを除菌清掃する仕組みまで付いていて、2004年には国際特許も取得しています。
韓国にはいろいろとユニークな製品が多いですが、これはかなりよくできていますね。
シカゴ空港では広告を表示するために使われているそうですが、日本市場での反応は「安全のための注意を促すため」によいのでは!ということだそうです。日本は世界的に見て安全基準が突出して高い国のひとつではないでしょうか。日本においては、デジタルサイネージも「広告」より「安全」を売りにした方が活路を見いだせるのかも知れませんね。
昨年シカゴで行われたデジタルサイネージ EXPO のムービーを公開します。ニューヨークの映像も含まれます 。
日本からの来場者はとても少なかったように思いますが、今年はどうでしょうか。
[youtube:http://youtube.com/watch?v=Z3jgjCB4uXE]
以上は私が撮影してきたものですが、以下は事務局が作成したオフィシャルな紹介ビデオです。