日本初のデジタルサイネージ・コンサルタント、デジタルサイネージ総研(TM)が国内および海外の最新情報や市場の動向をお届けします
現在の経済状況からすれば予想通りの結果ですが、アメリカでは来年のデジタルビルボードの需要が大きく落ち込む見込みが出てきました。
Lamar Advertising や Clear Channel Outdoor などの顧客を持つデジタルビルボードメーカーの Daktronics 社では、今四半期の受注は昨年比 20%増と好調だったもののデジタルビルボード単体で見ると 35%の減少となっており、2008年に 400台を発注したあるクライアントは 2009年には 100台の発注に留まる見込みだそうです。
In the second quarter ending on 31 October, overall orders were up 20 percent year-on-year but orders for digital billboards were down 35 percent, Daktronics said.
米ポーツマス市(写真)ではデジタルサイネージを使ったカーディーラーの看板が急増しており、同市計画局では条例の見直しを進めています。
新しい条例では住宅地区、商工業地区など複数の広告ゾーンを設けてそれぞれに規則を定める計画で、来年3月に施行されるまでの暫定措置として、複数のデジタルビルボードに対してコンテンツの表示切替えの頻度を下げるよう要請が出されました。
先日もテネシー州 Knoxville でのデジタルビルボード差し止めを巡る裁判の事例についてお伝えしましたが、デジタルサイネージや屋外ビジョンに関する法律の整備が必要です。
一方で、デジタルサイネージ・ネットワークの利点を活かして、犯罪抑制のための情報など公共性の高いコンテンツを表示することで存在意義を持たせる事例もいろいろと出てきてます。単なる広告媒体ではなく公共性の高い媒体にすることができれば、闇雲に禁止・規制されることは避けられるのではないでしょうか。
The latest U.S. row over the proliferation of advertising signage has broken out in the city of Portsmouth, New Hampshire, where authorities are now reviewing regulations after an explosion in the number of out-of-home promotions operated by car dealers.
(Car dealers have too many ads, city says より、一部引用)
欧米ではデジタルサイネージ・ネットワークの M&A(合併・買収)のニュースをよく耳にするようになりましたが、アメリカのガソリンスタンド・ネットワークとリテール・デジタルサイネージのネットワークが合併を発表しました。
ガソリンスタンド向けデジタルサイネージ・ネットワークを運営する Fuelcast とリテール向けデジタルサイネージ・ネットワークの Bhootan との合併により、Outcast という新会社が誕生します。Outcast のネットワークは 900カ所以上に及び、約 6,000台の液晶モニターを通して毎月 2,500万人の消費者に高品質の音声付きターゲット広告を掲出することができます。Outcast では、Shell、ConocoPhillips、Holiday Superstations、Walgreens、Sears、Kmart、Albertsons、Stop N’ Shop といった企業とパートナーシップを結んでいるということです。
Fuelcast, operator of an at-the-pump digital network, and Bhootan, a leading digital out of home media company in the retail sector, announced their merger to form Outcast. With a monthly reach of over 25 million consumers in more than 900 locations, Outcast delivers high-quality programming and targeted advertising to nearly 6,000 digital LCD screens with rich audio in high-traffic locations.
(Merger creates massive at-the-pump digital network より、一部引用)
先日もテネシー州 Knoxville での市と広告会社との裁判の事例をご紹介しましたが、ロサンゼルスの街でもデジタルサイネージによる広告公害の問題が持ち上がっているようです。
住民側は、スカイラインに並ぶ多数のデジタルビルボードにより居住者の視覚環境(visual environment)が損害を受けているとしてロビー活動を展開し、市当局も環境に関する州法に照らしてデジタル看板に関する規制を見直す必要があると発表したようです。ロサンゼルスでは現在、6ヶ月間に渡り新たなデジタル看板の設置が停止されています。
実は、2002年にロサンゼルス市はプラズマパネルを使った新しいビルボードの設置申請をいったん却下しているのですが、それに対して看板会社が市の条例は無効であるとして訴えを起こし、結果として 850箇所の看板をプラズマスクリーンのデジタルビルボードに置き換える許可を得たという経緯があります。
ブラジルのサンパウロ市でも屋外看板を禁じる法律が施行され、街中の看板が撤去されたという事例があります。
従来の看板に比べて格段にインパクトがあることから、景観の問題はデジタルサイネージにとって避けて通れないものかも知れません。
A blazing row is continuing to rage in Los Angeles after the city council gave its approval to upgrade hundreds of the city’s billboards to plasma technology.
(LA residents say digital ads are “stealing the night” より、一部引用)
Titan Worldwide が向こう36ヶ月以内に 9,000万ドル(約87.3億円)以上の投資を行い、シカゴおよびロンドンを皮切りにバス、鉄道、地下鉄のデジタルサイネージネットワークを展開すると発表しました。
シカゴでは年内に3種類のデジタルサイネージ広告が開始されますが、以前にご紹介した 12フィートのバス車体広告「デジタル・キング」も含まれます。
Titan Worldwide では鉄道のプラットフォームと車内にも 1,200枚のディスプレイを設置して広告やニュース、スポーツ、天気情報、エンターテインメントコンテンツを表示する計画です。
また 2009年初めまでには、HD モニターを両面に備えたアーバンパネルネットワークを地下鉄地上部に展開します。
Titan Worldwide announced that it is to spend $90M over the next 36 months rolling out digital signage networks across its bus, rail and subway portfolio, beginning with Chicago and London.
(Titan To Invest $90M In Digital Signage In Next 18 Months より、一部引用)
欧米では Titan 以外にも CBS Outdoor、JCDecaux、Clear Channel などの巨大メディアがデジタルサイネージの陣取り合戦に突入していますが、従来の広告媒体からデジタルサイネージへと広告費が移動するのはもはや確実と見られており、できるだけ早く投資を実行する以外に選択肢がない状況になっているようです。
街中にデジタルサイネージが増えすぎると交通標識との干渉や景観の問題などが持ち上がってくるというのは容易に想像できるわけですが、アメリカではデジタルビルボードを巡る論争がいくつも起こっているようです。
テネシー州の町 Knoxville では、ビルボード(大型看板)のデジタル化を巡って 2006年から続いてきた論争が裁判に発展しています。
市の見解ではデジタル化はビルボードの新規設置に相当し、大型看板の新たな設置を禁じた法律に抵触するとのこと。一方、広告会社側は既存の看板をデジタル化するだけであり問題はない上、差し止め命令は表現の自由を制限するものだとして法廷で争う意向です。
以前にもサンパウロ市で屋外看板がすべて撤去された事例について書きましたが、景観や広告公害の問題もあるので、コンセンサスの醸成と法整備が必要ですね。
Lamar Advertising is taking the city of Knoxville, Tennessee to court after a long-running dispute over conversion of two billboard sites to digital.
(Lamar takes city to court over digital billboard ban より、一部引用)
アメリカではすでにこんなデジタルサイネージを搭載したタクシーが街を走り回っているようです。

広告主は好きなときに映像を変更でき、GPS で指定した場所にだけ広告を出すことも可能。広告費は15秒の広告表示1回あたり $0.2 以下で、タクシー1台あたり月間 13万本の広告を表示できます。
32インチの LCD 2枚を両面に搭載し、広告コンテンツの入れ替えは無料。いつどこでどの広告を表示したかのレポート付きです。
米 Clear Channel outdoor では、このタクシー上のデジタルサイネージ 300台と全米のデジタルビルボード 250カ所で大統領選挙の開票速報をリアルタイム配信するそうです。更新は RSS を使って行われます。
その他にも FBI の犯罪者情報の掲示、児童誘拐情報(Amber Alert)などの公共的媒体として利用されています。
単なる広告枠ではなく、市民の役に立つ情報掲示板にもなるところが、これまでの看板とは大きく違うと言えそうです。
Electronic LCD Tops allowing the utmost in client control. Send text and graphics to the top when you want it. The GPS system allows ads to run in specific areas of the city, or just on a specific street. The client controls the vibrant graphics, vibrant flash animation and vibrant copy capabilities.
(Digital Smart Tops | Clear Channel outdoor digital networks より、一部引用)